カスタマーサービス/顧客満足

顧客セグメンテーションの基本と方法

古くは1950年代に定義され、それ以前から世界有数企業の中で取り入れられていた手法が、顧客セグメンテーションです。マーケティング分野においては今や一般的な手法ではありますが、その歴史は意外と長く、時代の変革に合わせて進歩していきました。

広告や商品開発など、様々なシーンで活用できる顧客セグメンテーションですが、正しい分析方法や活用方法とは何でしょうか?

今回は顧客セグメンテーションの基本と方法、そしてマーケティングに欠かせないSTP分析についても紹介していきます。

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顧客セグメンテーションとは?

顧客セグメンテーションとは、不特定多数の顧客を似通ったニーズや属性的特徴を持つグループに分類し、個別にマーケティングを展開していくためのものです。

例えばリスティング広告などを展開する際は、ユーザーの性別や年齢などの属性情報、インターネットの利用頻度、よく閲覧するページなど、様々な要素でグルーピングすることで、ピンポイントなマーケティングが可能になります。

商品開発であれば、属性ごとの趣味趣向や自社商品に対する印象を分析しグルーピングすることで、適切な商品やサービスを適切な人に届けることができます。

つまるところ顧客セグメンテーションの目的は、市場を細分化し、新たなビジネス価値を創出していくことにあるのです。

1923年~1937年の14年間に渡ってGM(ゼネラルモーターズ)社の社長に就任したアルフレッド・スローン氏(その後は取締役会会長)は、当時顧客セグメンテーションを活用し多品車量産という生産スタイルを取ったことで、単一車量産というスタイルを取っていたフォード車を抜き自動車業界の頂点へと昇りつめました。

現在では顧客の購買行動がデジタル上に移ったことから、顧客セグメンテーションの方法は大きく変化していますが、90年も昔からそのマーケティングの重要性は変わっていないのです。

顧客セグメンテーションの方法

不特定多数の顧客を分類する顧客セグメンテーションですが、ここで具体的な方法について紹介します。まず、下記4つの要素を用いて市場を細分化することが大切です。

デモグラフィック(人口統計分布)

デモグラフィックとはBtoCなら年齢、性別、家族構成、社会的階層など。BtoBならば業種、担当者の役職など、いわゆる顧客の属性によって表す変数です。

アパレル業界なら年齢と性別、住宅販売業界なら家族構成や社会的階層など、業種によって使い分けるのが一般的です。

ジオグラフィック(地理的変数)

ジオグラフィックとは国や都市、地区町村によってセグメンテーションするための変数です。宣伝/広告といったマーケティングを展開する際は、まずジオグラフィックによって展開する領域を決定します。

また、ジオグラフィックとその他の変数を掛け合わせることで、さらに精度の高いマーケティングを展開できます。

サイコグラフィック(心理的変数)

顧客セグメンテーションでは顧客の心理的要素も取り入れ、これをサイコグラフィックと呼びます。

性格やライフスタイル、価値観などの変数を他の変数と掛け合わせることで、かなりピンポイントなマーケティングを展開したり、商品開発といった分野に活かすこともできます。基本的にはアンケートなどを実施し、その集計結果をもとに導き出すのがジオグラフィックです。

ビヘイビアル(行動変数)

最後にビヘイビアルですが、これは顧客セグメンテーションにおいて最も重要な要素だと言えます。デジタル化社会に伴い、顧客の購買行動もオフラインからオンラインへすでに移行しています。

これにより、顧客の購買履歴や購買時間など、様々な行動変数を記録できるようになりました。行動変数を活用することで、時間帯ごとにマーケティング手法を変えたり、見込み客の成熟度によって段階的なマーケティングを展開することが可能になったのです。

上記4つの変数を集めることは、今やそう難しいものではありません。たとえIT技術者が在籍していない企業でも、Microsoft Dynamics 365のようなサービスを利用することで、4つの変数を収集し、顧客セグメンテーションに活かすことができます。

STPとはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング

ここからは、顧客セグメンテーションを活用したSTP分析について解説します。まずSTP分析とは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positionig)」の3つから成る分析手法です。

STP分析を行う目的は、顧客セグメンテーションによってグルーピングした顧客に対し、さらに絞り込んだマーケティングを展開することで成約率を上げたり、LTV(顧客生涯価値)を高めていくといった目的があります。

また、従来のマスマーケティング的な「大衆を相手にしたマーケティング」は既に通用しません。デジタル化社会である現代においては、顧客自らインターネットから情報を収集し、購入する商品や利用するサービスを選ぶ時代です。

従って、企業はマーケティングを展開する顧客を絞り込み、ニーズに合致した商品やサービスを適切に届けることで、企業と顧客双方にとってベストな取引が行えます。

STP分析の基礎

STP分析の基礎は「セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニング」といった順に進めますが、必ずしも順番通りに行う必要はありません。各企業、それぞれに合った進め方を取るのがベストです。

セグメンテーションでは、前述した顧客セグメンテーションを参考に4つの変数(あるいはいずれか)を収集することで、市場を細分化します。

次にターゲティングでは、これからビジネスを展開すべき市場を、セグメンテーションしたグループの中から決定します。ターゲティングではまず自社の商品やサービスを深く理解していることが大切です。自社ビジネスをしっかりと理解していれば、的確なターゲティングが可能となります。

最後にポジショニングでは、ターゲットとして市場における自社のポジションを明確にします。そのためには競合他社を割り出し、正確なポジショニングが重要です。さらには、ポジショニングだけでなく、自社ビジネスの強み(価値軸とも言う)と弱みを明確にすることで、競合相手にどのようなマーケティングを展開していけばいいかが明確になります。

以上がSTP分析の基礎です。ターゲティングの基準は各社が独自に持つものであり、ポジショニングはしっかりと自社ビジネスを理解しておくことで、適切なSTP分析が可能となります。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は顧客セグメンテーションの基本と方法、そしてSTP分析の基礎について解説しました。いずれも、現代社会のマーケティング(特にデジタルマーケティング)には欠かせない要素であり、まだ取り組んでいないという企業では、今後重要な経営課題として取り組みを検討していただきたいと思います。

また、顧客セグメンテーションやSTP分析を成功させるには、適切なソリューションの選択も重要です。

特にリソースが限られている中小企業では、クラウドサービスなど、機能性やセキュリティ性が重視されるソリューションの導入が基本となるので、慎重な選定を進めてください。

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