製造現場で流行りのAI、その適用領域と導入ポイント

 2020.04.14  BizApp チャンネル編集部

製造業×AI、この組み合わせはすでに多方面で注目されており、ドイツ政府のインダストリー4.0や日本のコネクテッド・インダストリーズなど国の取り組みとしても推進されています。本記事でご紹介するのは、製造現場で注目を集めているAIが一体何をもたらすのか?です。

製造業におけるAI活用は大企業に集中していますが、今後は技術のコモディティ化が進むことで中小製造業者でもAI活用が当たり前になっていきます。そうした時代の流れに乗り遅れないためにも、製造業とAIの関係性を理解しておきましょう。

製造現場で流行りのAI、その適用領域と導入ポイント

製造現場で起きているAI革命

AIとは膨大なデータの中からその特徴を自律的・他律的に学習し、高速な判断や予測分析等を自動的に行う技術です。特定の分野において、AIはすでに人間の脳を遥かに超えています。そんなAIが製造現場に導入されると、一体どんなことが起きるのでしょうか?

1. 不良品発生、異物混入を自動的に発見する

不良品発生や異物混入といった品質トラブルを防止することは、製造業の生命線とも言えます。品質トラブルの発生を100%無くすことはできずとも、後工程で確実に発見できれば不良品等が顧客の手に渡ることはなく、品質の高さをアピールできます。この分野におけるAI活用はすでに進行しています。

例えば、製造ラインの検査工程においてAI搭載カメラを投入すると、コンベアを流れる部品などを撮影し続け、画像データから部品にある不良を発見できます。熟練検査員でも見分けることが難しいような不良だとしても、AIは見抜いてしまいます。

製造ラインの作業員を常時モニタリングする取り組みもスタートしています。不良品や異物混入が発生する際に、前工程で作業員がいつもとは違う行動を取るケースが多くあります。AIはそれを監視し、定められた手順と異なる動作があれば異常として検知し、アラートを設定することで作業漏れや手順の誤りを確実に防止し、品質トラブルの発生を抑えてくれます。

また、AIはモニタリング情報を常に記録し続けてくれるため、要因分析を行うことでどんな時に品質トラブルが発生しやいのか?を客観的に導きだすことができます。

2. コンピューターによる品質の安定化

品質トラブルを防止することはもちろん、品質を安定させることも大切です。工場の製造ラインでは経験年数もスキルもバラバラな人材が、組み立て業務や検査業務にあたっています。また、食品のように外観検査基準があいまいな製品もあります。そうした中で品質の一貫性を保つには、一定の経験とスキルが必要です。しかし、熟練の作業員であってもその時々の調子や疲労度合いによって作業能率が変化し、ミスを発生させる可能性があります。その結果、品質が不安定になり品質トラブルが発生しやすくなるでしょう。

一方、AIを搭載し機械同士が相互に制御するような製造ラインを導入すれば、コンピューターにより品質の安定化が実現します。

3. 手間の多い検品作業を効率良くする

製造プロセルの中で手間が多い業務と言えば検品作業です。大量に仕入れた部品や原材料の抜き取り検査を行い、納入時の品質をチェックしなければいけません。部品に不良があるまま製造ラインに流してしまうと、不良品を量産することになり非常に大きな損失を生みます。

それを防ぐのが受け入れ時の検品作業ですが、作業員の目視による検査では作業負担が大きくなるにつれて見落とし等が発生しやすくなります。一方、AIを採り入れた検品作業では部品・付属品・仕掛け品など幅広いモノに検査を適用でき、不良品を素早く検知できます。また、品番の相違や商品点数の違い、付属品の梱包忘れなどのミスも防止できます。

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4. ヒューマンエラーによる事故を防止する

製造現場では作業員の怪我や死亡につながるようなリスクが日常的に潜んでいます。例えばベルトコンベアやプレス機といった大型機械への巻き込み、フォークリフトなどの動力運搬機、高熱・高電圧・有害物質など細部にいたるまで細心の注意を払わなければいけません。扱い方を誤れば、重大な事故に発展する可能性は大いにあります。

工場内をAIで常時モニタリングすれば、重大な事故が発生するような兆候を察知してアラートし、事故発生を防ぐことが可能です。危険区域への立ち入り、不適切な運転、こうした事故発生の要素を、機械学習を用いて察知し、高度な危険予想モデルを搭載できます。

日々の製造活動における安全性確保は、作業員の心理的負担も軽減して生産性をアップさせるきっかけになるでしょう。

5. 過去のデータを基に最適条件を予測する

製造ラインでは各種産業機械の操作はもちろん、建設機械のように大掛かりな機械を操作することがあります。このような作業において、熟練作業員なら経験によってコツをつかんでいますが、慣れていない作業員は非効率的になり、時間もコストもリスクも増します。

AIは、産業機械や建設機械の操作においても、機械学習によって蓄積したデータから最適値を計算し、熟練作業員でなければ不可能だった複雑な操作により、製造効率をアップさせることができます。

6. 外国人従業員とのコミュニケーション効率化

製造業の海外展開が依然として進む中、現地の外国人従業員とのコミュニケーションは大きな課題です。言語の壁を乗り越えることは、品質トラブルの発生を抑止したり、製造効率化を実現したりと大きな効果を発揮します。そこでAIが活用できます。機械学習によって会話データを基に高機能な翻訳能力を提供し、製造現場固有の用語や感覚的な言葉まで、AIは自動で学習してほとんどタイムラグ無く的確にコミュニケーションを取ることが可能です。言語の壁を越えて円滑なコミュニケーションが期待できます。

製造現場へのAI導入ポイント

いかがでしょうか?製造現場へAIを導入することで、実にさまざまな事が実現でき、多くの製造課題を解決することになります。しかしおいそれと導入できるものではないのがAIです。では、製造現場へAIを導入する際に意識すべきポイントとは何でしょうか?

ポイント1. AI人材の内製化

AI導入にあたり、AI技術に長けている新しい人材が欠かせません。AI導入までは信頼できるパートナーに依頼できても、日常的な運用はやはり内製化すべきです。AI人材を外部から獲得するか、内部人材を育成する必要があります。

ポイント2. 目的意識を明確に持つ

AIはいろいろなことができますが、自社製造業にとって解決すべき課題は何か?AIでどのようなアプローチが可能か?ということを明確に考え、常に目的意識を持ちながらAI導入へ取り組むことが重要になります。

ポイント3. 正しいAIプラットフォーム選択

AIを動かすためのプラットフォームは多様に提供されています。その中で、自社製造業にとって最適なAIプラットフォームは何か?これを正しく選択できるか否かが、AI導入の成否を握ると言ってよいでしょう。

製造×AIは時代のトレンドです。小さな町工場であっても、今後はAIを活用した製造プロセスを構築することでさまざまな付加価値を生み出せます。この機会にぜひ、製造現場におけるAI導入をご検討ください。

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