RPA導入で管理業務を効率化できる領域と適用例

 2021.01.29  BizApp チャンネル編集部

RPAを活用することで、ほとんどのデスクワーク業務を自動化できます。しかし自動化と言ってもどのような業務領域に適用できるのか疑問に思われる方も多いでしょう。そこで本記事では、RPAの仕組みや、実際の業務での実用例について詳しく説明していきます。

RPA導入で管理業務を効率化できる領域と適用例

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RPAとは

「RPA」とは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字をとった略称です。伝票の記帳、請求書作成、電子書類の整理といった定型作業を、ルールエンジンを備えたソフトウェア型のロボットが代行・自動化するシステムを指します。

RPAはシステム画面上で登録した業務を、ブラウザやアプリケーションを横断して自動化できるのが大きな特徴です。その特徴から「デジタルレイバー」や「仮想知的労働者」とも呼ばれます。

RPAをわかりやすく例えるなら、Excelの「マクロ」に似たシステムといえます。RPAとExcelのマクロに共通しているのは定形作業の自動化です。マクロはExcel内でのデータ集計や分類、シートの印刷など、さまざまな作業を自動化する機能を指します。

Adobe製品で例えるなら、PhotoshopやIllustratorなどの「アクション」が同様の機能です。Excelのマクロと、PhotoshopやIllustratorのアクションは、それぞれのアプリケーション内でしか実行できません。RPAはアプリケーションだけでなく、ブラウザやクラウドをも横断し、コンピュータ内のあらゆる業務を自動化します。

日本は人口の減少と少子高齢化も相まって、多くの企業が深刻な人材不足に陥っています。RPAによって定形業務を自動化できれば業務効率が飛躍的に向上し、人材不足を補うことが可能です。このような背景から、RPAは製造、流通、販売、金融、不動産、医療など、さまざまな分野で導入が進んでいます。

RPAとAIの違い

一見RPAとAIは似ていますが、両者の相違点を端的に言えば「自己学習能力」の有無です。RPAは人間が作成したルールに基づいて作業を実行します。一方、AIはシステム自身が自己学習機能をもって分析し、自律的な判断が可能です。

RPAは寸分の狂いもなく命令通りにシステムを実行できるシステムですが、自律的な情報処理能力は有していません。AIは自ら能動的に考え、最適解を導き出せるシステムであり、その精度も人間よりはるかに速く、正確という特徴をもちます。RPAは手作業の代替システムであり、AIは頭脳の代替システムと言い換えることができるでしょう。

RPAはAIに劣っているように思われるかもしれませんが、そうではなく、得意分野が違っているのです。RPAは書類の作成や整理といった定形作業の自動化を得意とします。たとえば、見積依頼を受けた場合、Excelを開いて対象商品のデータを収集し、特定のフォーマットに従って見積書を作成するといった作業を自動化します。従来は人の手で行っていた定型的な業務の効率化・自動化に最適なのがRPAです。

AIは自律思考によって、業務全体の統括管理や最適化を実現します。前述した見積書の作成を例に挙げると、RPAは設定された手順で見積書の作成はできても、業務そのものの効率化はできません。AIは業務フローの改善や提案、顧客が求めるデータを予測しそこから最適な書類を作成するなど、業務そのものを統括的に管理して最適化します。つまり、RPAは戦術を効率化するツールであり、AIは戦略を最適化するシステムといえるでしょう。

RPAの適用例

RPAは定型業務の効率化と自動化に特化したシステムです。現在、多様な分野で導入が進み、さまざまな部門において業務効率化に貢献しています。ここでは、RPAを導入することで得られるメリットについて、具体的な事例を交えながら解説します。

経理部門の事例

経理の仕事は、企業のキャッシュフローを数値化して正確に管理することです。企業は利益や資産など、お金の流れを可視化して管理しなければなりません。したがって、経理部は企業のキャッシュフローを把握するために不可欠な部門といえるでしょう。主な業務は売上管理や仕入管理、資産管理や給与・保険の管理などが挙げられます。

RPAを導入することで、売掛・入金管理や買掛・支払管理といった業務を自動化します。たとえば、データベースに保存されている債権情報や入金情報に従い、回収予定表の作成や入金消込といった作業を自動処理します。企業の資産情報から、減価償却仕訳入力や税務署へ提出する申告書の自動作成なども可能です。また、交通費の請求に対して妥当性を確認するために、Webブラウザを開いて移動距離の調査をするといった作業の自動化も行えます。

人事部門・総務部門の事例

優秀な人材の確保は、多くの企業にとって重要な課題といえます。人事部は、重要な経営資源である人材の採用・育成と労務管理を行う部門です。人事評価制度の設計や運用、社員研修など、人材に関するさまざまな業務を担当します。

また2019年4月から「働き方改革関連法」が施行され、時間外労働に関する規制が厳しくなったこともあり、労務管理や勤怠管理の重要性が見直されています。

RPAは人事部門の業務効率化に大きく貢献します。たとえば、過重労働となった従業員および管理者に対するメール通知を自動化します。労務管理を自動化することで、過重労働を見逃すことなく管理できるでしょう。また、人事部門の重要業務である人事考課表作成や、考課結果の一覧作成や回収といった業務を自動処理します。各種データベースから必要な情報を収集することで、経営向けレポートの作成も可能です。

営業販売部門の事例

営業部は企業の販売活動を行う部門として不可欠な存在です。どれだけ優れた製品やサービスがあっても、営業努力なくして販路の拡大は見込めません。営業部は顧客や取引先への対応が主な業務であり、販売活動やクロージング、メール対応やアポイントメント管理などを行います。

RPAは、販売状況調査や見積作成、メール受注業務といった定形業務を自動化します。また、顧客や取引先が運用するWeb-EDIに登録された注文内容を、自社の基幹システムへ登録するといった作業の自動化も可能です。

事業活動において最も重要なのは顧客満足度の最大化です。営業活動における定形業務を自動化することで、顧客対応にフルコミットできます。それにより、顧客の要望や潜在的ニーズが可視化され、顧客満足度向上につながるでしょう。

購買部門の事例

購買部門の役割とは、事業活動に必要な資材や商品を外部から調達することです。つまり、生産計画に従い、必要な資材を必要なタイミングで供給できるように仕入れることを意味します。企業が継続的に利益を生み出していくために不可欠なのが購買戦略です。いかに品質の高い資材を、いかに低い単価で仕入れるかが求められます。

優れた購買戦略の構築には情報収集が不可欠です。購買部門は仕入先との友好的な関係を構築するために、打ち合わせや交渉などさまざまな対応に追われます。RPAによって発注書のような定形的なやり取りを自動化することで業務負担を軽減できるでしょう。また、RPAによって得た情報を一定のルールに従って選別することも可能です。情報の取捨選択を自動化することで業務効率向上を実現します。

まとめ

現在、多くの企業が人材不足という課題を抱えています。RPAは定形業務を自動化し、業務効率向上に貢献するシステムです。人材不足を補いつつ組織全体の労働生産性を高めるとして、さまざまな分野で導入が進んでいます。自社の業務プロセスを最適化するためにも、RPAの導入を検討してみてはいかがでしょう。

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