企業に求められるESG経営と取り組むメリットについて

 2022.05.24  BizApp チャンネル編集部

近年、企業の経営の在り方が大きく変わり「ESG経営」が注目を浴びています。そもそもESG経営とは何でしょうか。また導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では改めてESGについて概要から重視されるようになった要因をおさらいし、ESG経営を成功させるコツについてもご紹介します。

企業に求められるESG経営と取り組むメリットについて

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ESG経営とは

昨今よく聞かれるようになったESG経営とはどのようなものなのでしょうか。改めて意味や背景をおさらいするとともに、似たような言葉のSDGsとの違いについても解説します。

ESGの意味について

ESGは2006年、当時の国連で事務総長を務めていたアナン氏が「責任投資原則(PRI)」の中で、投資家が取るべき行動として提言したのが始まりとされています。
ESGのそれぞれのアルファベットは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」のそれぞれ頭文字を取ったものです。
そして2008年に起きた歴史的なリーマンショックを経て、現在では多くの企業がESG経営、つまりESGに積極的に取り組む経営スタイルを採用しています。
ただ、ESGはまだ新しい概念のため明確に定義が決まっているわけではなく、様々なメディアが発表する企業ランキングも評価軸にばらつきがあります。

ESGが注目される背景

18世紀半ば、イギリスから始まった産業革命は産業やエネルギーを大きく変革させ、科学技術は目まぐるしく進歩しました。また消費者の価値観が多様化する中で、人は物質的豊かさを手に入れました。しかし一方で、その進化と引き換えに、地球環境や社会環境を破壊する動きが活発化し、問題視されるようになったのです。
そして経済活動の発展のみにこだわったままでは企業の「持続可能性」が危ういとして、環境や社会、企業統治の側面を重視しなければならないという認識が広まっていきました。

SDGsとの違い

昨今、様々な本やメディアでSDGsという言葉も目にするようになりました。SDGsはESGと同じ意味と捉えられがちですが、厳密に言うと明確な違いがあります。
SDGsは英語の「Sustainable Development Goals(持続可能な開発⽬標)」の単語から頭文字をとった言葉です。「誰一人取り残さない」持続可能で多様かつ包摂性のある社会を実現するために、17つのゴールと169のターゲットが設定されています。
これは世界全体で全人類が目標として進めるべき目標とされているのが特徴です。一方、ESGは企業が自社に課す目標のため、対象において違いがあります。ただ、両者には共通した項目も多く、SDGsを実現するためにESGに取り組むといったように、SDGsとESGには密接な関係があります。

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ESG経営のメリット

ではここからは、ESG経営を導入することで得られるメリットについて3点解説します。

投資における評価の向上

従来、投資家が企業の価値を評価するには、利益や収益などの財務情報を基にすることが主流でした。しかし、世界でESGを重視する気運が高まると、それは企業の価値を評価する重要な指標となり、「ESG投資」として急速に広まりました。ESGは短期で効果が出にくいのがデメリットですが、企業が中長期的な目線でESG経営を積極的に推進することで、投資家から高い評価を得られるのは非常に魅力があります。

経営上のリスク軽減

企業は常に、災害や金融危機といった様々なリスクにさらされています。また、ESGが重要視される社会では、それを蔑ろにした企業活動は世間の不評を買ってしまう恐れがあります。
そこで短期的な目標のみならず中長期的な目線で環境や社会、企業統治といったESGの目標を設定し、意識し取り組んでいくことが重要です。ひいては有事の際のリスクを軽減できたり、顧客離れといった事態を回避できたりするようになるでしょう。

企業イメージの向上

今、ESG経営に関する取り組みを自社のホームページ上で公開したり、啓発フォーラムを開催したりする企業の事例が増えています。ESGに関する関心が高まっている現在の社会においては、世間へ自社の取り組みをオープンにすることで「この会社は信頼できる良い会社だ」というイメージを与え、高い評価を得られるようになります。すると商品やサービスを購入・利用する顧客が増え、顧客満足度も上がると、企業価値の向上にもつながるのです。人手不足に悩む企業であれば、企業全体の印象が良くなることで優秀な人材の確保も可能になるでしょう。

ESG経営がなぜ大切なのか

世界のESG投資額の統計を集計しているGSIAは2021年7月、ESG投資の統計報告書「GSIR2020」を発表しました。それによると、2018年からの2年間で、全世界におけるESG投資額は約15.1%増加し、35兆3,010億米ドル(約3,900兆円)となっています。

このことから、投資家の資金がESG経営を行っている企業に集められていることが分かります。
また、日本においても、2016年からの2年間で4.2倍増の約176兆円に上っているように、急速な広まりをみせています。

ESG経営を行うと、例えば減農薬野菜のように、価格よりも精神的な価値を重んじる顧客層へアピールでき、新たな顧客開拓にも期待できます。このように投資資金が集められ顧客開拓にもつながる点が評価され、今後もますます全投資額におけるESG投資率は上がっていくと予測されています。

ESG経営を成功させるコツ

ではESG経営の実践においては、どういった点に気を付ければよいのでしょうか。それには「バックキャスティング」と「シナリオ分析」が重要です。
バックキャスティングとは、「将来の理想像」から「今何をすべきか」を考える思考法です。「未来」から「現在」を逆算する手法とも呼ばれます。
もうひとつは、「シナリオ分析」という方法です。これは、企業を取り巻く外部環境が将来どうなるか予測は難しいため、どのような未来になってもいいように複数条件で事業計画を立て、備えておく考え方のことです。

他にも注意すべき点があります。例えばESG経営は全社的な意識の変革も大きく伴うため、おまけのようなイメージで取り組むようでは成果が上げられません。企業価値の測り方を、従来のプロダクトそのものの性能向上から、ESGを軸にした社会的な価値向上へと根本的にレベルアップさせなければ、市場から取り残される結果になってしまうでしょう。
また、企業にとってESGへの取り組みはあくまで手段だということです。そのため、ESG経営を通じてどのような未来を描きたいのか、最初にビジョンを明確化した上で取り組むことが大切です。

ESG経営の波に乗り遅れないために

ESGを軸にした経営の重要性やコツは理解しつつも、実際は日本企業の大半が成功できていないという現状が指摘されています。ESG経営になくてはならない人材育成や組織体制、ITシステムの整備についても十分ではなく、喫緊の課題になっているのです。

国内の上場企業の中には、自社の利益の追求だけではなく、社会貢献してこそ存在意義があるといった企業理念を掲げ、サステナビリティ推進体制を確立し成功している企業もあります。ESGに関する開示データの収集や管理をスピーディに行える仕組みづくりも、ESG経営を成功させるために重要なことなのです。

まとめ

今、企業には環境や社会、企業統治の側面から中長期的な目線で取り組んでいこうとするESG経営が求められています。また、投資家や顧客からの信頼を得られたり企業イメージを向上できたりといった多くのメリットがあります。成功のためのポイントを押さえながら、ぜひESG経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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