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Dynamics 365 Business Central 2021 年リリースを一挙紹介

企業活動で必要なすべての業務をサポートするクラウドビシネス管理アプリケーション「Dynamics 365 Business Central」は、企業が抱える多くの問題を解決します。本記事では2021年にリリースされた新機能や新サービスを整理して紹介し、システムを導入するメリットについて解説します。

Dynamics 365 Business Central 2021 年リリースを一挙紹介

CRMの利用実態と課題

Dynamics 365 Business Centralとは?

Dynamics 365 Business Centralとは、中小規模の組織や企業が行う営業支援・顧客管理・サービス提供・財務・プロジェクト管理・マーケティングといった活動をすべて1つのシステム上で一元管理し、スピーディな意思決定や経営活動を実現する中小企業向けのERPです。

ここではほかのERPとは異なる機能と導入することで得られるメリット、これまでのリリース状況について解説します。

複数拠点展開に最適なERP

ERPとは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略称で、企業を経営する際に必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」という資源を総合的に一元管理し、有効活用できるようにする基幹業務システムです。

財務会計、顧客管理(CRM)、販売管理、生産管理、在庫管理などの基幹業務で扱う複数システムが統合されているため、業務を効率化し、生産性を向上させることができます。

Dynamics 365 Business Centralは、数あるERPの中でも複数拠点を展開する際に最適なビジネス管理アプリケーションです。幅広い言語や通貨に対応するなど、グローバル対応に強みのある柔軟性と拡張性の高さが評価されています。

販売・購買・資産・会計・在庫・生産・人事といった業務モジュールが統合されているため、さまざまな業種や業界の中小企業をサポートします。

Dynamics 365 Business Centralのメリット

Dynamics 365 Business Centralはオールインワンタイプのクラウド型ERPソリューションとして設計されています。豊富な機能を有しており、多言語・多通貨対応でグローバル市場に対応しているのが特徴です。また140か国以上のコンプライアンスや会計ルールなどのIFRS(国際会計基準)に対応しています。

さらにAIや機械学習といった最先端のデジタルテクノロジーが活用されており、非常に高度で深度の高い分析を実行していけます。また、多機能で高いパフォーマンスを期待できるシステムですが、「中小企業での利用に適した、コンパクトなクラウドERP」として設計されていることも特徴です。

対応する業務や役割に合わせて、利便性の高いインターフェースが用意されており、PCだけでなくタブレットやスマートフォンからの利用もサポートされています。

これまでのリリース状況

Dynamics 365 Business Central(旧称Navision / Dynamics NAV )は1984年のリリース以来、継続的にバージョンアップを行い、機能強化されてきました。

近年のリリース状況を振り返ると、ここ数年はOffice 365との連携強化、Tabletクライアントワークの導入、Dynamics CRM OnlineやAzure Machine Learningとの連携、Dynamics 365 Business Editionとの統合を積極的に進め、ユーザーにとっての利便性を高めています。

2018年からはDynamics 365 Business Centralと名前を変えて、オンプレミス版とクラウド版の両方でリリースされました。Dynamics NAVのすべての機能を備えており、Microsoft製品と連携できることが特徴です。

2021年から実施中のリリースロードマップ

2021年に入ってからも機能面は強化され続けており、さまざまな改善や修正がリリースされています。多くの機能が追加されましたが、基本的には、パートナーのテナント管理方法や、ライセンスやアクセス許可の管理方法をより簡単にするための機能改善が主軸です。また、Microsoft Teams との統合が拡張され、対応可能な国と地域も拡大されたことでよりグローバル対応しました。

ここでは2021年にリリースされる機能について解説していきます。ただし今後リリース予定の機能や改善、拡大箇所の内容やスケジュールに関しては変更になる可能性もあるためご了承ください。

パートナーによるテナント管理をスムーズ化

2021年のリリースによって、ライセンスユーザー(企業)だけでなく、パートナーユーザーアカウントからでも、テナント管理をスムーズに実行できるように、権限が見直されました。これにより、ライセンスユーザーから依頼された代理管理業務を、パートナーユーザーがスムーズに実行へ移せるようになったのです。

ライセンスユーザーがほかの業者に代理管理業務や共同作業を依頼する際は、パートナーユーザー(B2Bゲストユーザー)として登録をします。リリース以前はB2Bゲストとして登録されたパートナーユーザーは、顧客のBusiness Centralへアクセスすることはできませんでした。リリース後はライセンスユーザーと同じくBusiness Central および Business Central 管理センターにアクセスできるように変更されました。

