Dynamics 365 Field Serviceを活用したサポート部門の運用改善事例

 2021.05.31  BizApp チャンネル編集部

顧客先で訪問修理やメンテナンスを行うフィールドサービス業の運営においては、いかに現場のエンジニアに対し迅速かつ適切な情報共有やサポートを届けるかが、サービスの質に直結します。そこで本記事では、「Dynamics 365 Field Service」を活用したサポート部門の運用改善事例について解説します。

Dynamics 365 Field Serviceとは?

訪問先で機械設備の設置やメンテナンス、修理などを行う「フィールドサービス」は、効率的な運用をするうえで、さまざまな課題を抱えています。例えば、社外でエンジニアが単独で作業に当たる状況が多く、対応可能な仕事や効率性がエンジニア個人のスキルやノウハウに依存しがちです。それにより「緊急の依頼に対しても作業員の割り当てがうまくいかない」などの問題がしばしば起こります。また、故障状況などの情報共有がうまくいかなかったことで、作業員が何度も現場を行き来するなどの事態も考えられるでしょう。

株式会社パシフィックビジネスコンサルティングは、フィールドサービス業が抱えがちなこれらの問題を解消すべく、効果的なITソリューション「Dynamics 365 Field Service」を開発しました。これは、フィールドサービス業務の一元的な管理・サポートを可能にするクラウド型アプリケーションです。iOS/Android/WindowsのマルチOSに対応し、多様なモバイルデバイスで利用できるため、エンジニアはシステムから適切なサポートを受けつつ、効率的に現場作業に当たれます。

また、Dynamics 365 Field Serviceは地図情報やGPSの活用により、各作業員の現在地と現場への距離を照合した、迅速なディスパッチ(作業者割当)を実現します。顧客の位置情報や作業内容・指定日時などを登録する「作業指示書」に基づき、登録したエンジニアのスキルなどを参照してディスパッチすることで、現地訪問から作業報告までを一元的にカバーできます。

Dynamics 365 Field Serviceの主な機能とは?

Dynamics 365 Field Serviceには、便利な機能が数多く搭載されています。以下では、その中でも特に役立つ主要機能について紹介します。

作業指示書

訪問先で必要な作業内容や手順などが書かれた作業指示書は、エンジニアにとって作業を効率的にこなすための手引きとも言えます。Dynamics 365 Field Serviceが提供する作業指示書のフォーマットには、作業内容や必要パーツなどを詳細に入力できます。

作業指示書の作成にあたっては、手入力はもちろん、過去の作業案件からデータを流用することも可能です。つまり、過去の受注案件などを参考に、よく使うテンプレートをあらかじめ作成しておくことで、最適な作業指示書の作成が実現します。これによって現場のエンジニアは、自社が蓄積したナレッジの恩恵を効果的に受けつつ、作業に当たれるようになります。

ディスパッチ

Dynamics 365 Field Serviceは、現場の地図情報に合わせて最適な移動経路を自動検索してくれるほか、作業員のリソースの空き状況やスキル情報などをシステムに登録することで、効果的なディスパッチを可能にします。このディスパッチ機能がなす作業員の最適配置は、現場までの移動距離や移動時間を短縮するだけでなく、車両の損耗を抑えることにもつながります。

また、Dynamics 365 Field Serviceにより迅速かつ柔軟性のある対応や情報共有が可能になることで、現場訪問のスケジュールを顧客の希望に合わせたり、提供可能なサービスの情報を顧客に正確に伝えたりすることも容易となります。もちろん、先の作業指示書の例にも見られるように、現場作業員に顧客の正確な情報を届けられるのも強みです。

モバイルアプリケーション

フィールドサービスにおいて、作業員は当然ながら、社外のさまざまな現場を仕事場とします。それゆえ、そこで使われるシステムはモバイル端末でもアクセス可能な、ユーザビリティに優れたものであることが必須です。その点、Dynamics 365 Field Serviceは、iOS/Android/WindowsのマルチOSに対応した専用モバイルアプリを利用することで、オンサイト業務を大幅に効率化します。

