組立製造とは?プロセス製造との違いを解説

 2020.08.18  BizApp チャンネル編集部

日本と肩を並べる「ものづくり大国」ドイツ。日本の製造業とドイツの製造業、皆さんはどのような違いがあると感じていますか?ドイツでは、製造業が国の根幹を担う産業ということを多くの国民が理解しています。そのため国をあげて製造業を推進する傾向にあり、AI(Artificial Intelligence/人工知能)やIoT(Internet of Things/物のインターネット)を活用したスマートファクトリーに向けての取り組みも加速しています。

本記事でご紹介するのは、そんな製造業における「組立製造とプロセス製造との違い」です。組立製造とは何か?プロセス製造とは何か?製造業を国の根幹としている日本においても同様にこの2つの違いを広く知っていただきたいと思います。

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組立製造とは何か?

組立製造は別称「ディスクリート(Discrete)製造」と呼びます。ディスクリートの意味は「別々の」「個々の」です。例えば「ディスクート半導体」はICチップなど複雑な半導体とは異なり、1つの機能だけを備えた半導体を指します。ディスクリートとは「単体」と言い換えることもできます。

製造業においてディスクリート製造(組立製造)とは「単体(個体)の部品を寄せ集めて1つの完成品を生産する製造スタイル」ということです。例えば自動車、家電、半導体、ハードウェアなどは組立製造に該当します。

プロセス製造との違い

一方、プロセス製造は流体を原材料とする製造業のことで、代表的ものが化学プラントや精油工場などが該当します。主に化学薬品や原油などを流体としている製造業です。製造するものによってはプロセス製造から組立製造へ遷移するものもあります。

組立製造とプロセス製造の細かい違いを挙げると、プロセス製造には「仕掛け品」と呼ばれる部品を管理する工程がありません。仕掛け品というのは、生産効率性を高めるために製造途中の部品を一旦在庫として管理したもので、プロセス製造では流体を主に扱うので多くの場合、仕掛け品を管理するという概念がそもそもないのです。

また、プロセス製造で扱われる原材料は流体なので時間によって成分が変化することがあります。それにより本来製造したいものが製造できなくなってしまうため、プロセス製造には仕掛け品がありません。

対して組立製造では生産効率性を高めるという目的で、前工程での製造を前倒しで行い、後工程の生産能力を飛躍的に高めるなどの方法を実践します。

組立製造におけるAIとIoT活用に向けた課題

製造業、とりわけ組立製造では現在、AIとIoTを活用したソリューションによるスマートファクトリー化が注目されています。スマートファクトリーというのは、生産活動の一部または全部においてAI及びIoTなどの先端技術を搭載し、情報と設備をコントロールすることで生産効率を劇的に上げるための取り組みです。ドイツはこの点において、日本がスマートファクトリーに向けた政府方針を固めた6年前に「インダストリー4.0」を掲げてプロジェクトをスタートしています。

スマートファクトリーを実現できれば、製造コストの極小化だけでなく極めて高度な「マスカスタマイゼーション(消費者個人に合わせた製品のカスタマイズ)」が実現することにより、世界の製造業をリードするほどのインパクトをもたらすことが可能です。しかし、AIとIoT活用にはいくつかの課題があります。

課題1. ITシステムの「つながる化」

AIとIoT活用において最初の課題となるのが、ITシステムや生産設備の「つながる化」です。スマートファクトリーは完全自動化された生産活動と、AIを活用した「自律的に考える工場」を目指しています。そのためには、社内や工場内にあるあらゆるITシステムと生産設備をつなぎ、膨大なデータを生み出す環境が必要です。

しかし、多くの製造業では工場内に古い機器やベンダーが異なるシステムなどが乱立していることから、「つながる化」は決して容易ではありません。場合によってはITシステムや生産設備を全て一新しなければならないケースもあり、AIとIoT活用の大きな負担になっています。

また、各ITシステムや生産設備がそもそもデータ取得を前提としていないので、データが標準化されていない上にデータの種類や粒度、フォームなどが異なります。単純につながってデータを集めるだけでは、AIとIoT活用による効果を存分に発揮することは難しいのです。

課題2. 効果的な「データ活用」

2つ目の課題が「データ活用」です。社内のITシステムを生産設備につなげ、データを取得して蓄積できる仕組みが完成したとしても、そこから有益な価値を生み出せるとは限りません。データを取得できたとしても機器ごとに設置されている情報が異なり時系列がバラバラになったり、条件設定が正確ではないなどの理由で使えるデータを取得することができないケースが多々あります。

データを「使える」状態にするためには、事前にデータの加工やクレンジングが必要になります。この仕組みをどう作るかという点、戦略をたてられるデータ分析に長けた人材の存在が欠かせないでしょう。

課題3 .高度化すべき「セキュリティ」

データを集めて分析し、それをビジネスにとって有益な情報に変換できたとしても、情報漏洩などセキュリティ被害が発生する可能性はあります。AIとIoT活用によってスマートファクトリーを実現するほど、システムは多様化しデータは多量になります。ゆえにセキュリティリスクも増大するのです。

工場も本来はつながることを意識したものではないため、セキュリティは著しく低下するものと考えられます。2017年5月に世界中で流行したランサムウェア「WannaCry」は、多くの製造業の基幹システムに侵入し、システムをロックしたことで一時的な稼働停止に追い込みました。スマートファクトリー化が進むほどサイバー攻撃による被害は甚大なものになり、あらゆる視点からセキュリティ対策が必要になるでしょう。

このように、組立製造ではAIとIoT活用における重大な課題がいくつかありますが、これらの課題を1つ1つクリアし、工場全体として「つながる生産」を実現すれば、企業が得られるビジネス効果は計り知れません。

現在では、Microsoft Dynamics 365のようにスマートファクトリーの実現を支援する、統合ビジネスアプリケーションが登場しています。これらAI及びIoT向けのソリューションによりスマートファクトリーに向けた取り組み負担を軽減できます。この機会にぜひ、スマートファクトリーに向けた検討を行なってみましょう。

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