“2025年の崖”とSAPユーザーの選択肢

 2019.07.02  BizApp チャンネル編集部

“2025年の崖”という言葉をよく耳にするようになりました。これは経済産業省が2018年9月7日に発表した『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』で紹介されている諸問題のことを指します。本稿では、そんな“2025年の崖”とSAPユーザーが今後取るべき選択肢についてご紹介します。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは?

経済産業省が警鐘を鳴らしている“2025年の崖”について理解を深めるために、まずはDX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)について説明します。本資料の中で、経済産業省はDXの定義についてIT専門調査会社であるIDC Japan株式会社の定義を引用し、次のように説明しています。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

キーワードになるのは“第3のプラットフォーム”であり、これは近年目覚ましい発展を遂げたクラウド、モビリティ、ビッグデータ・アナリティクス、ソーシャル技術という4つのプラットフォームを指します。

①クラウド

インターネット上で提供されるサービスの総称。2006年から急速に存在感を増し、今では企業インフラをささえる上で欠かせない技術。

②モビリティ

スマートフォン及びタブレットなど、世界中で爆発的に普及した小型携帯用端末。

③ビッグデータ・アナリティクス

これまで不要なものとして蓄積してきたあらゆる経営データを統合・解析することにより、ビジネスに有用な新しい知見を見出す。

④ソーシャル技術

既に世界中で数十億人ものユーザーが使用しているSNSをビジネスプラットフォームとして活用する。

これらのプラットフォームを適宜ビジネスに取り入れつつ、新しい製品やサービスの開発、新しいビジネス・モデルの展開を通じて顧客エクスペリエンス(商品やサービス、企業との関係によって得られる体験)の改革を図ることで、新しい企業価値を見出し、急激に変化するビジネス環境にも対応できる企業体質を作り上げることをDXと呼びます。

“2025年の崖”に起こる諸問題とは?

経済産業省はさまざまな問題が集中する“2025年の崖”までに、多くの日本企業がDXを実現して次世代のビジネスに対応しないと、高い確率で生き残れないと説明しています。また、その状況を放置していると2025年以降から2030年の5年間にかけて、日本は最大で年間12兆円という莫大な経済損失が生じるとも予測しています。では、そんな“2025年の崖”に起こる諸問題とは一体何でしょうか?

<2025年の崖>

1.経済面

A)市場変化に応じてビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更できずデジタル競争の敗者になる

基幹システムに関するお役立ち資料

B)システムの維持管理費が高額化しIT予算の9割以上になる(技術的負債※)

C)保守運用担当者不在で、サイバー攻撃や事故・災害によるシステム・トラブルやデータ滅失等のリスクが高まる

※技術的負債(Technical Debt):短期的な観点でシステムを開発し、結果として長期的に保守費や運用費が高騰している状態

2.人材面

A)2025年時点でIT人材不足が約46万人まで拡大する

B)メインフレーム担い手の退職・高齢化により、先端IT人材の供給不足が起こる

C)古いプログラミング言語を知る人材が供給不可になる

3.技術面

A)基幹系システムを21年以上稼働している企業が6割に達する

B)SAP ERPのサポート期限が2025年に終了し、多くの日本企業が対応に迫られる

C)従来のITサービス市場とデジタル市場の規模が逆転する

D)2020年以降自動運転実用化が広まり、日本の主力産業の1つである自動車業界でディスラプターが起こる可能性がある

4.その他

A)電力法的分離によって送配電部門の分社化が起こる

B)ガス法的分離によってガス導管事業の分社化が起こる

C)2020年の東京オリンピック開催以降インバウンド需要が最大化し、それに伴い外資系参入が盛んになる可能性がある

以上のように“2025年の崖”では、非常に多くの問題が重なり、多くの日本企業に強い改革が求められる年になります。経済産業省ではこれらの問題を放置すると、デジタル競争に生き残れない、IT技術の維持・継承が困難になる、データ滅失や流出のリスク、IT人材不足の深刻化、世界のクラウド市場での不振などの影響が生じると説明しています。

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“2025年の崖”でSAPユーザーが取るべき選択肢とは?

現在SAP ERPを運用しているユーザーにとって悩ましい問題が、やはりSAP ERPのサポート期限終了です。SAPではERPの主力を「SAP S4/HANA」へ完全に移行する見通しです。

まず、SAPユーザーの中にはSAP ERPを継続して利用することを決定している企業が少なからず存在します。そうした企業の主張としては、「現在問題なく稼働しているSAP ERPを、わざわざ刷新しなくてもよい」ということです。ビジネス環境の変化に応じてアドオンは増えるものの、それを管理できる技術力があれば、確かにあえて刷新する必要はないかもしれません。

しかし大半の企業ではSAP ERPから新しいEPRへの刷新が迫られています。既にアドオンが肥大化し、ERPとしての強みであるリアルタイム性や効率性が失われ、SAP ERPそのものがビジネスの足かせになっているケースが多いためです。多くのSAPユーザーはSAP S4/HANAを導入してSAPユーザーとして継続するか、別のERPへ刷新するかを検討しています。

ただし、SAP S4/HANAと従来のSAP ERPのアーキテクチャはまったく異なるため、別のERPに刷新するのと同じだけの労力やコストがかかると見られています。そこで、SAP ERPの刷新先として期待されているのが「Microsoft Dynamics 365」です。多くのビジネスパーソンにとって使い慣れたインターフェースを持つMicrosoft製品であることに加えて、AIや機械学習、IoTなどの機能がネイティブに使えたり、ノンコーディングやローコーディングを目指すPowerPlatformの存在など、最先端のテクノロジーを利用できるようになります。

SAP ERPの2025年問題でお困りの場合には、Microsoft Dynamics 365を検討してみてはいかがでしょうか。

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