CRM戦略で顧客志向のビジネスを実践

 2017.04.05  Dynamics 365編集部

時代の変化と共に、企業のビジネスに対する考え方は大きく変わってきました。20年以上前の時代では「プロダクトアウト」、つまり市場のニーズや顧客視点を考慮せず企業側の技術や意向を重視して製品やサービスを開発し、それを市場に導入するという考え方が一般的でした。

対して現代のビジネスではまったくの逆で、「顧客志向」のビジネスが強く求められています。また、多くの(恐らくほとんどの)企業がこの理念を経営課題として掲げていることでしょう。

しかし、実際にすべての企業が顧客志向を実現しているかと言えば、そうではないように感じます。誤った顧客志向が横行してしまっている企業も実は少なくないのです。

そして顧客志向ビジネスを実践するため重要なCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)というマネジメント手法ですが、これも多くの企業が導入しているものではないでしょうか。

今回は誤った顧客志向ビジネスをなくし、正しい顧客志向を実践してただくために、顧客志向ビジネスとCRMについて紹介します。そもそも顧客志向ビジネスとは何なのか?そしてCRMシステムの役割とは?明確に示していきますのでぜひ参考にしてください。

顧客志向ビジネスとは何か?

顧客志向ビジネスを端的に表すと「顧客のメリットを最優先に考え商品やサービスの開発、あるいはカスタマーサービスを提供すること」です。恐らく多くの企業が顧客志向ビジネスを前述のように解釈しているでしょうが、この解釈は誤解を生んでしまう可能性があります。

例えば、顧客からの多少の無理難題に応えようとする姿勢を持ち、顧客の意見に耳を傾け、常に商品やサービスに付加価値を付けようと奮闘している営業Aがいたとします。その結果、売上が増加すれば顧客ビジネスを成功させたと言えるでしょう。

営業Aは顧客志向ビジネスと収益のバランスを上手く取り、着実に実績を伸ばしているのです。

では、同じように顧客の要望に応えている営業Bがいたとして、しかし収益は伸びず、それでもなお顧客志向ビジネスを貫こうとしている姿は、果たして顧客志向ビジネスといえるでしょうか?

答えは当然「NO」であり、これは本当の顧客志向ビジネスとは言えません。

営業Bが行っているのはただの「何でも屋」であり、顧客の要望に応えようと必死なだけで、付加価値を提供できていません。さらに言えば、顧客の立場に立って考えることを放棄し、顧客の要望にさえ応えていれば大丈夫と考えてしまっているのです。

基幹システムに関するお役立ち資料

こうした顧客志向ビジネスを実践してしまっている従業員も、それを良しとしている企業もそう珍しくはありません。

顧客志向ビジネスとは顧客視点で顧客のメリットを優先し、サービスや商品を開発、あるいはカスタマーサービスを提供することで、ビジネスに付加価値を生ませ顧客満足度と自社の収益性を同時に伸ばしていくことなのです。

顧客志向ビジネスが重要になった背景

顧客ビジネスが重要になった理由は至ってシンプルです。それは、「プロダクトアウトのビジネスではモノが売れなくなったから」です。

20年以上前の時代であれば、市場に流通している情報量も限られていたので、「技術の高い良い商品やサービス」を開発すれば収益は後から付いてきました。これは消費者の選択肢が限定的で、かつ少ない情報の中から商品やサービスの価値を見出していたためです。

しかし時代は流れ、市場にモノが溢れるようになってからは、これまで顧客として自社商品やサービスに関わってきた人々が、簡単に競合他社へと流れる時代へと突入しました。この時から、各社における顧客志向ビジネスの重要性が高まったと言えます。

単に技術力を誇示するような商品やサービスを開発するのではなく、顧客の視点に立ち顧客のメリットを考え、顧客を理解することで「売れる商品やサービス」を開発しなくてはならなくなったのです。

さらに、インターネットやスマートフォンなどの普及により、顧客一人一人が持つ情報量が爆発的に増加しました。この結果、顧客ニーズがさらに多様化し、最終的には企業と顧客のコミュニケーションを重視する時代にまでなったのです。

この時代背景を考えると、顧客志向ビジネスは商品やサービスを通じて行われる顧客とのコミュニケーションにまで目を向けなければなりません。

CRMシステムの役割

CRM(顧客関係管理)というマネジメント手法を実現させるためのシステムとして導入されるCRMシステムですが、顧客志向ビジネスにおいての役割について解説します。

顧客志向ビジネスを成功させるためには顧客を深く理解していることが大前提です。そして顧客を理解するためには、多種多様かつ大量の情報が重要となります。

顧客対応記録、成約案件、失注案件、商談内容などすべての情報が顧客を理解するために必要不可欠なものです。CRMシステムは、これら顧客に関する様々な情報を一元的に管理することができます。

さらに蓄積された情報はマーケティング支援機能や分析機能に活用され、顧客ごとに最適なマーケティングを実践したり、分析で新たな知見を見出したりできます。

こうすることで、営業はもちろん商品開発部や様々な部署で顧客を深く理解でき、顧客志向ビジネス成功の土台を作ることが可能となります。

誤った顧客志向に陥らないために

顧客志向ビジネスを成功させる上でまず課題となるのが、誤った顧客志向に陥らないようにすることでしょう。そうすることで、初めて顧客志向ビジネスのスタートラインに立ったと言えます。

顧客志向は「何でも屋」ではない

顧客志向とは、顧客の要望を聞き入れ「NO」と言わない「何でも屋」になることではありません。はっきり言うと、「何でも屋」になることは自社にとっても顧客にとってもデメリットの方が大きいのです。

顧客の無理難題を全て聞き入れるようなビジネスでは自社の収益性を下げるだけでなく、顧客に付加価値を提供することもできないので、顧客から見ても期待以上のサービスを受けられないという気持ちが強くなります。

顧客満足度は「顧客が実際に感じた価値-顧客の期待値」の式で表されるで、愚直に期待に応えようとしても顧客志向ビジネスは実現できません。

周囲の負担を考慮する

前述した営業Bの話の場合、誤った顧客志向に陥り周囲の従業員に迷惑をかけているケースがほとんどです。しかも、そうした誤った顧客志向に誇りを持ってしまっているケースもあるので、なお厄介な存在となります。

納品前の急な仕様変更にも応じたり、営業アシスタントに残業を強いたりなど、営業Bの周囲はフラストレーションが溜まっていくばかりで、部署全体の生産性をも下げてしまっているのです。

従って顧客志向ビジネスを実践する場合は、周囲の負担も考慮しつつ行動する必要性があります。

まとめ

顧客志向ビジネスは今後も各企業にとって重要な経営課題の一つですが、少し誤ると逆に収益性などを下げてしまう結果に陥ります。そうならないためにも、顧客志向ビジネスの真意をしっかりと理解し、誤った顧客志向に陥らないための施策が必要です。

また、CRMシステム導入時も如何にして顧客志向ビジネスを活用していくかを明確にし、システムの導入効果を確実に引き出していくことが大切です。

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