強化された管理機能はこれだけではありません。例えば、大規模なデータベースを利用している場合、エクスポート作業中にタイムアウトが発生する場合があります。今回の強化により、エクスポート作業の安定化が図られました。また、データベースのシステム要件における互換モードが緩和され、特定のバージョンの SQL Server や Azure SQL Database でなくともデータベースを実行できるようになっています。

Microsoft 365との連携強化

Microsoft 365との連携についてもリリースされ、特にMicrosoft Teamsとの連携が大きく強化されました。Microsoft Teamsを通して連絡先管理システムが提供されるため検索が容易になり、顧客やパートナー、提携企業、グループ会社、ベンダー、取引先などに対してTeamsで迅速にコラボレーションができます。

クラウドを経由して組織内でプリンターを共有する、ユニバーサルプリントへの対応も進んでいます。クラウドへの移行をスムーズに行えるほか、インターネットに接続した状態で Azure AD で認証を行えばどこからでも印刷できるなど、利便性が高まりました。

さらにExcelでの編集機能についても信頼性が向上しており、国際文字が含まれる会社名のサポートや、エラー発生要因となっていたFlowField の処理まで、改善されました。

対応可能な国や地域がさらに拡大

Dynamics 365 Business Centralのリリース後、現在までに対応可能な国や地域がさらに拡大されています。2021年の4月と7月の2回に渡って対応が行われ、対象となったのは計17ヵ国です。

4月に拡大完了した国はギリシャ、インド、ルーマニア、トルコの4ヵ国で、その後7月にはアルジェリア、バングラディシュ、エジプト、ケニア、レノバン、ルクセンブルク、マルタ、モロッコ、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、スリランカ、チェニジアの13ヵ国が追加されました。

Dynamics 365 Business Centralは世界中の中小規模企業が多くのことを実現できるように拡大を続けています。

支払業務や取引先とのやり取りもスマート化

財務管理に関連する機能も、財務業務や会計業務でのパフォーマンスが継続的に向上するように改善されました。

間違って転記された口座調整の取り消しや、新たな口座調整の実行機能が口座取引明細書ページに追加されたことなどが一例です。

さらに明細書番号の変更についての操作などもスマート化され、操作性がよりシンプルに改善されています。

取引先とのやり取りもスマート化され、フロックビューの取引先担当者リストページから詳細情報の確認が行えるようになりました。取引関係から関連する顧客情報、仕入先、所属している従業員についての情報を直接閲覧したり、編集したりできます。また、取引先担当者との会話履歴にもアクセス可能です。

そのほか、さまざまな利便性が向上

リリースによってほかにもパフォーマンス向上、利便性の向上、印刷機能の強化が行われました。

モバイルアプリ(スマートフォン・タブレット)およびTeamsアプリからのクラウド印刷が有効になったこともその1つです。

ほかにも口座取引詳細ファイルインポートの簡略化や、在庫ドキュメントの調整機能、分析コードの修正など細かい微調整含めて改善が実施されています。

導入・運用にはコンサルティング会社のサポートが有効

Dynamics 365 Business Centralを本格導入する際には、運用コンサルティングのサポートを受けることも有効です。コンサルティングサポートを行っている一例として、株式会社パシフィックビジネスコンサルティング(PBC) のサービスを紹介します。

PBCが独自開発した業種別のアドオンソリューションは低コスト・短納期で、自社に適したシステム導入が可能です。製造業向けの「NAV-MANUFACTURING」、卸売・貿易業向けの「NAV-TRADE」、保守サービス業向けの「NAV-MAINTENANCE」流通・小売業向けの「NAV-RETAIL」に分かれ、業種ごとに有効なソリューションを導入サポートしてくれます。

日本だけでなく、中国・香港・タイ・ベトナムでの商習慣にも対応していることもポイントです。

まとめ

企業が行うすべての業務をサポートするDynamics 365 Business Centralは、年々リリースを重ねて機能の追加や強化、改善を行っています。グローバルに対応しており、複数拠点での運用がスマートに行えます。

また、アプリケーションを導入するときはコンサルティングサポートを活用することで自社の業種に適したシステムが実現します。

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