ERPシステムでどのような業務改善ができる? 導入事例も合わせて紹介

 2021.05.31  BizApp チャンネル編集部

ERPを採用する企業が増えている昨今、自社での導入を検討している企業も多いことと思います。しかし、どの程度業務改善が可能かを具体的に把握できず、導入に踏み切れないというケースも少なくありません。そこで、本記事では実際の導入事例なども挙げつつ、ERPによる業務改善について詳しく解説していきます。

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ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)とは「企業資源計画」とも呼ばれ、企業経営の根幹部分を担うシステムを指します。基幹システムと近い性質を持ちますが、基幹システムでは生産管理や販売管理といった特定業務の効率化を目的にしているのに対し、ERPでは経営基盤の強化を目的にしているという違いがあります。

このため、特定業務に限らずリソースを統合する考え方が重要視されており、システム上でも多様な企業情報が一元管理できるよう設計されているのです。

統合される活動としては例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 生産業務
  • 販売管理
  • 会計管理
  • 在庫購買管理
  • 人事給与管理

これらを別個に管理していると、無駄な作業が発生したり、入力機会が多いため、ケアレスミスを誘発して損失が生じたりする問題が起こり得ます。また情報共有が効率的でなければ、企業全体としての意思決定にも影響を及ぼします。

本来すべての業務が一つの企業目的に向けて存在しているのであり、これをシステマティックに連携しようという考えによって生まれたのがERPなのです。

ERPの導入によって実現する業務改善は?

ERP導入によって具体的にどのような改善が図れるのかを知っておくと、導入後の運用がしやすくなります。以下で詳細を説明します。

情報の一元化

ERPにより得られる大きな効果として「情報の一元化」が挙げられます。

規模の大きな企業であるほど、関連性の低い他部署との連携をとるのは難しくなります。特に、これまで長く部署独自のやり方を確立してきた企業だと、プロジェクトなどで異なる部署の従業員がそのやり方に順応する必要が生じた場合、慣れるまでに時間を要します。独特の方式で業務を進めていたり、企業として蓄積されている情報が有効活用できていなかったりするケースも珍しくありません。

この点、ERPでは、企業全体を見渡した情報を一元的に管理可能。これにより、異なる部署や業務システムともフォーマットが共有できるようになるため、全体最適化が図れます。他部署の情報が共有されることで、業務がスムーズに進められようになるでしょう。

無駄な業務やミスの減少

一元的に情報が管理されるため、転記などのアナログ的作業が必要なくなります。重複入力が回避できたり、入力に要していた工数・時間コストを削減できたりします。また、人的ミスを防ぎやすくなることにも注目すべきです。軽微なケアレスミスがきっかけとなり大きな損失につながることもあります。

昨今では、こういったミスを発生させやすい状況を回避するため、属人化の防止に多くの企業が取り組んでおり、ERP導入もその一環として行われています。

迅速で正確な意思決定

システム上で種々の経営資源が可視化されるようになるため、データ分析が行いやすくなります。同時に、業務を横断したデータが蓄積され、解析も高度になります。

結果として、経営判断の精度を高めることができ、企業としての意思決定を支援可能です。特に、近年はグローバル化が進み、国境も関係なく競争相手が参入してくる例が増えています。そのため、できる限り迅速な意思決定をしなければなりませんし、優れた判断力も求められるでしょう。

この点、ERPを使えば経営状況を把握するのに必要な情報がリアルタイムで共有できます。経営判断が迅速になり、他社に後れをとることなく先手をとったり、直面する各種状況に対応したりすることが可能となるでしょう。

ERP導入を成功させるための3つのポイント

ERPは企業活動をより発展させていくために有用ですが、導入に失敗する企業も少なからず存在します。そこで以下のポイントを押さえて失敗を防ぐように努めましょう。

具体的なゴールを設定する

ERP運用の難しい点は、ほかのツールほど明確な目的が定まっていないことにあります。例えば、テレワークを導入するにあたっては、コミュニケーション不足を解消するためにチャットツールやWeb会議ツールを導入することが考えられます。