資産管理機能

Dynamics 365 Field Serviceの「資産管理機能」では、検査・保守・修理に関する顧客情報をすべて参照できます。こうした情報は継続的なメンテナンスなどに役立てられ、問題発生時にも現場作業員の貴重な参考資料となるでしょう。

予防メンテナンス

設備の安定的な運用のためには、定期メンテナンスが欠かせません。Dynamics 365 Field Serviceの「予防メンテナンス機能」は、事前に設定した頻度・日付の範囲で作業指示書や請求書を自動生成し、スケジュール管理をサポートします。

在庫、購入、および返品の機能

Dynamics 365 Field Serviceでは、在庫・購入・返品の情報管理を行えます。これによりユーザー企業は、トラック上の在庫管理や発注のリクエスト処理、製品の返品状況などを効率的に管理できます。

請求書作成

Dynamics 365 Field Serviceは、顧客に提供した製品やサービスに基づき、請求書を作成する機能も備えています。顧客との保守契約内容をシステム上で保存管理できるため、定期作業のスケジューリングや定期請求データの自動作成が可能となります。

レポートのための分析

Dynamics 365 Field Serviceには、作業指示書の管理や活動のスケジュール設定、顧客連絡などの主要業績評価指標に基づいた高度な分析機能も搭載されています。これにより、レポーティング業務の大幅な効率化が可能です。

改善事例を紹介!

Dynamics 365 Field Serviceを導入することで、ユーザー企業はどのような業務改善効果を見込めるのでしょうか。以下では、Dynamics 365 Field Serviceの導入による改善事例を紹介します。

作業効率化

Dynamics 365 Field Serviceを活用することで、ユーザー企業は作業の効率化を実現できます。例えばSky株式会社は、これと「Remote Assist」アプリケーションのTeams通話を連携させることで、現場のエンジニアが遠隔地の有識者と視界を共有しながら作業に当たれる体制を構築しました。このTeams通話は、録画することで作業内容を映像として記録し、作業実績の報告や共有に役立てることも可能という、まさに一石二鳥の方法です。

またDynamics 365 Field Serviceの導入により、デバイス上で作業指示書や必要な作業資料を確認できるようになったため、エンジニアは分厚いマニュアルを携行する必要もなくなったとのことです。

エンジニアの状況把握

Dynamics 365 for Field Serviceによる自動スケジューリング機能は、作業員全体のスケジュールを可視化し、最短の移動時間で多くの案件を対応できるように予定を自動調整します。またGPSを活用することで、エンジニアの現在地をリアルタイムで把握し、緊急の案件に対しても迅速な作業員の手配が可能です。

Sky株式会社はこれを活用し、エンジニアが作業開始時・終了時にモバイルアプリからステータス更新した情報を検知して、関係者にその情報が共有される体制を構築しました。これにより、作業員の仕事状況を逐一把握できるようになったのです

蓄積したデータ分析

サービスの質を向上させるには、PDCAサイクルを絶えず回していくことが必要です。Sky株式会社は、Dynamics 365 for Field Serviceと社内システムとの連携によりデータを集約し、作業内容や作業時間をグラフ化した分析を可能にしています。これらの分析結果を基に、傾向解析や対策検討などをさらに実施していくことで、さらなる作業効率の向上が見込めるでしょう。

自動システム連携

新しいアプリケーションを導入するうえで注意したいのが、既存システムとの連携性や、業務プロセスの変化による現場の混乱です。Sky株式会社はこうした課題に対して、内製パッチを作成することで、Dynamics 365 for Field Serviceと既存システムとのシームレスな連携を実現しました。

Dynamics 365 for Field Serviceは、社内システムに合わせて画面を柔軟にカスタマイズできるので、導入後も業務実態に合わせて最適化していくことが可能です。

まとめ

作業員が社外で個々に活動することの多いフィールドサービス業だからこそ、適切なサポートや情報共有を実現するための、システム構築が必要です。フィールドサービス業の効率的な運用を可能にするために、ぜひ「Dynamics 365 Field Service」の導入をご検討ください。

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