プロジェクト原価管理とは?SIerのプロジェクト原価計算の仕方

 2019.02.04  BizApp チャンネル編集部

ソフトウェア開発やシステム構築などにおけるプロジェクトでは、その支出のほとんどが人件費に関する費用なので、ものづくりを実践する製造業や小売に比べて原価管理が難しい傾向にあります。しかし、その一方で原価管理を徹底しないと、赤字プロジェクトを生む原因となります。

あってはならないことですが、システムインテグレータのプロジェクトの支出は可視化が難しく複雑なので工数などは勘と経験で確定すると割り切っている企業もあるかもしれません。しかし、このような企業では蓋を開けてみたら大赤字だったなどということもしばしば起こります。

そこで本稿ではSIer(システムインテグレータ)でも実践したいプロジェクト原価計算の仕方についてご紹介します。

プロジェクト原価管理とは?

原価とはそもそも何か?原価計算基準によると「原価は、経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値であり、その給付にかかわらせて、把握されたものである。」だと定義されています。

分かりやすく「お弁当」で例えてみましょう。お弁当を作るためにはお米、おかず、容器、箸、付属する調味料が必要です。これらを作るために必要な材料がお弁当の基本となる材料費です。次にお米を炊いたりおかずを作ったりするためにコンロや炊飯器、鍋といった調理器具が必要ですしガスや電力も欠かせません。これらが設備費です。さらにお弁当を作るためには人間の手をかける必要があるので、そこには人件費がかかります。最終的に完成したお弁当をコンビニやスーパーに輸送するための諸経費がかかります。

つまり原価とは何か1つにものを作り上げるためにかかる「経費の合計」だと言えます。ソフトウェア開発等のプロジェクトにおいても同じです。たとえば1つの業務アプリケーションを開発するためには、人件費やサーバー調達、インフラ整備等の費用がかかります。これがプロジェクトにおける原価なのですが、上記の例と比較して可視化しづらいのが特長です。

プロジェクト原価管理では、この原価を管理し適正化を図ることを目的としています

プロジェクト原価管理の目的

プロジェクト原価管理の目的は、単に原価を計算するだけではありません。重要な目的は「原価管理を通じて適正原価の把握と、原価維持に努めること」です。プロジェクトから高い利益を生み出すためには、当然ながら収入が支出を上回っていないとなりません。さらに、原価を低減するための努力も必要です。

基幹システムに関するお役立ち資料

しかしながら、原価がいくらなら一体適正なのかを把握していないと、現状の原価が高いのか低いのかを判断できず、利益創出が難しくなります。そのためプロジェクト原価管理へ取り組む際は、原価把握のその先を考えましょう。

原価管理に関する詳細は「原価管理とは?システムに求められる機能も解説 」をご確認ください。

プロジェクト原価計算のメリット

プロジェクト原価計算を実施することで、企業は次のようなメリットが享受できます。

メリット1. プロジェクトの収支バランスを把握できる

プロジェクトにおいていくら収入があり、いくら支出があるのか?これを明確に把握できているプロジェクトは意外と少ないものです。しかしそれが赤字プロジェクトを生む原因でもあり、やはりプロジェクト原価管理はすべての企業にとって必要な要素です。プロジェクト原価計算を行っていると、プロジェクト収支のバランスを明確に把握できます。それはつまり、現時点でプロジェクトの採算が取れるかどうかを把握できるということに繋がります。

メリット2. 原価に応じたプロジェクト運用が可能に

プロジェクト原価計算を実施してプロジェクト収支が把握できると、原価状況に応じたプロジェクト運用が可能になります。そのためプロジェクトの採算が危うくなってもそれを察知して、様々な対策を立てることが可能です。

メリット3. 業務と原価の深い関連性を把握できる

プロジェクト原価計算を徹底していると、プロジェクトにおける業務と原価の深い関連性が見えてきます。プロジェクトでは人件費が原価の大部分を占めるので「どの業務にいくら原価がかかるのか?」を把握することは、ソフトウェア開発等を展開する企業にとって適正コストを把握する大きなきっかけになります。

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適切な原価計算方法を選ぶ

原価計算には色々な方法がありますが、SIerがプロジェクト原価計算を実施する際は適切な原価計算方法を選ぶことが大切です。

個別原価計算と総合原価計算

個々の製品ごとに原価を計算する方法を個別原価計算、ある一定期間にかかった費用をその期間に製造された製品の数量で割って計算する方法が総合原価計算です。顧客からの発注にもとづいて製品を生産する受注生産の場合は個別原価計算を、同一製品を大量に生産し一定の価格で販売する場合は総合原価計算を使用します。

プロジェクト原価計算では個別原価計算が基本になります。

もっと見る:原価計算って何?その目的と種類について

全部原価計算と部分原価計算

製造にかかった費用全てを原価として含める方法を全部原価計算、社内管理目的で製造に使った費用の一部だけを原価として計算する方法が部分原価計算です。会計基準上は全部原価計算しか認められておらず、部分原価計算は企業業績管理など評価目的でよく使用されます。

実際原価計算と標準原価計算

実際に発生した費用にもとづいて原価を計算する方法を実際原価計算といいます。会計上はこの方法しか認められていません。そのため財務報告目的で管理されている原価情報は全部原価かつ実際原価として計算されていなければなりません。一方、ある社内管理目的で使用される方法が標準原価計算です。一つの製品を製造するのに要する原価の目安を設定しておくことで、粗利を計算する場合などに用います。

プロジェクト原価計算には会計基準上のルールがないため、標準原価計算を行うのが基本です。

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原価計算をITソリューションで解決する

プロジェクト原価計算を実施する際は、一般的にExcelや会計ツールで対応しますが、Excelにはバージョン管理問題がありますし一般的な会計ツールはプロジェクト原価計算に対応していません。そこで、Microsoft Dynamics 365の導入をおすすめします。

Dynamics 365ではプロジェクト原価計算に特化した機能によって、少ない手間でプロジェクトにかかっている原価を把握し、収支バランスを明確にして赤字プロジェクトを無くすための機能が備わっています。この他、経営に必要な業務アプリケーションを統合しているため、プロジェクト原価計算だけでなく様々な経営情報を統合的に管理できます。

Dynamics 365 プロジェクトサービス導入のメリット

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