原価計算とは?その種類について

 2019.02.13  Dynamics 365編集部

本稿では原価計算の基本と、その種類について解説します。

「原価計算」と聞くとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、企業の大半が原価計算によって常に製造原価や販売原価を理解しており、利益率確保のために奮闘しています。まずは、原価計算の目的や種類について確認し原価計算の重要性について理解していきましょう。

原価計算の目的

原価計算は単に「製品1個を製造するためにかかった費用」を算出するものではありません。原価計算には以下のような目的があります。

目的1.予算管理

予算を編成するにあたって、計画の根拠となる情報として原価情報を使用します。販売計画案、利益計画案を立てるためにも原価計算は不可欠な業務です。

目的2.経営計画の策定

原価情報は経営意思決定に大きな影響を与えます。すべての製品の原価を把握していることで、今後力を入れて販売すべき製品や、販売を縮小すべき製品が分かります。いわゆる「儲かる製品」と「儲からない製品」を把握するために原価計算は欠かせません。

目的3. 財務諸表の作成

株式市場に上場している企業は、株主、経営者、債権者に向けて1年間の財務状況を報告するために財務諸表を作成します。その際に、損益計算書や賃借対照表、製造原価証明書が必要になるので原価計算を行います。だからといって、上場企業ばかり原価計算を実施すればよいというものではありません。財務諸表以外にも原価計算の意義はあるため、すべての企業にとって必要と言えます。

目的4.価格決定

原価に利益を加算した額が販売価格です。従って原価情報を正確に把握してないまま販売価格を決めてしまうと、製品が売れても利益が立ちません。あるいは適正価格から大きく外れてしまい、製品が売れないという事態が起こる可能性もあります。

目的5.コスト削減

標準原価と実際原価を算出し、その差異を分析することで原価にある問題を把握してコスト削減に取り組むことができます。

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以上のように、原価計算はただ原価を計算するものではなく、これらの目的を持って正しい原価情報を把握し、その情報を適宜活用するためのものです。

原価計算の種類

原価計算は目的に応じていくつかの種類があります。適切な原価計算を使い分けることで、正確な原価情報を把握し、その情報をアウトプットしやすい状態にします。ここでは原価計算の種類について確認していきましょう。

①個別原価計算と総合原価計算

個々の製品ごとに原価を計算することを個別原価計算、ある一定期間にかかった費用をその期間に製造された製品の数量で割って計算することを総合原価計算といいます。顧客からの発注にもとづいて製品を生産する受注生産の場合は個別原価計算を、同一製品を大量に生産し一定の価格で販売する場合は総合原価計算を使用します。

②全部原価計算と部分原価計算

製造にかかった費用の全てを原価として含める方法を全部原価計算、社内管理目的で製造に使った費用の一部だけを原価として計算する方法を部分原価計算といいます。会計上は全部原価計算しか認められていません。部分原価計算は企業業績管理など評価目的のアプリケーションでよく使用されます。

③実際原価計算と標準原価計算

実際に発生した費用にもとづいて原価を計算する方法を実際原価計算といいます。会計上はこの方法しか認められていません。そのため財務報告目的で管理されている原価情報は全部原価かつ実際原価として計算されていなければなりません。一方、ある社内管理目的で使用される方法が標準原価計算です。一つの製品を製造するのに要する原価の目安を設定しておくことで、粗利を計算する場合などに用います。

これらの原価計算は、適宜使い分けることが大切であり、原価計算を正しく行うことで適切な情報を入手することで前述した目的を達成することができます。

原価計算が難しい理由とは?

「経営改善や経営効率化に原価計算が欠かせない」と理解していても、それを徹底できている企業は多くありません。その理由を製造業で説明すると、製造プロセスに大きく関与しています。単一製品を製造している製造会社ならば原価計算はそう難しくないでしょう。材料費や人件費、諸経費等を合計して生産量で割れば製品1個あたりの原価がわかります。しかしながら、単一製品を製造している製造会社は稀ですし、ほとんどは複数の製品を複合的な製造プロセスによって生産しています。

たとえば家電製品を製造している製造会社では、冷蔵庫や電子レンジ、パソコンやスマートフォンなどの精密機器にいたるまで様々な製品を製造しています。それらの製品はカテゴリごとに生産拠点が異なります。たとえば冷蔵庫と電子レンジが同じ工場で製造されている場合、そこに使用する原材料は異なりますし、製造にかかわる人や設備も違います。しかしながら一部では同じ部品を使用していたり、製造プロセスが一部同じところだったりすることもあるでしょう。

異なる製品に投入した同じ部品や数量、製造ライン、出荷準備や出荷といった後工程にかかってくる費用まで含めると、すべての費用を原価として計算することは非常に難しいのです。こうした複雑さが、原価計算が難しいとされている所以です。

原価計算の難しさを解消するためには?

現代ビジネスにおける業務プロセスは非常に複雑化しているため、原価計算プロセスまでも複雑化しています。その中で正しい原価情報を把握するために必要なのは整備された業務プロセスではなく、原価計算を自動化するためのITツールです。一般的にはそれを原価計算システムと言います。

原価計算システムでは仕入れ費用や在庫、製造に投入している設備や人材、それによって製造した製品数、あるいは人件費などあらゆるコスト情報取り込んで、製品やサービスの原価情報を自動的に算出します。

原価システムを利用することで企業は効率的に、正確に原価情報を把握することができ、それを経営活動や経営改善に役立てられるというわけです。ただし、原価計算システムには原価計算の根拠となるデータが必ず必要です。それらのデータは生産管理システムや購買管理システム、人事管理システムなどから引っ張っていきます。

その際に課題となるのがシステム同士の連携です。原価計算システムをすべての基幹システムと連携するとなると、アドオン開発が増えますし新しいデータベースを構築したりと何かと手間とコストがかかります。

そこでおすすめするのがERP(Enterprise Resource Planning)です。ERPには基幹システム(生産/販売/購買/在庫/会計/人事)のすべてが事前に統合されており、それに加えて原価計算システムなど情報活用のためのITツールも多く統合されています。そのため、原価計算システムと多数の基幹システムを連携させるという作業が不要であり、クラウドERPならばサーバー導入やソフトウェアインストールといった作業も不要です。

マイクロソフトが提供するMicrosoft Dynamics 365は、ビジネスパーソンが使い慣れたインターフェースを備えつつ、あらゆるデータの統合/活用ができる機能が多数備わっています。今後、原価計算に徹底して取り組みたいという場合は、Microsoft Dynamics 365による統合的なシステム環境をぜひご検討ください。

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