ERP

海外ERP事例 4選

ERP導入に関して言えば、日本は世界から見て、遅れを取っている国の一つです。海外では大企業はもとより、中小企業やベンチャー企業でもERPの導入効果に着目し、広く浸透しています。今回は、そんな海外のERP導入事例を集めました。

≪Microsoft Dynamics 365について≫

今回紹介する事例は、Microsoftが提供するDynamics 365、並びにその前身となったDynamics AXの導入事例となります。Dynamics 365は2016年11月にリリースされた新たなERPで、従来ありそうでなかった、ERPとCRMの統合を実現したサービスです。

クラウドベースで提供されるため、低コスト・短期導入が可能であり、導入後の運用効率化もできるので、社内負担を極力減らした状態で統合されたシステム環境を導入できます。

参考資料:「Microsoft Dynamics 365概要

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

事例1.Helsana Versicherungen AG

≪会社概要≫

スイス最大手医療損害保険会社。「顧客コアプロセスの設計を見直す」という決断を下し、新たな市場へ挑戦するためのソリューションとして、Dynamics 365を採用しました。

≪同社の課題≫

Helsana Versicherungen AGは常に顧客最優先をモットーにし、会社の成長に合わせて各種顧客のニーズに対応しようと、営業組織・サービス組織内に、複数のチャネルを設立してしきました。しかし、結果として異種システムの乱立を招き、それぞれのデータも切り離されたままという事態に陥りました。

そこでHelsana Versicherungen AGは、切り離されたデータを単一システム内で管理するためにCRM戦略を開始し、これを機に顧客コアプロセス設計の見直しにも乗り出しています。

同社のCIOであるアヒム・バウムシュタルク氏は、このCRM戦略について次のように振り返っています。

「デジタル化のメリットを実現するには、顧客対応のやり方を抜本的に見直す必要があるのは当初からわかっていました。これを最優先事項として、統合に重点を置いて CRM プロジェクトを進めることになりました。標準インターフェイスなしでは、顧客の全体像を把握することはできません」

Helsana Versicherungen AGはこうした課題に対し、Dynamics 365を導入することで、簡単にデータをリンクさせ一元管理を実現しました。同社にとってさらに嬉しいポイントは、業界先駆者としてクラウドサービスを利用したことで、より柔軟な顧客対応やセキュリティ強化ができることを、保険業界の規制機関に身をもって示せたことです。

事例2. KPMG Australia

≪会社概要≫

KPMG は、監査、課税、およびアドバイザーのサービスを広範な業界、政府機関、および非営利部門に提供しているプロフェッショナル企業のグローバル ネットワークです。152 か国で 18万9,000 名を超えるスタッフで運営され、KPMG Australiaはそのオーストラリア支社にあたります。

≪同社の課題≫

KPMG Australiaは「過去のプロジェクトと将来のビジネス機会に対するタイムリーな洞察を得る」という課題を掲げ、Dynamics 365を導入しています。同社では、電子メールを送るために数時間を費やし、返答を数日間待つといった非効率が横行していた状態がありました。

Dynamics 365を導入することで、こうした非効率を排除し、同社のニール・ベンソン氏は次のように述べています。

「Dynamics 365 for Project Service Automation を使用すれば、15 分で参照情報を検索でき、時間が大幅に節約されます。」「私は、Dynamics 365 for Project Service Automation を使用して、数分で適任者を見つけました。」

KPMG AustraliaはDynamics 365を導入したことで、人材のスキルが最も重要な、監査・課税アドバイザーという業界で、強力な人材管理ツールを手にしました。

事例3. AccuWeather

≪会社概要≫

世界有数の気象予測会社であり、1962年の設立以来世界中のマスコミ、企業、政府など17万5,000以上の顧客と取引を行っています。

≪同社の課題≫

AccuWeatherの最高責任者であるクリス・パッティ氏は、同社の課題について次のように述べています。

「どの国にも当社の利用者がいます。命を守る重大な気象情報コンテンツの入手先としてユーザーから頼られる存在であることが、当社にとっては非常に重要なことです。当社はそうしたコンテンツを、信頼のできる迅速な方法で世界中の人々に提供できなければなりません。」

つまり、こうした課題を解決するために、統合されたシステム環境とデータの一元管理が重要にないります。

そのためにAccuWeatherは自社のAPI環境をMicrosoft Azureへ移行し、Cortana Intelligence Suiteなどのクラウドサービスの利用も開始した上で、Dynamics 365を活用しています。その結果、1日170億を超えるリクエストを処理し、移行プロジェクトが開始するときから約3倍に増加しています。

事例4. Dell

≪会社概要≫

Dellは世界で最も有名はテクノロジ会社の一つであり、業界初の受注構成 (CTO)製造モデルを採用した企業でもあります。

≪同社の課題≫

Dellの各工場では600台もの物理サーバが稼働し、工場ごとにIT環境が異なっていました。また、工場内では、各製品が製造工程を経て完成するまでに、70を超える高度にカスタマイズされたアプリケーションを使用し、処理が行われていました。こうした複雑なIT環境は、販売される製品のITコスト増加の原因となっていたのです。

そこでDellは、複雑なIT環境の縮小化を実現するために、Microsoft Dynamics AXを導入し、同社の製造IT担当取締役であるマット・グリフィス氏は、導入効果を次のように述べています。

「Microsoft Dynamics AX を導入してから、製造の IT コストが 9,600 万ドル削減されました。そのうちの約 5,000 万ドルは、Microsoft Dynamics ソリューションの効果です」

まとめ

いかがでしょうか?海外のERP導入事例の中には、日本企業にとっても参考になるものが多いでしょう。特に、日本企業にフィットする海外製ERPが増加した現代では、海外企業の導入事例を積極的に吸収すると、より効果の高いERP導入が実現できます。グローバル化を目指す企業、国内拠点へのERP導入など、今回紹介したERP導入事例をぜひ参考にしてください。

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