中国進出の際に考えておきたいチャイナリスクとは?

 2020.03.30  BizApp チャンネル編集部

世界で最も大きな市場へと成長した中国。多くの日本企業が中国へと進出し、日本経済の多くが中国の生産に依存しています。このことは、中国で発症した新型コロナウイルスによって日本経済が大きなダメージを受けていることからも明白です。中国市場に進出するということは、今までにない巨大市場でビジネスを展開するのと同じことです。

しかし、中国にはチャイナリスクと呼ばれる複数の懸念すべき問題があります。チャイナリスクの把握と対策を疎かにすると、思わぬところで足元をすくわれ、中国市場におけるビジネスが破綻する可能性があります。

本記事では、知っているようで意外と知らないチャイナリスクについて整理していきましょう。

中国進出の際に考えておきたいチャイナリスクとは?

チャイナリスク=中国のカントリーリスク

カントリーリスクというのは地域性の高いリスクのことで、中国に限らず全ての国がそれぞれに何らかのカントリーリスクを抱えています。国の情勢や社会環境など、ビジネスとは無縁の事柄によって引き起こされる損失の不確実性を意味します。カントリーリスクが高い・低いといった基準は、司法制度やGDP(国内総生産)、災害発生状況、治安問題、その他多様な要素を加味しながら数値化されています。基本的には先進国ほどカントリーリスクが低く、政治や経済が不安定な発展途上国ほど高くなっています。

日本企業の最も大きなカントリーリスクといえば自然災害です。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震と津波という大災害によって福島第一原発事故を引き起こし、特定の地域に半永久的なダメージを与えるという衝撃的な災害が発生しました。また、近隣の北朝鮮との関係性も長年問題視されており、いずれ攻撃を受けるのではないか?という懸念もあります。

こうしたカントリーリスクを考慮して日本市場に進出しない外資系も少なからず存在することでしょう。

つまりチャイナリスクとは、日本が自然災害や北朝鮮問題を抱えているように、中国という国全体が抱えている特有の問題のことであり、ビジネスに強い影響を与える可能性の高いリスクを指しています。

ただし、日本のカントリーリスクをジャパンリスク、米国のカントリーリスクをアメリカリスクと言わないのに、なぜ中国はチャイナリスクと呼ぶのか?それは中国市場が急速に拡大して日本のみならず世界各国から注目のマーケットになったことと、社会主義国家特有の政治問題や環境汚染など、他国と比べて圧倒的量のカントリーリスクを抱えていることが関係しているでしょう。

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具体的なチャイナリスク

では、中国は具体的にどのようなチャイナリスクを抱えているのでしょうか?日本企業のビジネスへの影響度が高いものを中心に整理していきます。

政治・経済・行政にかかわるリスク

ここ最近の政治問題では、米中貿易摩擦が非常に大きな懸念材料になっています。米国・中国間で互いの輸出品に高い関税をかけるとなると、中国の生産部門に強い影響を与えることになります。中国は世界の工場と呼ばれるほど、プロダクト生産工場が集中している国であり、日本の製造業も多くが中国生産部門に依存しています。米中貿易摩擦が続くとなるとハードウェアをはじめとする製品や部品の生産コストが次第に大きくなっていき、最終的には移転を余儀なくされます。工場を他国へ移転すると時間も費用も膨大にかかるため、中国生産部門に依存している企業にとっては大問題なチャイナリスクの1つです。

経済面のチャイナリスクといえば人件費高騰です。みずほ銀行(中国)有限公司の調査によれば、北京市における月額最低賃金は2014年に1,560元(約2万4,200円)だったものが、2019年には2,200元(約3万4,000円)にまで上昇しています。工場設置当初は安価な生産コストを求めていた企業でも、最近では人件費高騰による生産コストの増大に頭を悩まされています。

出典:中国各省市の最低月額賃金(2019年7月)

行政面においては日本と中国とで大きな差があり、輸出入にかかる関税や審査、現地サービスの利用や住所の獲得などは非常に煩雑で対応スピードも日本のそれと比べるとかなり遅く感じます。急ピッチで中国市場への事業展開を進める場合でも、ある程度リソースに余裕を持っておかないと様々な問題に悩まされることになるでしょう。

環境にかかわるリスク

中国では長年環境汚染問題が報道されています。数年前から大気汚染を減らそうと取り組んではいるものの、2016年にはあまりに劣悪な大気汚染によって北京市内の日常生活や機能を麻痺させました。車に乗ることも学校に行くこともできず、一時は航空機も飛ばなかった状況です。

2020年1月からは湖北省武漢市で初めて発症が確認された新型コロナウイルス(COVID-19)が世界各地に拡大し、2003年に大きな社会問題になったSARSをはるかに上回る勢いで被害を出し続けています。

こうした環境にかかわるリスクはすべてビジネスに影響し、中国の生産部門に依存している日本製造業などが大きなダメージを受けています。また、中国市場には進出しておらず本来は無関係の企業も、インバウンド需要の激減や中国生産部品を中心としたメーカーの受注減によって倒産した企業もどんどん増えています。

中国市場でビジネスを成功させるには?

中国市場は日本企業にとって非常に大きなマーケットです。しかし、現在確認されているチャイナリスクは多く、深刻なものが多くなっています。このため日本企業が中国市場でビジネスを成功させるためには、あらゆるチャイナリスクを想定したビジネス展開が重要になります。

そこでまず検討すべきは、越境ECなど中国本土に現地拠点を置かなくても展開できる中国ビジネスでしょう。中国では日本製商品の需要が非常に高まっており、多くの小売事業者が越境ECによって中国市場でのビジネスを展開しています。

越境ECは国外に対して展開するEC事業のことであり、現在市場が急速に拡大しています。中国市場は諸外国と異なり独自のマーケットを築いていますが、ポイントさえ押さえれば難しいものではありません(例えば中国ではAmazonやGoogleの力が及んでいないなど)。

中国市場での越境ECを通じて中国ビジネスについての知識とノウハウを増やしていく中で、どんなチャイナリスクがあり、何をすべきなのか?が次第と見えていきます。急速な海外展開を考えるよりも、じっくりと時間をかけて中国市場への進出を検討してみましょう。

また、中国市場への進出を検討する際は、同時にクラウドERPなどの導入を検討し、事業分断的なシステムを作るのではなく全社最適化されたシステムによって、あらゆる事業状況を可視化できるような環境を整えましょう。チャイナリスクを知り、備え、中国市場におけるビジネスを成功させるには慎重さが大切です。

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