ERPの海外展開における課題と対応策

 2017.12.25  BizApp チャンネル編集部

ERPを海外展開する上で大切なことは、海外展開の課題を理解し、その対応策を考案・実施することです。本社やグループ会社へのERP導入に成功した企業でも、海外展開で成功するとは限りません。なぜなら、国内で得たERP導入ノウハウは、海外ではまったく通用しないことも少なくないためです。

ちなみに、ERPの海外展開では次の9つの課題があります。

ERP海外展開の課題

  1. 世界規模でのリアルタイムな情報共有が難しい
  2. 拠点独自の管理、システム運用で非効率がまかり通っている
  3. 低コストかつ短期間で無駄のない海外進出がしたい
  4. 現地の法規制、会計制度、税務報告書、言語、通貨へ対応しなければならない
  5. 拠点のコンプライアンス問題を本社が把握できない
  6. 事業・拠点拡大に合わせて拡張可能なシステムが必要
  7. 海外拠点を含めたグループ全体の販売状況を可視化したい
  8. 複数通貨をまたいだ決算処理を高速にしたい
  9. 顧客サポートを世界規模で管理し、顧客満足度を向上したい

いかがでしょうか?上記課題を見るだけで「国内でのERP導入とは違う」と感じた方が多いのではないかと思います。今回は、それぞれの課題を解説しつつ、その対応策について紹介していきます。

世界規模でのリアルタイムな情報共有が難しい

海外拠点の販売データ、会計データ、顧客データ、生産データといった数々のデータは、現地独自のシステムやExcelで管理されています。本社側がこれらのデータを取得したい場合、現地担当者に連絡し、必要なデータを集約します。それらのデータをExcelに起こして、加工し、分析可能な状態にしなければなりません。にも拘わらず、海外拠点から収集したデータは正確さが担保されていません。

現地担当者とのコミュニケーションのずれによって、必要なデータとは別のものが手元に届くことも少なくないためです。さらに、データの加工には日数がかかるので、1ヵ月前の古いデータを参照にしているのが当たり前です。

拠点独自の管理、システム運用で非効率がまかり通っている

本社と海外拠点でシステムが統合されていないと、現地では拠点独自のシステムが導入され、独自の管理・運用が展開されます。こうした拠点独自の管理・運用では、業務の非効率がまかり通っていることが少なくありません。

こうした状況を脱するために本社のIT技術者を派遣しますが、そこにかかるコストも手間も、決して小さなものではないのです。

低コストかつ短期間で無駄のない海外進出がしたい

ERPの海外展開をするにあたって、海外拠点のリソースを考慮すれば、低コストかつ短期間で無駄なのない海外進出をすることが大前提です。特に中小企業では海外展開のスピードが命と言ってもいいので、それに則したERPを導入する必要があります。

本社に導入している大規模ERPでは、コスト・運用面から現地にフィットしない可能性が高く、大きな負担となってしまいます。導入スピードが鈍化することも、ERPの海外展開では致命的です。

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現地の法規制、会計制度、税務報告書、言語、通貨へ対応しなければならない

当然のことではありますが、ERP海外展開では現地の法規制、会計制度、税務報告書、言語、通貨など様々なものに対応しなければなりません。日本のそれとはまったく違うものなので、本社ERPがそのままフィットすることは非常に稀でしょう。

海外拠点のコンプライアンス問題を本社が把握できない

コンプライアンスによる企業信頼の維持が重要視されている中、海外拠点のコンプライアンス問題が可視化できないという実情があります。さらに、本社のコンプライアンスを適用しようにも、現地には現地のやり方があると、反発されることも少なくありません。こうした状況を脱するためには、海外拠点のコンプライアンスを可視化し、現地の事情を理解した上で、コンプライアンス問題へと取り組む必用があります。

事業・拠点拡大に合わせて拡張可能なシステムが必要

海外ビジネスが軌道に乗れば、事業や拠点の拡大は、当然ながら実行されていきます。しかし、その拡大にシステムが追いつかない、という状況も少なくありません。例えば導入したERPがカスタマイズができず、独自にカスタマイズを施した場合、バージョンロックしてしまうなどの問題があります。海外ビジネスの拡大を図るのであれば、ERP導入初期から将来のビジネス拡大を意識した、ERP選択をしなければなりません。

海外拠点を含めたグループ全体の販売状況を可視化したい

経営者として、海外拠点を含めたグループ全体の販売状況を可視化したい、という要望は当然のものです。ERPは、この要望に応える必要があります。そのためには、本社と海外拠点の情報共有をリアルタイムに行えるERPが必要です。

複数通貨をまたいだ決算処理を高速にしたい

国が異なれば通貨も異なります。しかし、決算処理ではすべての情報を一つにまとめなければなりません。海外拠点を持つ企業が連結決算を行うためには、まず海外拠点の決算情報を取得します。前述の通り、データ取得だけでかなりの時間を有するので、この時点で業務に遅延が生じます。

さらに、データを取得してから為替レートを確認しつつデータを加工していくので、この作業にも時間がかかるでしょう。こうした状況を打開するような、複数通貨をまたいだ決算処理の高速化が非常に重要です。

顧客サポートを世界規模で管理し、顧客満足度を向上したい

「カスタマー・エクスペリエンス」という言葉をご存知でしょうか?これは、製品やサービスを通じて顧客が得る体験に重点を置き、その体験を改善することで、商品価値やサービス価値を高めるという取り組みです。カスタマー・エクスペリエンスは世界規模で重要視されている取り組みであり、海外拠点においても取り入れることが大切です。

しかし、海外拠点の顧客サポートの現状を、可視化できず、管理できないという問題があります。

ERP海外展開の課題を解決するクラウドERPのススメ

今回、ERP海外展開における9つの課題を解説しましたが、これらの対応策として今最も有効なのが「クラウドERP」です。クラウドERPは、インターネット経由で提供されるERPであり、導入企業は社内インフラを整える必要なくシステムを利用できます。

このため、低コストかつ短期間での導入を実現します。本社ではクラウドERPにリプレースするか、2層ERPとして導入することで海外拠点との情報共有を容易にするので、あらゆる情報をリアルタイムに共有できる環境を整えられます。

この他にも現地の法規制や言語などに対応したり、多通貨に対応しているクラウドERP製品もあるので、ERP海外展開におけるほとんどの課題を、解決することができるでしょう。

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まとめ

スピードが重要なERP海外展開で、失敗は許されません。ERP導入に失敗するということは、それだけビジネスの停滞を生みます。そうした失敗を回避し、かつERP海外展開の課題を解決するために、クラウドERPが有効です。クラウドを利用することでセキュリティ面での不安を覚える企業もいるかもしれませんが、実はクラウドを利用するほうが、セキュリティ対策を強化できるケースが少なくありません。ERP海外展開の際は、クラウドERPをぜひご検討ください。

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