RPA/ワークフロー

RPAを導入するメリットと導入の進め方

デジタルレイバー(仮想労働者)とも称されるRPA(ロボティック・プロセス・オートケーション)は、事業生産性向上を目指す企業にとってなくてはならない存在になりつつあります。一般的にはホワイトカラーに代表されるITを活用した定型業務を自動化するのがメリットだと考えられていますが、RPAは使い方次第でその可能性を大きく広げられます。本稿では、そんなRPAを導入するメリット及び導入の進め方についてご紹介します。RPAをもっと身近な存在として感じていただき、RPAのメリットを自分ごとして考えながら読んでいただけたら幸いです。

RPAを導入するメリットと導入の進め方

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RPAのメリットをあらためて振り返る

RPAのメリットとして一般的にイメージされるのがITを活用した定型業務の自動化です。企業にとって多くの定型業務は非生産的と印象を受けるでしょう。また、それに伴う人件費も発生するため、これをなんとかしたいと考える経営者は多いかと思います。

メリット1.業務自動化で生産性向上

RPAのメリットの基本が、業務自動化による生産性向上です。RPAはパソコン上で行われる作業をプログラムによって自動化し、人の業務負担を軽減します。これにより生産性は向上し、従業員はより戦略的な業務に集中できるようになります。このメリットを表す1つの指標が作業時間です。日間・週間・月間単にその作業に費やしていた時間がRPAによってどれくらい削減されるのかを試算すると、RPAによってどれほど生産性を向上できるのかが分かります。

メリット2.残業時間短縮で人件費削減

RPAによって作業時間が少なくなるということは、それだけ仕事にかかる時間が短縮されることになります。例えば月末の給与計算業務で必ず残業を強いられていた経理担当者は、RPAの導入を機に残業時間が劇的に短縮されるでしょう。定型的な業務であるほどRPAの効果は大きいため、自社内にRPAによって自動化できそうな定型業務がどれくらいあるのかを探ってみてください。残業時間が短縮されれば、当然ながら人件費が削減され、利益が上がります。2023年からは中小企業でも大企業と同様に、月間の残業時間が60時間を超えると50%の時間外労働賃金を支給しなければならなくなるので、RPAによる人件費削減効果はより大きくなるでしょう。

メリット3.離職/休職などの人材リスク皆無

人は様々な理由によって離職/休職をする可能性があります。企業はこれを止められませんし、いつ発生するかも予測できません。そうした人材リスクに対してRPAは有効に働きます。まさに理想のデジタルレイバーとして、企業の様々な業務をこなしてくれるでしょう。

メリット4.労働力不足解消の決め手に

日本は深刻な労働力不足に陥っています。これは今後も同様で拡大して行くでしょう。少子高齢化による波は止まらず、なおも加速しているのです。グローバル化した企業なら海外に新しい人材を求めることもできますが、大半の企業はやはり国内での雇用を想定しています。RPAはそうした労働力不足の解消にも有効です。

RPAはパソコン上で完結できる定型業務ならほとんどのケースにおいて自動化できるので、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

メリット5.働き方改革の一環として

働き方改革はもともと「一億総活躍社会の実現」に向けた国家的な取り組みでした。しかし今では、企業全体が取り組むべき施策として認識されており、働き方改革への取り組み方が、企業の価値を決める指標の1つにもなっています。ところが現実として、実態に即した働き方改革を実施できている企業は少ないのかもしれません。RPAによって働き方改革へ取り組んでいることを外部へアピールできますし、事実として働き方改革の施策になり得ます。

メリット6.入力ミス等による手戻りが無い

業務プロセスとシステムの間に人が介入する以上、どこかで必ずミスが発生します。微々たるミスなら見過ごせますが、時には部門や組織全体に影響を及ぼすようなミスが起こることもあり、その手戻りが生産性を著しく低下させます。RPAはプログラムに不備がない限りミスを犯しません。これまで発生していた手戻りが無くなると、生産性はさらに向上します。

メリット7.事業部門主体での運用も可能

昨今のRPAは操作性の良いものが多く、プログラミングができない人でも自動化プログラムを作成できます。実際の作業画面をRPAに記録させて、自動的にプログラムを作成すればそれだけで自動化ロボットの完成です。このため業務を熟知している事業部門主体での運用も可能なので、業務効率化が促進します。

メリット8.定型業務以外にも適用できる

非定型業務であっても、そのプロセス全てが非定型的なわけではありません。イレギュラーな仕事の中にも定型業務が含まれている可能性もあり、そうした部分にRPAを適用させると定型業務以外でもRPAが活用できるようになります。

メリット9.AI連携で高度な業務も自動化

高度で人間的な判断を必要とする業務であっても、RPAはAIと連携して自動化できてしまう時代です。例えば顧客から届いた発注メールの文面をAIが解析し、重要なキーワードを抽出して自動的に見積書を発行できたりします。

RPA導入の進め方

上記のようにRPAにはたくさんのメリットがあります。では、実際にそれらのメリットを享受するにはどのようにRPA導入を進めたら良いのでしょうか?

まず大切なのは業務プロセスの洗い出しです。組織のどこに定型業務があり、どこにRPAを適用できそうなのか。これを把握した上でRPAを適用した場合の効果を試算しながら、優先的に自動化すべき業務プロセスを決定していきます。次にRPAのツール選定に入り、自社ビジネスに最適なツールを選んでいきます。RPAツール選びではツールごとの違いを明確にしながら、比較検討を行うのが大切です。また、トライアルが可能であればその操作性を確認することをお勧めします。

いざRPAの導入となれば、ベンダーやパートナーのトレーニングを受けることになるでしょう。それに加えてRPAをどの範囲で使用し、どのように運用し、どう拡大していくかなどの運用計画を事前に立てることが肝要です。また、導入後は継続的な経過観察によってRPAの効果を評価し、改善を繰り返しながら運用を最適化していきます。

RPAは業務支援のためのツールであり、RPA導入自体が目的ではありません。このことを念頭に置きながら、自社ビジネスにおけるRPA導入をぜひとも検討してみてください。

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