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基幹系システムと情報系システムの違いは? 種類や特徴を徹底解説

業務で活用するシステムを大別すると「基幹系システム」と「情報系システム」の2つに分類されます。本記事では基幹系システムと情報系システムの違い、導入時のポイントについて詳しく解説します。業務システムの新規導入やレガシーシステムの刷新を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。基幹系システムと情報系システムの違いは? 種類や特徴を徹底解説

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基幹系システムと情報系システムの違い

変化する市場で勝ち残っていくためには、ビジネスの効率化を図り、組織の競争力を高めていく必要があります。業務システムの導入を検討する際には、目的の明確化が不可欠です。自社の要望を満たすシステムを適切に見極めなければ、導入効果は薄れてしまいます。その第一歩として、基幹系システムと情報系システムの違いを正しく理解しましょう。

基幹系システムは事業活動の中核にかかわるシステム

基幹系システムとは、組織の活動における根幹を支えるシステムです。企業にとって不可欠となる業務を管理するために用いられますが、業界や業態によって何を基幹系とするのかは異なってきます。企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を管理するシステムともいえるでしょう。

基幹系システムは、企業の主要部分となる業務データを管理するため、システム障害やサーバーダウンなどのインシデントが発生すると、事業活動そのものに支障をきたします。そのため、いかにシステムの可用性を確保して事業継続性を担保するかは重要な課題です。また、企業の財務情報や従業員の個人情報、社外秘の製品開発情報といった機密情報を保管するには、堅牢かつ強固なセキュリティ体制が求められます。

情報系システムは業務の効率化や最適化を図るシステム

情報系システムとは、社内コミュニケーションの活性化、バックオフィス業務の効率化や最適化に貢献するシステムです。業務の正確性向上やプロセスの標準化など、日常的な業務をサポートするために必要な機能が備わっています。情報系システムは、仮に機能が停止していたとしても事業活動を妨げる事態には陥りません。

具体的な例を挙げて説明すると、製造分野において基幹系システムに障害が発生すると、製造ラインや在庫状況が不明瞭となり工場全体を停止せざるを得ない可能性があります。一方で、情報系システムでは、仮にメールシステムに障害が起きたとしても、チャットツールやSNSに連絡手段を代替できます。つまり、不測の事態が発生しても代替システムでカバーできる点が、基幹系システムとの大きな違いです。

基幹系システムの主な種類

基幹系システムは、目的に応じていくつかの種類があります。たとえば、バックオフィス業務では、伝票や帳票の作成や税務申告のほか会計処理を担う「財務会計システム」、人事管理や給与計算の効率化を図る「人事給与システム」などが活用されています。

また製造業や卸売業でよく使われているのが、製品を提供するために必要な材料の調達を管理する「購買管理システム」、生産計画から納期まで一連の流れをムダなく進めるために用いられる「生産管理システム」、コストの削減と機会損失の抑制に貢献する「在庫管理システム」、見積もりから入金されるまで一連のフローを適切に管理する「販売管理システム」などが代表的です。

なお、組織の運営そのものを支えるシステムの総称が基幹系システムと呼ばれており、地方自治体が運用する「住民情報関連システム」や、銀行の「勘定系システム」なども基幹系システムとなります。

情報系システムの主な種類

情報系システムには、業務効率化を目的としたシステム全般が該当します。その種類は多岐にわたりますが、代表的なものとして挙げられるのが「メールシステム」「チャットツール」「社内SNS」のようなコミュニケーションツールです。コミュニケーションツールは、社内での業務連携や情報共有、顧客との商談や取引先への依頼などのあらゆるビジネスシーンで活用できます。

その他にも、プロジェクトの進捗や優先度などを管理・共有するための「プロジェクト管理システム」、スケジュールを社内で共有できる「スケジュール管理システム」、オンライン上でのファイル共有を可能にする「ファイル共有システム」といったグループウェアも情報系システムに含まれます。

なお、顧客の基本情報や商談データ、購買データなどを統合的に管理する「顧客管理システム(CRM)」、営業活動に関する情報を蓄積・分析する「営業支援ツール(SFA)」も情報系システムです。

