カスタマーエクスペリエンスとは?向上のためのポイントを解説

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 2017.09.12  Dynamics 365編集部

カスタマーエクスペリエンスとは?

カスタマーエクスペリエンスとは、「顧客経験価値」や「顧客体験」と訳され、商品やサービスを通じて顧客が得る満足感や効果など、心理・感覚に訴えかける価値を指します。これだけでは理解するのが難しいので、簡単な例を挙げます。

カスタマーエクスペリエンスの一例

蓋が固いAというジャムの瓶と、蓋が緩いBというジャムの瓶があると仮定します。単純に考えれば、Bの蓋の方がユーザーにとって開けやすく、メリットがあると考えられます。しかし「蓋が開けやすい」ということ自体は、カスタマーエクスペリエンスではありません。

蓋が固いAを開けようとすると、なかなか開かずにイライラします。ゴム手袋をはめたり、色々と試行錯誤もするでしょう。これらすべてはユーザーにとって大きな手間です。朝の忙しい時間なら、その日の出だしで気分を害することもあります。

一方、蓋が緩いBは、少し力を入れれば開けることができます。蓋が簡単に開けばイライラすることもありませんし、手間もありません。朝の時間をゆっくりと過ごすこともできます。

カスタマーエクスペリエンスとは、こうしたイライラや手間、あるいは蓋が簡単に開いて朝の時間をゆっくりと過ごせるという、心理・感覚に訴えかける価値です。Aは蓋が固いことでカスタマーエクスペリエンスを害していますし、Bは蓋が緩いことで質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供していると言えます。

いかがでしょうか?幾分か、カスタマーエクスペリエンスという概念が分かりやすくなったのではないかと思います。

カスタマーエクスペリエンスが重要な理由

カスタマーエクスペリエンスという言葉をよく耳にするようになったのはごく最近のことです。なぜ、現代ビジネスにおいてカスタマーエクスペリエンスが重要とされているのでしょうか?

理由は多数ありますが、最も大きな理由は「ユーザーのファン化」にあるかと思います。

従来の商品や製品は、ユーザーの期待に応えるように、品質を高めるための取り組みが進んできました。結果として様々な商品やサービスで高品質化が起き、かつ価格競争が進んだことで、ユーザーにとって購入や利用の敷居が低くなっていきました。

しかし、こうした取り組みが生んだ結果はビジネスの発展ではなく、商品やサービスの価値低下です。品質や低価格を追求することで製品同士で差別化が起きなくなり、ユーザーの目には、どの製品も同じように見てしまいます。

加えてインターネットやPC・スマートフォンの普及で情報化社会が進行したことにより、ユーザー自ら情報を取得できる世の中になりました。こうした時代背景もあり、商品やサービスの価値低下が進んでしまったのです。

そうした中、カスタマーエクスペリエンスという概念が生まれました。カスタマーエクスペリエンスは、商品やサービスを通じてユーザーが得る体験に着目し、ユーザーの期待に応えるだけでなく「超える」ことで、単なるリピーターからファンへと成長させることで、ブランドとしての利用価値を高めることができます。

スターバックスが実践したカスタマーエクスペリエンス向上

カスタマーエクスペリエンスを取り入れたビジネスの成功事例として、よく取り上げられるのが、スターバックスコーヒーです。スターバックスでは経営者自らカスタマーエクスペリエンスの重要さを説き、経営に取り入れています。

スターバックスのカスタマーエクスペリエンスは、同社の企業理念からも読み取れます。

≪スターバックスの企業理念≫

私たちのミッション

人々の心を豊かで活力あるものにするために ― ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから

私たちのカスタマー

心から接すれば、ほんの一瞬であってもお客様とつながり、笑顔を交わし、感動経験をもたらすことができます。完璧なコーヒーの提供はもちろん、 それ以上に人と人とのつながりを大切にします。

私たちのストア

自分の居場所のように感じてもらえれば、そこはお客様にとって、くつろぎの空間になります。

ゆったりと、時にはスピーディーに、思い思いの時間を楽しんでもらいましょう。人とのふれあいを通じて。

引用:スターバックスコーヒージャパン Our Mission and Value

スターバックスは創業者であるハワード・シュルツ氏が前線を退いたあと、経営が傾きかけたことがあります。その理由が、カスタマーエクスペリエンス提唱者であるハワード・シュルツ氏が退いたことで、「売上拡大」という風潮が全社で広まりました。

結果としてスターバックスのカスタマーエクスペリエンスを低下させる原因になり、サービス品質が下がったことで、ユーザーが離れていってしまったのです。

こうした状況からハワード・シュルツ氏は2008年にスターバックスの経営者へと復帰し、再びカスタマーエクスペリエンスを取り入れバリスタの再教育などを施したことで、経営を立て直しました。

このように、単純な「売上拡大」を狙い、カスタマーエクスペリエンスを軽視することで、ビジネスは低迷していきます。カスタマーエクスペリエンスを意識しないということは、ユーザーを無視するのと同義であり、そうしたビジネスが成功する道理もないのです。

カスタマーエクスペリエンス管理成功のポイント

カスタマーエクスペリエンスという概念をビジネスに取り入れて、実績を上げていこうという取り組みを「カスタマーエクスペリエンス管理」といいます。ここでは、その成功ポイントを紹介します。

まず理解しなければならないのが、カスタマーエクスペリエンスは単なる「おもてなし」とは違うということです。実は、カスタマーエクスペリエンスを企業の「おもてなし強化」と捉えている企業が少なくありません。おもてなしという言葉から、現場スタッフの心のこもった接客でユーザーとコミュニケーションを取る、という施策が真っ先に思い浮かびます。

しかし、現場スタッフを教育し接客品質を上げたところで、カスタマーエクスペリエンスは向上されません。なぜなら、カスタマーエクスペリエンスとは、スタッフとユーザーのコミュニケーションだけでなく、商品やサービス、さらにはストアという空間など、様々な要因が絡み合い、向上するものだからです。

以上のことを理解した上で、カスタマーエクスペリエンス管理を成功させるためには、「ユーザーを深く理解すること」が大切です。単にユーザーのメリットを追求するだけでなく、商品やサービスを通じてユーザーはどんな体験をし、どんな気持ちを抱くのか。それによって、どんな二次産物が生まれるのか。こうした様々な要素をユーザー視点で考えることで、カスタマーエクスペリエンス向上のヒントが見えてきます。

そのためにも、ペルソナやカスタマージャーニーマップといった、マーケティングツールを利用することも重要です。

まとめ

カスタマーエクスペリエンスという概念を、まだ取り入れていないという企業は、これを機に自社にカスタマーエクスペリエンス現状について見つめていただきたいと思います。その上で自社がどういった方向に進むべきかを考え、ユーザーに最高の体験を提供し、ビジネス価値を高めていきましょう。

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