ERP

ERP導入目的の一つである統制とは?

ERP(Enterprise Resource Planning)を導入することで、今まで分断されていたシステム環境を1つに統合して情報活用を促進したり、部門間の連携を高めたりと様々な経営効果をもたらすことができます。クラウドERPの登場やアドオン開発の必要性が低くなったことで、中小企業でもERPを導入するケースが急増しています。

そんなERP導入で忘れてはいけないことが「統制」です。つまり、ERPを用いて経営効果を狙うための運用だけではなく、ERPを導入することで統制をとることも大切だということになります。本稿ではERPの統制についてお話します。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

統制とは何か?

「統制」という言葉よりも「ガバナンス」という言葉の方が耳慣れている方が多いでしょう。2006年に日本版SOX法が施行されてから、ガバナンスへの関心度が飛躍的に高まりました。ではガバナンス(統制)とは一体何を指すのでしょうか?

ガバナンスを統制以外の言葉に言い換えると「統治、支配、管理」という意味になり、政治的には「国、地方、団体をまとめ上げて治めるというニュアンスを持っています。ビジネスにおけるガバナンスは一般的に「コーポレートガバナンス(企業統治)」を指すでしょう。

組織内部の何を統治するかというと、それはコンプライアンス違反に値する行為や事件を発生させないために、規則や倫理を作って管理体制を整えることです。

コンプライアンスとは?

ガバナンスに並んで「コンプライアンス」という言葉もよく耳にしますね。「法律を守り従うこと」という意味です。さらに最近では、法律だけでなく企業倫理や企業規則を守るという意味も含まれます。

人に法律があるように、企業にも法律や規律があります。たとえば株主や顧客、取引先などの利害関係者(ステークホルダー)に会社の経営状況を報告するための財務会計ですね。これは、行政が実施を義務付けている会計業務であり、怠ったり虚偽の情報を報告することは法律違反にあたります。

企業には不正を働くきっかけが常に存在するので、それらを重大なリスクだと認識し、法律に違反するような行為が発生しないように規則を作ったり管理体制を整えるための活動をコンプライアンスと呼ぶのです。

そしてこのコンプライアンスを実現するための具体的な活動をガバナンスといいます。

ERP導入がガバナンスに有効な理由とは?

ERPとは本来、情報活用を促進したり部門間の連携を高めたりと様々な経営効果を得るための統合システム環境です。そのERPはなぜガバナンスに有効なのでしょうか。

その最大の理由は「統合システム環境によって情報資源が一元的に管理されることやプロセスが平準化することで不正や外部要因によるリスクを回避することができるため」です。

財務会計システムや生産管理システムといった基幹系システムと、原価管理システムや営業支援システムといった情報系システムを複数統合しているERPは、その特性から情報活用を大幅に促進することができます。そしてERP導入目的の一つである単一データベースや平準化されたプロセスで企業を統治することができるため業務全般を統治できるのです。

ERPガバナンスを実行するには

ERPベンダー側の言い分としては「ERP導入によって高水準なコーポレートガバナンスを実現できる」ことを訴求しています。ERPでシステム環境を統合することでコーポレートガバナンスをより強化できます。ただし、その一方でERP自体のガバナンスに注意しなければいけないのも事実です。そのポイントについて解説します。

細かいセキュリティポリシーとアクセス権限設定

ERP導入後にまず実行していただきたいことがシステム全体へのセキュリティポリシーの設定と、アクセス権限の設定です。ERPは統合システム環境のため、アクセス権限さえあれば誰でも組織全体のシステムにアクセスすることができます。これは不正による情報漏えい等の危険はもちろん、誤操作による情報漏えいや情報損失といったリスクが大きいため、即座に設定すべき項目です。ただし忘れがちな部分でもあるため注意しましょう。

セキュリティシステムを強化する

ERP導入に際してこれまで構築していたセキュリティシステムに大幅なアップデートを加える必要性もあります。ERPを導入したことで経営最適化を図れたとしても、セキュリティリスクは依然として変わりませんし、環境によっては従来よりもセキュリティリスクが増してしまいます。そのためセキュリティシステムを強化し、ERPをより堅牢に守ることが大切です。

責任意識と倫理観を持たせる

ERPは組織的に導入するシステムですので利用ももちろん組織的です。組織全体の従業員が同じような認識を持ってERPの利用にあたる必要があります。その際に欠かせないのが各従業員に責任意識と倫理観を持ってもらうことです。ERPが大規模なシステム環境であり、ちょっとしたミスが組織全体に影響することを理解させ、適切な利用を心掛けるように倫理観を持たせるような教育を行います。

以上のポイントを押さえることでERPガバナンスは強化されます。

Dynamics 365で強いガバナンスを手にする

ERP導入によってシステム環境が一元的になり、プロセスを統一化してシステム運用管理負担が軽減することはERPのメリットの1つです。そして、グローバルレベルでのガバナンス強化を図ることも可能になります。

クラウドERPのDynamics 365はマイクロソフトが提供するクラウドERPであり、国内の堅牢なデータセンターにてシステムが運用されています。クラウドERPなので導入のために社内インフラを整える必要はありません。必要なのはインターネット環境とDynamics 365を利用する端末です。インターネット経由でサービスが提供されるのでシステム運用負担も無いのです。

Dynamics 365でERPガバナンスを強化できる理由は、ERPであるということに加えて、堅牢なデータセンターにて最高のセキュリティ体制でシステムが保護されていることです。データセンターは国内にあり、2つのリージョンで管理されています。「データを海外に持ち込めない」というセキュリティポリシーを持つ企業でも安心して使用できます。

もう1つの理由はシンプルかつ分かりやすい管理インターフェースです。マイクロソフト社製品なので世界中のビジネスパーソンにとって使いやすいインターフェースを持っており、セキュリティポリシーの適用やアクセス権限設定といった管理も直感的に行えるのが特長です。

これらの理由からDynamics 365を導入することで、ERPによる経営効果を最大限引き出しつつ特別な体制やシステム導入無くERPによるガバナンスを強化することができます。

加えてOffice 365やWindows 10、Power BIといったマイクロソフト社製品とシームレスに連携するため、企業全体の業務効率やコミュニケーション力を大幅に向上させることもできます。ERP導入を検討される際は、ぜひDynamics 365にご注目ください。

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