営業職はAIでどう変わるのか?

 2019.06.25  BizApp チャンネル編集部

ここ数年でAI(Artificial Intelligence:人工知能)分野の発展が目覚ましく、さまざまな業界での活用が注目されています。そうした中で、「AIによって人の仕事が奪われる」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。その影響は営業職にも及ぶのかもしれません。

しかし、AIが人の仕事を完全に奪うようなケースは無く、さまざまな職種における補助的な役割として活用されるのがほとんどです。営業職も例外ではなく、AIによって実にさまざまな効果を得られます。

本稿では、AIが営業職にあたえる影響から、これからの営業職がどう変わっていくのかについて解説しています。

AIと営業職の相性は良いのか?

営業職はクリエイティブな仕事だと認識されており、実際に“人対人”という、AIの介入が難しい分野だと考えられています。しかし実際には、AIと営業職というのは非常に相性が良く、高い生産性向上効果が得られる可能性があります。

現在でも「営業は根性でやるもの!足で稼ぐもの!」と考えているセールスパーソンも多いでしょう。口八丁・手八丁で顧客を納得させ、ゴリ押しで商品を売るタイプの人が一定数いるのは事実です。しかし、本当に高い実績を持っているセールスパーソンというのは、こうしたタイプではありません。

営業活動において初回訪問から成約に至るまでの訪問回数と、成約率に密接な関係があることはよく知られています。更に、成績の良いセールスパーソンが稼ぐ利益のうち、リピーターによってもたらされる割合も定量化されています。優秀なセールスパーソンは、そうした情報分析を自然と行い、自分の営業活動を常に最適化することを考えています。だからこそ、重要なタイミングで商品を提案でき、無駄な動きが少ないため結果的に高い営業実績につながっていくのです。

基幹システムに関するお役立ち資料

このことから、営業職は業務のパターン化が容易であり、科学的分析との親和性が高いため、営業実績を上げるための手法さえ身に付けられれば一定の実績を上げることは容易です。こうした点が、AIと営業職の相性が意外と良い、と言われている所以です。

AIが営業活動をアドバイスするようになる

営業現場でのAI活用はまず、AIが営業チーム全体の動きを学習して、営業活動におけるアドバイスを行うようになります。昨今のAI技術で特に注目されているのが“ディープ・ラーニング(深層学習)”です。囲碁の世界トップ棋士に勝利したAIは、開発者から勝ち方を教わったわけではなく、数多くの対局をデータとして読み取り、AI自身が勝つための方法を編み出しています。さまざまなパターン化がされた営業職では、AIによって同じような効果を得られる可能性が高いでしょう。

たとえば営業支援システムにAIが搭載されている場合、セールスパーソンたちの営業活動を残さず学習し、どのような頻度で顧客に訪問しているか、どういった文面でメールを送信しているかといった細かいところまで学習していきます。この学習を通じてAIは「セールスパーソンがどう行動すれば高い実績を上げられるのか?」という答えを出し、体系化して、それぞれのセールスパーソンにアドバイスするようになります。

優秀なセールスパーソンは放っておいても高い実績を上げるため、手間をかける必要はありません。課題は、社内の大半を占める平均レベルのセールスパーソンの実績を、どう向上するかによって企業全体の利益が決まります。AIを活用すれば「この顧客は成約率が低いにも関わらず、訪問回数が多すぎます。訪問頻度を減らして、その分新規顧客開拓を行いましょう。」などのアドバイスによって、営業全体の底上げに貢献します。

そのため、コストをかけてでもAIは導入する価値が高いと考えている企業がたくさん存在します。

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セールスパーソンの業績評価に問題が…

今まではごく単純に、営業実績のみで評価が決まっていた環境でも、AIが導入されることでセールスパーソン同士の差が縮まっていきます。従って、営業実績そのものの評価に加えて、AI学習に対してどれくらい貢献できたか(AIに有効な学習データを提供できたか)という点が、重要な評価指標になっていくでしょう。

そのため、優秀なセールスパーソンの定義が今まではとは少し異なっていきます。高い実績を上げているセールスパーソンには、感覚で営業活動を行い利益をあげる天才肌と、自分の実績や行動について論理的に分析し、工夫を重ねることで高い利益をあげる論理タイプの2パターンがあります。

AIが営業職に馴染んでいくと、感覚で利益を上げる天才肌よりも、自分の実績や行動について論理的に分析する論理タイプの方が評価は高くなるでしょう。AIの学習結果をもとに、AIがセールスパーソンを指導するにも限界があり、継続的な品質向上のためには論理的に整理された営業情報が必要になるためです。

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事務作業スキルが徐々に陳腐化していく

営業職でのAI活用が高度な段階に入ると、提案資料や見積書の作成、営業メールの作成など営業に関する事務作業の一部をAIが代替するようになります。営業に限った話ではありまでんが、ビジネスではその業務になくてはならないコア業務と事務作業の2種類で構成されています。

全体の中で事務作業が占める割合は非常に高く、7割以上を占めることも。営業職におけるコア業務とは顧客ニーズを掘り出したり、適切なタイミングで商品を提案したり、顧客とコミュニケーションを取る時間だと言えます。これらのコア業務を充実させるためには事務作業が欠かせませんし、優秀なセールスパーソンだけではそれをカバーすることができません。そのため、多くの企業ではセールスパーソンとしてそれほど優秀でなくても、ある程度事務作業ができる人を採用してきました。

しかしAI活用が進むと、提案資料の作成が得意、ビジネスメールの作成が速いといった事務作業スキルは徐々に陳腐化していきます。営業の事務作業をAIが代替していくようになると、コア業務に関する部分で高いパフォーマンスを発揮する少数のセールスパーソンと、彼らをサポートする営業アシスタントがいれば営業職は回っていくようになります。

要するに、能力やスキルに差があるセールスパーソンを5人雇用するよりも、2人の優秀なセールスパーソンがAIを駆使して営業活動を行い、1人の営業アシスタントが事務作業をサポートするという体制の方が、圧倒的に高い営業実績を残せるようになります。

AIによって人の仕事が完全に奪われるようなことは確かにありませんが、このように汎用的スキルを売りにしていたビジネスパーソンやその他の人材は、新しい能力やスキルを身に付けないとAIによって淘汰されてしまう時代は、そう遠くありません。また、高度な事務作業の自動化は、RPA(Robotic Process Automation)とAIを掛け合わせることによってすでに可能となっており、決して遠い将来の話ではないのです。

企業にとって営業職でのAI活用は色々な可能性を秘めているかもしれませんが、セールスパーソンやその他の人材にとって、確かにAIは自身の職を脅かす存在です。そうした時代に負けないためにも、AI時代において自分は何ができるのか?何が強みなのか?を改めて理解することがとても大切です。

営業活動の効率化と、普及期に入ったAI

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