顧客エンゲージメントとは?ロイヤリティとの違いを解説

 2019.10.10  BizApp チャンネル編集部

顧客エンゲージメントもロイヤリティも、プロダクトやサービスと顧客、そして会社の顧客の関係性を表す言葉です。しかし、それぞれの言葉が差す意味や用途は違います。これらを混同している方も多いのではないでしょうか?本稿では2つの言葉の違いを、分かりやすく明確にしていきますので、気になる方はぜひご一読ください。

Clients Concept. Word on Folder Register of Card Index. Selective Focus.

顧客エンゲージメントとは?

顧客エンゲージメント(Customer Engagement)は数年前までWeb業界を中心に用いられる言葉でしたが、最近ではあらゆるビジネスシーンで使用されています。エンゲージメントは日本語で「約束」や「契約」という意味があります。ただし「顧客との約束」や「顧客との契約」を指すのではなく、「顧客との親密度」を表す言葉です。

エンゲージメントリング(婚約指輪)という言葉があるように、使用するシーンによって「愛」や「親密さ」を表す意味に変化するため、顧客エンゲージメントは「顧客との親密度」を表している、というわけです。

この言葉がビジネスの至るところで使われるようになったのは、プロダクトやサービスと顧客の親密度、そして会社と顧客の親密度がビジネス与える影響が広く認識されるようになったためです。顧客エンゲージメントが高まっている場合、一般的に次のような効果が発生します。

  • プロダクトやサービス、会社にとって良い口コミが集まり、広がる
  • 顧客がプロダクトやサービスを継続的に利用するようになる
  • 不満を他の顧客に漏らすのではなく、自社に直接行ってくれるようになる
  • ビジネスに対して大変貴重は意見をもらえるようになる
  • 顧客の意見を反映しつつプロダクトやサービスの品質を向上できる

従来のビジネスでは、「良いモノを作って安く売れば、売上は自然と上がる」と考えられていました。そのため、多くの市場で価格競争が激化し、プロダクトやサービスのコモディティ化が急速に進み、各社の差別化が難しい状況が続くようになりました。

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だからといって、性能や品質をさらに上げて高単価なプロダクトやサービスを世に出しても、すでに一定の性能や品質で低価格なモノが市場を席捲しているので、消費者やユーザーに受け入れられるわけがありません。

そこで顧客エンゲージメントが注目されていきます。会社が顧客との親密度を上げることに成功すれば、顧客がその会社のプロダクトやサービスのファンになり、離脱を防ぎつつさまざまなビジネス効果が得られます。さらに、顧客からいただく貴重な意見から、顧客視点に立った品質改善を実施でき、会社にとっても顧客にとっても「正のスパイラル」が生まれるというわけです。

ロイヤリティとは?

ロイヤリティ(Customer Royalty)は一般的にアンケート調査などを実施して、顧客の感情を想定するための指標です。ロイヤリティは日本語で「忠誠心」などを表す言葉であり、顧客がプロダクトやサービス、会社にどれくらいの忠誠心を持っているかを表すものです。ただし、忠誠心というと立場関係が生じる言い方ですので、多くの場合は「ロイヤリティ=愛着心」と言い換えられます。

「顧客エンゲージメントと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、2つの違いはそれぞれの調査プロセスに起因しています。ロイヤリティはNPS(Net Promoter Score:ネット・プロモーター・スコア)という指標を使うのに対し、顧客エンゲージメントは顧客が実際に起こしたアクションにもとづき測定されます。

要するに、ロイヤリティは「顧客の感情」に焦点を当てて調査した指標であるのに対し、顧客エンゲージメントは「顧客の行動」に焦点を当てて調査した指標だということです。

NPSとは?

「あなたはこのプロダクト(サービス)を家族や親しい友人に、どの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」皆さんはこのようなアンケート調査に答えた記憶はないでしょうか?これはNPSを計測するための質問であり、NPSはこうした質問を顧客に投げかけることでロイヤリティを数値的に測定するための指標です。

2003年に米大手コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーの名誉ディレクターであるフレドリック・F・ライクヘルドがハーバード・ビジネス・レビュー(米国の経営学誌)で発表し、AppleやLegoなど世界の名だたる企業がその有効性を証明したことで、急速に広がりました。

NPSでは前述した質問を顧客に投げかけ、その中で0~6点を付けた顧客を「批判者」、7~8点を付けた顧客を「中立者」、9~10点を付けた顧客を「推奨者」と分類していきます。その後、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSの最終的な指標になります。

たとえば推奨者の割合が50%、批判者の割合が30%ならば「50%-30%=20%」という結果になります。NPSの数値がプラスに転じていれば一定以上のロイヤリティを確保していることになり、逆にマイナスならばロイヤリティが低下していることになります。

昔から用いられてきた「顧客満足度」と異なる点は、収益性に連動するかどうかです。NPSでは「他社にすすめたいと思いますか?」という質問により、未来の行動を数値化しているため、将来的な収益性に連動すると考えられているのです。

顧客エンゲージメントとロイヤリティの違い

ここまで読んでいただければ、すでに結論は出ているようなものですが、改めて顧客エンゲージメントとロイヤリティの違いをまとめます。

  • 顧客エンゲージメント:顧客が実際に起こした行動からプロダクトやサービスとの親密度、会社との親密度を表すもの
  • ロイヤリティ    :NPSを中心としたアンケート調査を実施して、プロダクトやサービス、会社に対する愛着心を表すもの

2つの言葉の違いから、「会社が優先して追うべきは顧客エンゲージメントなのでは?」という意見が生まれるでしょうが、それは正解です。顧客エンゲージメントは多少なりロイヤリティを含む指標になっているので、2つの指標を分けて運用せずとも、顧客エンゲージメントの向上に努めれば自然とロイヤリティも向上します。

ただし、顧客エンゲージメントから将来的な収益性を把握するのが難しいケースもあります。その際は、ロイヤリティを測定するためにNPSなどを実施して収益性を把握し、事業戦略を立て直すという取り組みも大切です。

つまりどちらか一方だけが大切というわけではなく、顧客エンゲージメントの向上に重心を置きつつも、ロイヤリティも気にかけるというのが理想の姿です。そのためには多数のKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を運用する必要がありますので、プロダクトやサービスの特徴やビジネスの目標ごとに適切なKPIを設定することが大切になっていきます。

顧客エンゲージメントとロイヤリティ、2つの言葉の違いを理解いただけたでしょうか?これらの指標をまだ取り入れていないという方は、この機会にビジネスへの導入をぜひご検討ください。

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