CRM/SFA

クラウドCRMのメリットとデメリット

高品質の製品、サービスを低価格で提供すれば利益が出るという時代は過ぎ、今ではいかに+αを提供できるかが競合に負けないポイントです。そうした+αを提供するために必要なのが、顧客とのコミュニケーションと情報管理でしょう。

コミュニケーションと情報を適切に管理することができれば、顧客の課題をより深く理解し、競合にはない+αを提供することができます。

そして適切な管理を行うために重要なのが顧客管理システムですね。中でもクラウド顧客管理は年々シェア率を伸ばし、拡大市場の一つです。

そんなクラウド顧客管理(CRM)のメリットとデメリットを、4つの視点から考えていきたいと思います。

CRMの利用実態と課題

経営のメリット・デメリット

メリット

経営上のメリットとして最も大きいのはやはりコストダウンです。まず初期コストですが、クラウド顧客管理なら無料~数万円程度で導入出来るので、数百万~数千万円かかることもあるオンプレミス環境より圧倒的に低コストです。

初期コストがネックになる導入できないケースもあるので、この点の問題はクリアしていると言っていいでしょう。

また、ランニングコストに関しても削減できるケースがあります。

オンプレミス環境ではサーバやシステムの管理、バージョンアップ対応、バックアップなどの運用業務が発生します。一方クラウド顧客管理ではこれらの業務が発生しないので基本的に運用管理の人件費がかかりません。

加えてサーバの消費電力やクーラーで室温を維持する必要もないので、全体的なコストを抑えることもできるでしょう。

ただし、環境によってはランニングコストが増加してしまう可能性もあるので、事前の確認が重要です。

この他予算の見通しが立ちやすいことや、ユーザー数を自由に増減できるなどのメリットがあります。

デメリット

デメリットはやはりランニングコストでしょう。環境によってはコストダウンになるケースもあると前述しましたが、逆を言えばコストアップになるケースも存在するということです。

クラウド顧客管理の利用料金はユーザー数や管理件数によって増減するので、組織規模が大きくなるほどランニングコストがかかる傾向にあります。

従って導入前にきっちり試算し、長期的目線でオンプレミス環境とのコストを比較していきましょう。

情報システムのメリット・デメリット

メリット

情報システムとしてのメリットはやはり業務効率化です。前述したようにクラウド顧客管理では運用管理業務がかなり軽減されるので、本来業務に注力することができます。特に情報システム人材が不足している中小企業では、運用管理業務が大きな負担になっている傾向があります。

限られたリソースで運用管理を行っていくためにも、クラウド顧客管理は正しい選択と言えるでしょう。

また、セキュリティ性に関しても向上できるのがクラウド顧客管理です。クラウドサービスベンダーは”お客様からデータを預かる”という立場にあるため、基本的にしっかりとしたセキュリティ対策を取っています。ファイアウォールや多層防御システムなど、強力なソリューションを導入していることも珍しくないので、クラウド顧客管理を利用するだけで安心安全にシステムを利用することができるのです。

Microsoft Dynamics 365では、セキュリティ基準としてクレジットカード業界標準であるPCI DSSに対応していたり、外部からの防御についてもIDSをはじめとしたシステムを導入しています。これらを自社で整備しようと思うとかなりの負担が容易に想像できます。

デメリット

デメリットとしてはやはりカスタマイズ性の欠如。クラウド顧客管理はパッケージ製品のように機能が固定されているため、ベンダー側で機能開発などカスタマイズは行えません。

従って、自社要件に最も適した製品を選び、導入することが重要になります。

また、生涯発生時はベンダーが対応し自社では手が出せない状況になるので、むず痒さを覚える情報システムも多いでしょう。

システム利用者のメリット・デメリット

メリット

クラウド顧客管理はインターネット経由で利用するシステムですので、利用する場所や時間、デバイスを選びません。このことから従来より自由度の高いビジネスを実現することができるでしょう。

営業先での情報確認やリモートワークなども提供できるので、エンドユーザーから見ても多くのメリットが享受できると思います。

また、これまで上に情報共有が簡単になることで業務効率化の効果も期待できます。クラウドサービスですので複雑なネットワーク環境を構築する必要もなく、極端な話情報システムなしでも顧客管理システムを導入出来るでしょう。

クラウドサービスが中小企業の強い味方である理由の一つですね。

デメリット

システム利用者としてのデメリットは少ないですが、システムのレスポンスにストレスを覚える方がいるかもしれません。インターネット経由で提供されているので、端末内にインストールされたアプリケーションのように動作性は軽くないかと思います。

ただこれは安定性の高いインターネット環境を整備すれば、大きな問題にはならないでしょう。それよりも外出先で利用できたり、簡単に共有できるというメリットの方が大きいと思います。

また、当然ながらインターネットに接続されていないと利用できないので、インフラ環境を整えておくことも大切です。

顧客のメリット・デメリット

メリット

クラウド顧客管理を導入することで顧客側にもいくつかのメリットがあります。それは、従来に比べ高品質かつ標準化されたサービスを受けることができるということです。

クラウド環境で顧客情報の共有や、顧客とのコミュニケーション管理を高めることで、より質の高いサービスを提供することができます。これは顧客満足度を向上できると共に、顧客から見てもサービスの質が上がるというのは一つのメリットです。

また、取引先で情報共有が進んでいれば、担当者が変更になった品質を維持したサービスを受けることができます。

デメリット

唯一デメリットなのが、クラウド顧客管理の導入によってサービスの質が変わってしまうということです。例えば顧客要望に対する柔軟な対応がウリの会社があったとします。多くの顧客はおそらくこの柔軟な対応に魅力を感じ、取引をしていることでしょう。

しかしクラウド顧客管理の導入によって顧客対応がシステム化されてしまうと、途端に柔軟な対応ができなくなってしまいます。となると柔軟性のある対応にメリットを見出していた顧客からすれば「クラウド顧客管理導入してくれない方が良かった」と感じるでしょう。

ここでは顧客から見たデメリットとして紹介していますが、今後クラウド顧客管理を導入する企業の中ではこうした理由で顧客からのクレームを受けてしまう、あるいは顧客を失ってしまうリスクがあるということです。

ですから、導入前にクレームを受けるリスクはないか?という点について検討しておくことが大切です。

まとめ

いかがでしょうか?今回はクラウド顧客管理のメリットとデメリットを紹介しましたが、思っていたより影響を及ぼす範囲が広いということに気づいていただけたのではないかと思います。

クラウド顧客管理に限らず、こうしたメリットデメリットは様々なシステムで見て取れるものです。

失敗しない導入をするためには、メリットだけでなくデメリットについてしっかりと認識し、対策を取ることが重要になります。社内全体はもちろん、社外のステークホルダーにも目を向け、メリットとデメリットを熟知した上でクラウド顧客管理を導入していただければと思います。

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