会計業務でExcelを使うデメリット

 2020.02.04  BizApp チャンネル編集部

会社経営に直接かかわる数字を管理している経理では、ちょっとしたミスが後々に大きな手戻りを発生させて生産性を低下させる原因になります。特に、期末決算業務で数字が合わないとなると経理部全体が慌ただしくなり、連日残業で修正作業に追われることが少なくありません。

そうした経理では会計ソフトを使用して日常業務をこなすことが一般化しています。ところが、中小企業によっては現在でもExcelを使用しているところもあります。Excelを標準搭載している端末も多いので、追加コストはかかりませんし、優れた表計算ソフトなので魅力的に思う気持ちは分かります。

しかしながら、Excelを使った経理業務にはメリットもあればデメリットもあります。最近ではデメリットの方に注目されることが多いのです。本記事では、会計業務にExcelがもたらすメリットは何か?デメリットは何か?を解説します。

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経理に会計ソフトが必要とされるのはなぜ?

経理は会社経営の状態を常に数字として記録することが主な役割です。取引ごとにその内容を帳簿に記録して、売上と経費のバランスを常に保っています。経営が健全な状態を維持できるように細心の注意を払い、期末時には決算業務を行って1年間のビジネスの締めくくりを行い、売上・仕入の情報、金融資産の動き、社員の給与計算や保険料計算、税金の計算などなど、1年をわたってお金にかかわる数字を扱っていることから慎重さ、正確さ、そして素早さが常に求められています。

こうした特性から、経理において会計ソフトが早期段階から必要とされたのは自然の流れと言えるでしょう。日本では1960~1970年代にかけてメインフレーム(汎用コンピューター)が普及し、会計ソフトはその中で早々に実用化されたシステムの1つです。

1980年代にはオフィスコンピューターの普及が始まり、大企業を中心にコンピューター導入が進み、それと同時にインストール型の会計ソフトが主流になっていきます。1980年代後半には廉価なコンピューターが流通したことで、中小企業で爆発的な普及を見せ、そこでも会計ソフトを積極的に導入する動きが見られました。

ところが、2017年8月時点でMM総研が発表した『クラウド会計ソフトの法人導入実態調査』によると、調査対象となった8,851社の中小企業のうち、インストール型・クラウド型の両方を含む会計ソフトの利用率は54.1%に留まっています。

過半数を超えている点だけを見ると普及率が高いように思えるものの、会計ソフトの歴史や導入容易性から考えると、「半分近い中小企業が利用していない」というのは無視できない事実です。

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会計業務にExcelを使うメリットとデメリット

会計業務にExcelを使い続ける理由は、「Excelにメリットを感じているから」あるいは「Excelを使い続けなければいけない状況にあるから」のどちらかでしょう。では、Excelを使い続ける企業はどのような点にメリットを感じているのか?また、実際にはどういったデメリットを抱えているのか?整理していきましょう。

Excelのメリット

1.インストール不要ですぐに使える

Excelは会社として購入したパソコンにプリインストールされていることが多いですし、Excelは世界的なビジネススタンダートソフトなので、導入していない企業は少ない方です。そのため、会計ソフトをインストールしなくてもそもそもExcelがありますし、会計ソフトのように複雑な初期設定が要らないことから利便性が高いと感じられます。また、ネットに流通しているテンプレートを使って経理業務を効率化することも可能です。

2.追加コストがかからない

Excelがプリインストールされていることが多いため、会計ソフトのライセンス購入にかかる追加コストが発生しないというのも大きなメリットです。本格的な会計ソフトとなると1ライセンスあたり5~10万円程度かかりますし、年間保守費用がかかるケースも少なくありません。

3.他のパソコンにデータを引き継げる

Excelはデータをコピーすれば簡単に他のパソコンへ引き継げますし、共有フォルダに保管していれば異なるパソコンから編集することもできます。

Excelのデメリット

1.ファイル管理が複雑になる

Excelファイルは容易に複製できますし、共有フォルダに置いておけば誰もが編集できることからファイル管理が複雑になりがちです。特に、どのファイルが最新なのかが分からなくなり、バージョン管理が行き届かない可能性があります。そうすると間違った会計情報を使いかねないので、経理に混乱を招く恐があります。このデメリットは事業規模が大きくなるにつれて深刻化するでしょう。

2.実はコストがかかっている

「Excelを使えばコストがかからない」と考えている方も多いでしょう。しかしそれは大きな誤解です。確かにExcelライセンスを購入するコストは無視できるくらいのものですが、ファイル管理の複雑化や必要に応じたフォーマット変更などにより、可視化されづらい管理費がかかります。そのコストを試算すると、会計ソフトの管理費を上回っていることが少なくありません。

3.法改正の度にフォーマット変更が必要

経理では毎年の税制改正大網に対応するため、法改正の度にExcelフォーマットを変更しなければいけない状況が続きます。フォーマット変更にはそれなりの労力が要りますし、それが管理コストの増大を招く原因にもなります。

4.使いこなすにはそれなりの技術が要る

Excelを会計業務に取り入れるには、実はそれなりの技術が必要です。Excel関数やマクロ機能への理解が欠かせませんし、最低でも1人はExcelの扱いに長けている人材が必要です。しかし、その人材も転職してしまえば事は深刻になります。また、Excel技術が乏しいままネットで流通しているフォーマットを使用すると、何か問題が起きた際に対処できないことがあります。

5.データ消失や情報漏えいの可能性が高い

Excelファイルや容易にコピーや削除ができることから、データ消失や情報漏えいのリスクが非常に高くなります。特に、堅固なセキュリティ対策を講じていない環境では、Excelファイルからの情報漏えいが一層心配になります。

Excel⇒会計ソフト、あるいはExcel⇒ERPへの移行を!

いかがでしょうか?会計業務でExcelを使うメリットは確かにありますが、それ以上にデメリットの方が大きいことが分かりました。現時点でまだExcelを使っているという方は、管理コスト削減やリスク低減などのために、早急に会計ソフトへの移行を検討していただきたいと思います。

あるいは、ERP(Enterprise Resource Planning)といった統合基幹系システムの導入により、会計システムの構築と同時に各基幹系システムの統合を同時に図ってください。最近ではクラウドERPの発展により、中小企業でもERP導入が進んでいます。インストール型の会計ソフトにはないメリットが多数ありますので、こちらも合わせてご検討ください。

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