導入する際のポイント

業務システムを導入する際には、自社の経営体制や事業領域に適したシステムを見極めなければなりません。そのために大切な事は目的の設定です。目的が決定した後、経営ビジョンや企業理念に基づいて事業目標を具体的な言語や数値に落とし込みましょう。こうして自社の課題を把握し、重要度と緊急度から優先順位を決めます。このように順序立てていけば、問題を解決するために必要な機能がはっきりと浮かび上がってきます。

基幹系システムは、導入費用だけでなく運用コストにも高額な費用がかかります。目的が曖昧なままシステムを導入してしまうと、セキュリティ要件やシステム要件も不確かなものになってしまいます。また、ベンダーとの意思疎通を取ることも難しくなり、食い違いが生じてしまうでしょう。手戻りが発生すれば、コストの増大や期間の遅滞により、システムの導入を見送らなくてはならない可能性も出てきます。

クラウド型・オンプレミス型のどちらを採用すればよいかも悩みどころです。いまや時代はクラウドファーストとなっており、さまざまな業種や分野でクラウドを積極的に利用する動きが加速しています。クラウドの場合は、サーバーやネットワーク機器をはじめとした物理的なハードウェアを購入せずに導入できます。ただし、クラウドでは複数のユーザーが一斉にアクセスできるため、セキュリティの脆弱性を懸念する声も少なくありません。

万が一に備えて、情報系システムはクラウドへ移行しても、基幹系システムのクラウド化は見送っている企業も多いようです。業務システムを導入する際は、こうしたコスト面やセキュリティ面などを総合的に見て評価し、クラウド型・オンプレミス型のどちらが自社に適しているかを慎重に見極める必要があるのです。

また、導入後の運用体制を整える施策も忘れてはなりません。業務システムは全社的に利用するため、操作マニュアルやシステムトレーニングを作成しておくとよいでしょう。操作エラーによる情報漏洩や意図的な情報流出といったインシデントも懸念されるため、データガバナンスの整備とコンプライアンス意識を高める施策も求められます。

基幹系システムを統合し、情報系システムとの連携を可能にするDynamics 365

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年問題」が迫ってきました。この問題の中では、老朽化したシステムを刷新して、企業のグローバル競争力を高めていく必要性も訴えられています。業務システムの導入を検討する際は、既存のアプリケーションと連携しやすいかどうかも重要なポイントとなってきます。

Microsoft Dynamics 365」は、複数のアプリケーションで構成されたパッケージサービスです。必要に応じて段階的に導入できるため、コストの最適化を図ることも可能です。Microsoft Dynamics 365では、ERP機能を搭載した「Dynamics 365 for Finance and Operations」が提供されています。ERP(統合基幹業務システム)とは、財務会計・人事・購買・生産・在庫管理・販売などの基幹業務を適切に管理し、業務の効率化を図るシステムです。

複数のシステムを運用していると、管理が煩雑化しやすいだけでなく、余分なコストもかかります。Microsoft Dynamics 365を活用すれば、基幹部門の業務データが一元管理でき、全社横断的な共有をはじめ、経営状況の可視化により意思決定を促進できるというメリットにも期待できます。また、Office製品との連携性も優れているのも魅力です。

クラウド型とオンプレミス型の両方に対応可能であり、複数のモジュールが提供されているため、幅広いフィールドに適応できる点が特長です。提供されているモジュールの中には、顧客関係管理を最適化するCRMも含まれています。マネジメント領域の最適化、営業活動やマーケティング戦略の総合的な管理で組織力の向上に大きく貢献するシステムです。

まとめ

基幹系システムは組織の根幹を支えるシステムであり、情報系システムは組織の業務効率化を促進するシステムです。どちらも事業活動に欠かせませんが、基幹系システムは経営基盤の土台となるため、障害の発生時には事業活動そのものに支障をきたします。

基幹系システムを運用していくうえで、可用性の確保と堅牢なセキュリティは非常に重要です。Microsoft Dynamics 365であれば、クラウドでありながら専有空間が確保されているため、オンプレミスのような安全性の高い環境で情報を管理できます。業務システムの刷新やクラウド移行を思索しているのなら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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