SAPの移行を考える際の選択肢、それぞれのメリット・デメリット

 2020.04.23  BizApp チャンネル編集部

2025年末でのメインストリームサポート終了をアナウンスしていたSAPは、これを2027年末まで延長。SAPユーザーの安堵のため息が全国から聞こえてきたようでした。しかし、SAP移行の必要性は依然として変わりません。2025年問題は、2027年問題に置き換わっただけなのです。

本記事でご紹介するのは、SAP移行を考える際の選択肢と、それぞれのメリット・デメリットです。SAP移行先に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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SAPのメインストリームサポートが終了する背景

SAPが提供しているSAP Business Suite 7のコアアプリケーションとなるSAP ERP 6.0は、SAP R/3の後継として誕生したERPソリューションです。1990年代よりERPの時代を切り拓いたソフトウェアであり、世界の先進企業のベストプラクティスとして日本の大企業を中心に導入が進みました。

そんなSAP ERPのメインストリームサポートが終了する背景にあるのは、肥大化したシステムによるリアルタイム性の欠如です。SAP ERPは時代ごとに生じたビジネス環境の変化と、あらゆる分野での標準化を実現するために幾度となくバージョンアップを繰り返してきました。それによって多くの恩恵をもたらした反面、システムのリアルタイム性が徐々に欠如していくという問題を生んでいます。

SAP ERPは財務会計と管理会計が異なるシステムとして分断されています。そのため、双方で1つの帳票データを活用しているわけですが、データの整合性を維持するために規定されたプロセス処理により、大量の中間ファイルが発生し、データ肥大化を引き起こしています。

さらに、あらゆる業務プロセスや法制度の変化へ対応するために、アドオン開発が膨らみ過去の機能を使用しているユーザーは、新しいバージョンへ移行してもそれらの機能を削除できません。これによりSAP ERPに追加開発を加える必要があることから、システムも肥大化しました。

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以上の2つの原因により、SAP ERPは徐々にリアルタイム性が欠如していき、ユーザーが求めるリアルタイム性に応えられなくなったことから、メインストリームサポートが終了することになっています。

SAP移行3つの選択肢とメリット・デメリット

1.SAP ERPをクラウド基盤へ移行

現行のSAP ERPを継続的に運用し、インフラ基盤だけをオンプレミスからクラウドへ移行する方法です。SAPユーザーの多くはWindows ServerとSQL Serverを組み合わせて運用しているケースが多く、Windows側のメインストリームサポート終了に合わせてクラウド基盤に移行するかたちになります。今後の予定としては、Windows Server 2012及びR2が2023年10月にメインストリームサポートを終了し、SQL Server Service Pack3が2024年7月9日に終了します。

メリット

現行のSAP ERPの構成やデータはそのままに、インフラだけを移行するため従来と変わらない環境で基幹システムを運用できるのがメリットです。オンプレミスでは大きな負担だったSAP ERPも、クラウド基盤へ移行することで運用効率をアップし、システム要件に応じてリソースを柔軟に増減できるようになります。インフラコストの適正化も狙えるでしょう。

デメリット

クラウド基盤の扱いに長けている新しい技術者の獲得が必要です。また、現行のSAP ERPをインフラだけ移行するため、SAP ERPそのものが持つリアルタイム性などの問題は解消されません。

2.SAP ERPをSAP S4/HANAへ移行

SAP S4/HANAは、SPAが開発した独自のインメモリデータベースSAP HANAを基盤としたERPソリューションです。SAP HANAは非常に高速なデータ処理機能を持つデータベースであり、旧来のSAP ERPが持っていたリアルタイム性の問題を解消しています。リリース当初はシンプルな機能だったためユーザーから不足分を追加して欲しいとの要望が多かったものの、何度かのバージョンアップによって現在では実用的なERPとして注目されています。

メリット

SAP S4/HANAのメリットはやはり、非常に高速なデータ処理によって限りなくリアルタイムに近い状態でさまざまな情報にアクセスできることです。SAP ERPの問題だった中間テーブルを極端に少なくしたことで、高速なデータ処理を実現しています。

デメリット

SAP ERPはUNIX、Windows、汎用機、Linuxなど複数OS、複数データベースで稼働するマルチプラットフォーム対応でした。一方、SAP S4/HANAのデータベースはSAP HANAのみの対応となるため、システム構成が限定されるのがデメリットです。

3.SAP ERPを他製品で刷新

SAP以外にも多数ERPソリューションが提供されています。たとえばマイクロソフト社のDynamics 365は、クラウドで利用できる統合ビジネスアプリケーションであり、企業ごとの環境に合わせたアプリケーションを選択することで機能の過不足を無くし、標準機能で対応できる範囲を広げています。クラウド型ERPならば、インフラ調達やネットワーク構成を見直す必要がないので、移行にかかるコストを低減できます。

メリット

SAP ERPソリューションには無い特徴を備えており、企業によってはSAP製品よりも他社製品の方がマッチする可能性があります。また、多くのクラウドERPソリューションはセキュリティ要件が高く、移行することでセキュリティ対策強化に繋がることになるでしょう。

デメリット

SAP ERPとは勝手が違う製品も多いことから、導入初期段階では手間取ることも多いかもしれません。また、慎重に選定しないと現在のビジネス要件を十分に満たせない可能性があります。

SAP延長保守サービスも検討してみましょう

いかがでしょうか?メインストリームサポートが終了しても、SAP移行の必要性は変わりません。以上の選択肢のメリット・デメリットを十分に把握した上で、自社にとって適切な移行方法を選択しましょう。また、SAPでは延長保守サービスにより、SAP ERPのサポート期限を2027年から2030年まで延期することができます。こうした選択肢があることも念頭に置きながら、自社にとって最適なSAP移行方法をご検討ください。

Dynamics 365について

最後に、Dynamics 365ではSAP移行をスムーズに行うためのマイグレーションツールが整っています。Dynamics 365ではユーザーが希望するビジネスアプリケーションを選択し、大規模な基幹システム環境が構築可能です。現在SAP ERPの移行先に悩んでいる場合は、ぜひDynamics 365への移行をご検討ください。また、Dynamics 365 Business centralなどビジネス継続に欠かせない基幹システムをコンパクトに統合したプランもありますので、幅広いプランから自社に最適なDynamics 365を選択しましょう。

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