プロジェクト会計にERPを使う理由とは?

 2018.06.18  BizApp チャンネル編集部

プロジェクトの赤字は当然ながらないほうが良いに決まっています。一部の大企業では赤字プロジェクトを前向きに捉えて補填予算を組むという場合もありますが(赤字プロジェクトの何が悪い!次なる飛躍に向けて、あえてリスクを取るSI)、あくまで資本力の高い大企業ならではでしょう。中小企業やベンチャー企業にとって一度の赤字プロジェクトが致命傷になりかねません。

しかし、現実にはプロジェクトが完了して蓋を開けてみれば赤字だったというケースは少なくないでしょう。この原因の多くはプロジェクト会計を実施しておらず、プロジェクトの収支を管理できていないことです。

プロジェクト会計は企業独自に取り組むことができる管理会計の一種なので、プロジェクト担当者が工夫しながら独自のしくみで行うことも多いでしょう。しかしながら、ERPを活用するとより高い精度でプロジェクト会計を実施することができます。今回は、その理由についてご紹介しましょう。

プロジェクト会計とは?

一般的な会計は財務会計と管理会計に分かれます。財務会計とは経営情報から貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を中心とした財務諸表を作り、外部にその情報を開示するための会計業務です。企業は投資家や株主に対して経営情報を開示する義務があり、そのための業務が財務管理になります。

一方、管理会計とは自社の経営状況を適切に把握して経営計画や事業計画に反映するための会計業務です。管理会計は実施する義務がないため、企業ごとにルールが違うとともに、実施していない企業もあるでしょう。

ではプロジェクト会計はどうかというと、分類としては管理会計に該当します。実施する義務はありませんし特定のルールも存在しません。個々の裁量による「プロジェクト収支を管理するための会計業務」なのです。共通していえる取り組みとしては、プロジェクトにかかっている原価を計算してプロジェクト単位での収支のバランスを保つことです。

プロジェクトのかかる主な原価とは次のようなものです。

直接材料費

主要材料費(原料費)、購入部品費

直接労務費

直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する)

直接経費

外注加工費、間接材料費、補助材料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費

間接労務費

間接作業賃金、間接工賃金、手待賃金、休業賃金、給料、従業員賞与手当、退職給与引当金繰入額、福利費(健康保険料負担金等)

間接経費

福利施設負担額、厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、電力料、ガス代、水道料、租税公課、旅費交通費、通信費、保管料、たな卸減耗費、雑費

原価計算基準より抜粋)

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プロジェクト会計は管理会計とのつながりが大切

プロジェクト会計へ取り組むにあたって大切なことは、管理会計と紐づけて取り組むことです。たとえばソフトウェア開発会社の収益源はほとんどがプロジェクトから発生しています。そのため、プロジェクト会計を実施することで自然と管理会計が実施され、企業の経営状況を可視化できます。ただし問題もあります。

それが「プロジェクトごとに会計ルールが違う」という点です。初歩的なプロジェクト会計ではExcelで管理されることが多いですが、そこではプロジェクト会計担当者ごとに会計方法が違うことも多くなります。この問題はルールを設定しても解決が難しい傾向にあります。Excelでの管理では自由度が高いため、ルールを逸脱して自身がやりやすいように会計してしまう人がいたり、入力フォーマットを決めても解釈の違いでばらつきが出てしまったりするからです。

結果として、プロジェクトごとに異なる会計データを収集しても、それを統合し意味あるデータとして可視化できるように加工するだけでもかなりの時間を費やします。そのため、企業としての会計管理はリアルタイムな会計情報を確認できず、さらにそれに基づいて意思決定を下すと間違った判断をしかねません。

だからこそ、プロジェクト会計は管理会計とのつながりを意識し、そのルールを設定したりプロジェクト会計のためのツールを導入することが大切です。

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プロジェクト会計に特別な仕組みは要らない

プロジェクトごとに会計ルールが違うという問題を解消するために、特別な仕組みを用意する必要はありません。厳しいルールを設定せずとも、適切なプロジェクト会計が実施できます。そのためにERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズリソースプランニング)があると、プロジェクト会計のための基盤を簡単に導入できます。

ERPとは「統合基幹業務システム」のことであり、様々な基幹業務を担当するシステムを統合したプラットフォームです。たとえばマイクロソフトが提供するDynamics 365は次のようなシステムを統合しています。

セールス…営業活動を効率化し成約率をアップする

カスタマーサービス…顧客満足度を向上するための顧客管理

フィールドサービスフィールドサービスの生産性向上を支援する

タレント…タレントマネジメントの観点から人事管理を実施

ファイナンス&オペレーション…財務会計と管理会計の実施、サプライチェーンの自動化

リテール…一貫したショッピングエクスペリエンスを提供する

プロジェクトサービスオートメーション…プロジェクト管理と収支の管理を徹底する

マーケティング…リード(見込み客)獲得と育成を実現する

企業はこれらのアプリケーションを統合的に導入したり、特定のアプリケーションを導入することができます。もちろんプロジェクト会計を実施するための機能も備わっているため、特別な仕組みやルールを作らずとも一貫した管理会計が行えます。

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クラウドERPを利用するメリット

Dynamics 365はクラウド型のERPです。企業はブラウザ経由でシステムを利用するため、インターネット接続環境とパソコンがあれば導入できます。クラウドERPはプロジェクト会計をスムーズに取り入れられるだけでなく、以下のようなメリットもあります。

①インフラ調達が不要

通常、ERPのような大規模なシステム環境を構築するためには新たなインフラ調達や構築が欠かせません。初期投資のほとんどはこのインフラにかかると言っても過言ではないくらいです。一方クラウドERPは特別なインフラは不要なので、調達にかかるコストや期間を大幅に削減できます。

②運用が楽になる

ERPで良く問題視されるのがシステム運用です。大規模なシステムを運用するためにはそれ相応のリソースが必要です。それに対しクラウドERPはベンダー側がシステム運用を行うため、ユーザー企業はアカウント管理やセキュリティ管理に徹底して運用が行えます。運用に割くリソースが従来よりも少なくなるため、その分のリソースを様々な所に配賦できるでしょう。

③いつでもどこでも経営状況を可視化

クラウドERPはブラウザ経由で利用するシステムなので、アクセスする場所や端末を選びません。たとえば外出中の経営者がリモート環境でクラウドERPにアクセスして、経営状況を確認することもできます。もちろん、営業や経理などの部門ユーザーも場所や端末を選ばない利用ができるため、従来のシステム環境に比べて業務効率が格段に上がるでしょう。

今後プロジェクト会計に取り組もうとしている企業、既に取り組んでいるが上手くいっていないという企業は、この機会にクラウドERP並びにDynamics 365でのプロジェクト会計にぜひご注目ください。

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