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中小企業がクラウドERPに移行するメリット

私生活でFAXを使ったコミュニケーションを取っている方はほとんどいないでしょう。多くの人はLINEなどの無料ツールを使って他者とコミュニケーションを取りますし、スマートフォンに搭載したいくつかのアプリで便利な生活を送っているはずです。

一方、ビジネスはというと未だにFAXによる受発注を行っている企業は少なくありませんし、紙の帳票で在庫管理等を行っているケースもあります。このIT社会において、IT化が進んでいないビジネスは実は多いのです。

本記事で紹介するのは、中小企業がクラウドERPへ移行した際のメリットです。これまでのアナログ環境から脱し、デジタル化されたシステム環境へ移行することでどのような効果があるのか?クラウドERP並びにクラウドへの意向を検討している中小企業経営者の皆さんは、ぜひ参考にしてください。

中小企業がクラウドERPに移行するメリット

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クラウドERPとは?

クラウドERPについて知らないという方のために、概要を簡単に説明します。今や中小企業でもあたり前に会計ソフトなどの業務システムを導入する時代ですが、大きな問題が1つあります。それは、各業務システムが持つデータの統合ができないことです。

中小企業に限った話ではありませんが、1990年代後半からシステムの個別最適化が進んだことにより、部門ごとに独立した業務システムを構築している企業が多いです。それぞれの業務を効率化するという目的では良かったのですが、データ分析による情報可視化、効率的な経営などが大切と言われている現代においては、もはや時代遅れのシステムだと言われてしまいます。

最近では経営は舵取りを瞬時に行うためのデータ分析が必要です。これが無ければ「デジタル社会の敗者になる」と言われているほど、重視されています。多くの企業はすべての業務システムが連携した統合的なシステム環境を検討しますが、膨大な開発コストがかかるため中小企業は断念します。しかし分断化された業務システムを使い続けては、データ分析を主体とした経営や戦略は適いません。

そこで登場したのがERP(Enterprise Resource Planning)です。事前に統合された業務システム群をパッケージ化することで、より安価に、より確実に業務システムの統合を目指すことができます。その中でクラウドサービスとして提供されているERPは、導入時にかかる費用も削減し、かつ運用負担を大幅に軽減することから中小企業がERPを導入するきっかけになりました。

中小企業がクラウドERPを導入するメリット

クラウドERPのメリットは実に多岐にわたります。特に中小企業にとっては魅力的なメリットが多いですし、業務システムの統合を具体的に検討するきっかけにもなるでしょう。そのメリットとは果たして何でしょうか?

ERP導入の初期投資がほとんどかからない

パッケージ製品としてのERPを導入するとなると、ハードウェアの調達やネットワークの整備、ソフトウェアライセンス、パラメーター設定、カスタマイズ費用など導入にかかる費用項目が非常に多く、中小企業でも数千万円からの導入費用がかかります。資本力の強い中小企業ならよいですが、そうでない場合は断念せざるを得ません。

一方、クラウドERPはインターネット経由で提供されるサービスなので、ハードウェア調達やネットワーク整備、ソフトウェアインストールなどの作業は不要なので、導入にかかる費用がオンプレミス版ERPに比べて圧倒的に安価です。

初期投資がボトルネックになっていた中小企業にとって、クラウドERPはERP導入の敷居を大胆に下げてくれたサービスなのです。

クラウド事業者が運用管理にあたってくれる

初期投資以外のボトルネックと言えば、日々のシステムの運用管理です。中小企業の中にはIT人材を確保していないところも多く、それだけでERP導入を断念するケースもあります。かといって運用管理のアウトソーシングは高額です。これもまたERP導入を阻む大きな障壁でした。

クラウドERPが提供されるようになったことで、この問題は解消されます。システムの運用管理業務はすべてクラウド事業者が実施しますので、企業側は運用にノータッチでERPが利用できます。

IT人材を確保している中小企業でも、クラウドERPによって生産性が向上するので、積極的なIT投資が期待できます。

高いセキュリティ要件がクリアされている

クラウドERPはインターネット経由のサービスであり、システムに登録した情報はクラウド事業者が管理するデータセンターに保管されます。このことから「情報漏えいリスクが高いのではないか…」という心配もありますが、一般的に大手のクラウドERP提供事業者はセキュリティに対して膨大な投資をしています。そのためクラウドERPを導入することでシステム環境全体のセキュリティ体制を強化できます。

クラウドERPを提供しているクラウド事業者は、基準が高いセキュリティ要件を多くクリアしています。データセンターを物理的に保護するためのセキュリティ体制と、データそのものを守るためのセキュリティ対策、どちらも怠っていません。そのため、クラウドERPを利用することで情報漏えいの失敗どころか、セキュリティ性が向上する中小企業が多いのです。

統合的な業務システム環境をすぐに利用できる

パッケージ製品としてのERPを導入する場合、初期投資がかかるだけでなく、本格稼働までにかなりの時間がかかります。これも大きなコストになりますし、中小企業にとっては負担です。

一方、クラウドERPなら最短で1ヵ月程度で本格稼働まで至ったというケースもありますので、ERP導入にかかる費用を大幅に削減できます。

外出先からでもシステムにアクセスできる

クラウドERPはインターネット経由のサービスなので、外出先からでもインターネットを通じて利用可能です。使用する端末も選ばないので、業務の幅を広げてテレワークの導入なども現実的になります。働き方改革にも直結するソリューションとして注目されています。

経営ダッシュボードが備わっている

多くのクラウドERPには経営ダッシュボード機能が備わっており、経営者がマネジメントに必要な情報を好きな時に、好きなものを取得することができます。経営状況をリアルタイムに把握できるため、データ分析を主体とした経営活動に取り組めます。また、詳細へのドリルダウンにより経営のボトルネックを瞬時に把握することも可能です。

費用が固定化するため予算計画が立てやすい

クラウドERPはこれまでの業務システムとは違い、システム環境にかかる総合的な費用が固定化されます。従って予算計画が立てやすくなり、より戦略的に予算を投じていくことが可能です。

利用環境に応じてシステムを拡張する柔軟性がある

パッケージ製品としてのERPの場合、利用環境を拡張するために新しいライセンスの追加やハードウェアの追加などが必要です。一方、クラウドERPは管理画面から必要なライセンスを追加するだけで良いため、利用環境に応じて柔軟にシステムを拡張できるメリットがあります。

中小企業もERPを導入する時代

中小企業におけるERP導入率は、クラウドERPを中心として年々拡大しています。クラウドERPが中小企業にとって有用な選択肢になったことは間違いありませんし、この傾向は今後も続くでしょう。まだERPを導入していないという場合は、この機会にクラウドERPのメリットに着目して、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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