チャットツールであれば当然、チャットによる意思疎通が目的ですしし、各ユーザーも何を目的に導入されたツールなのか、どのような操作すればよいのかを認識しやすいです。Web会議ツールも、その背景にあるニーズと導入の目的が明瞭で扱いやすいです。

これに対しERPは目的が抽象的になりやすく、ゴール設定がアバウトなまま導入されがちです。そこで事前に何を実現したいのかを、明確にしておくことが大切です。

ゴール設定に関しては、実現したい目的を時間軸に沿って整理することでイメージしやすくなります。企業活動一つひとつを捉え、各段階における具体的な改善点を考察することにより、合理的なシステム導入が可能になるでしょう。

既存システムの棚卸しをする

次に、現状の業務を整理しましょう。極力システム内で業務が遂行できるようにすることが重要ですので、場合によっては現状の業務内容や、取り組み方を変更する必要性も出てきます。その判断を行うために、業務の棚卸しが必要なのです。

具体的な例として、以下のようなものを洗い出していきます。

  • 見積書の発行は、どのような環境で行われているか
  • 会計システムへのデータ反映はどのように行われているか
  • 既存システム上で処理されているものにどのような業務があるか

適切な事業者を選ぶ

導入の際、仕様設計を担当するベンダーの選定も重要です。確かなノウハウや知見を有しているか、親身な対応してくれるかなど、社内の意見も取り入れつつ判断しましょう。その際、複数の事業者を比較する形で評価することをおすすめします。

信頼できるかどうかを判断するのは容易ではありませんが、その製品の導入実績や知名度なども参考にするとよいでしょう。例えば「Microsoft Dynamics 365」のように導入実績が豊富な製品であれば、安心して導入に踏み切れます。

ERPの導入事例3つ

ERPを導入することでどのような効果が得られるのか、以下の実例を参考にしてください。

1. 株式会社アーレスティ

「株式会社アーレスティ」は、自動車部品を中心に原材料の調達から機械加工、技術開発までを行っているメーカーで、業界でもトップクラスの業績を誇ります。しかし、同社では見積作成のため、各部署に資料を回覧するなど、長い時間を要していました。ほかにも営業戦略や工場の稼働計画立案に際して相当な工数がかかっているという課題を抱えていました。

そこで「Microsoft Dynamics 365」により解決を図ったのです。導入後は、従来3~4日ほどかかっていた作業が圧縮され、データ収集に必要な時間が大幅に短縮できたという効果が得られています。

2. 株式会社プロントコーポレーション

「株式会社プロントコーポレーション」は、飲食店を中心とした企画運営、フランチャイズ展開、コンサルティングなどを行っています。

同社では「Microsoft Dynamics 365」導入以前、スーパーバイザー1人あたり10店舗を担当しており、それが大きな負担となっていました。損益計算や店舗訪問に関する情報をまとめたレポートを作成するのにも相当な時間がかかってしまっており、経営にリアルタイム性が欠けていたのです。

しかし、導入後は損益データの集計にかかる時間が大幅に削減され、2週間を要していた集計も瞬時に確認できるようになりました。これにより、リアルタイムの経営戦略立案が可能となったのです。

3. コカ・コーラビバレッジズアフリカ

「コカ・コーラビバレッジズアフリカ」は、アフリカ最大級のコカ・コーラ系ボトラー企業で、収益も世界第8位という実績を持っています。しかし経営上の課題を抱えていました。特に必要性を感じていたのは、複数ビジネスを包括的に運営できるシームレスなシステムです。

そこで同社は「Microsoft Dynamics 365」等を導入しました。その結果、ワークフローの改善やシステムのクラウド化などにより、ITコストの削減を実現したのです。従来オンプレミス型で運用していたシステムをクラウド型に移行したことで、メンテナンスに対する不安も同時に解消しました。

まとめ

ERPによる業務改善を図るには導入を成功させなくてはなりません。TECTURA(テクトラ)はMicrosoft Dynamics 365の専業コンサルティングサービスを展開しており、著名企業をはじめとして多数の導入実績があります。ニーズに合わせて4つのサービスが選べるようになっており、導入から運用保守といったさまざまなフェーズで適切なフォローを受けられます。

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