バージョンアップできないERPの課題とリプレースのススメ

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 2017.10.06  Dynamics 365編集部

ERPの多くがバージョンアップされずに塩漬けされた状態です。「塩漬けされたERP」とは、長年アップグレードや改修がされず、そのまま使用し続けられているERPを指します。実は、世界的に見ても塩漬け状態のERPは少なくありません。米国リサーチ会社であるForrester Researchによると、約50%のERPが4年以上塩漬け状態にあるという調査結果が報告されています。 

引用:Trends 2011: ERP Customers Demand Better Flexibility, Cost Transparency, And Mobility 

日本国内においても、ERPの塩漬け状態は深刻な問題として、度々取り上げられています。ビジネスのスムーズな進行と、情報資源をもとにした経営を推進するためのERPが、ビジネスの停滞を生んでしまっているのです。 

今回は、なぜ塩漬けされたERPが生まれてしまうのかを解説し、その課題やリプレースについてご紹介します。 

バージョンアップできないERPが生まれる3つの理由

1990年代後半のERP流行以降、ERPを導入したすべての企業が塩漬け状態にあるわけではありません。先に紹介したデータでは、約50%のERPが4年以上の塩漬け状態にあるとしていますが、それは反対に、50%のERPは塩漬け状態にないということです。

では、塩漬けされたERPはなぜ生まれてしまうのでしょうか?ここで、その3つの理由について紹介します。 

バージョンアップや改修にかかるコスト

SAPやOracleといった、大規模なERPを社内全体に導入すると仮定すると、数億円から数十億円のコストがかかると言われています。2009年の米国CIOマガジンによると、SAP導入コスト(推定)の平均は1,700万ドル(約18億1,000万円)かかり、Oracle導入コスト(推定)の平均は1,300万ドル(14億3,500万円)かかります。

こうしたERPの導入コストはIT予算が豊潤な大企業であれば大した問題ではなかった時代もありましたが、今は現実的ではないと言えるでしょう。

そして、これらのライセンス費用に対する保守費用やサポート期間終了に伴うバージョンアップ費用など多くのコストがかかってしまい維持するだけでも大変なことになってしまい多くの企業では大きな課題となっています。

シングルインスタンス実現にかかる時間

ERP普及当時に流行した言葉の一つが「シングルインスタンス」です。本社はもちろんのこと、グループ企業や海外拠点を含め、単一リソースでの業務システム構築、という意味を持ちます。しかし、このシングルインスタンスを実現するためには、あまりにも多くの時間を費やさなければなりません。

本社のITスタッフは国内支社や海外拠点でのERP導入に時間を費やすことになり、かつ本社のERPバージョンアップや改修にも並行して対応しなければなりません。こうして、恒久的な人材不足が発生します。 

さらに、ERPのシングルインスタンス実現のために時間をかけることで、企業は急激に変化していくビジネスへの対応が出来なくなってしまいます。 

これらの要素から生じる高いリスク

上記のような大規模ERP導入では、莫大なコストと時間がかかります。このコストと時間は、ERP導入におけるリスクです。たとえシングルインスタンスの実現を成功させたとしても、新たな部署追加や総勘定元帳の変更などを行う際に、何十もの項目に変更を加えなければなりません。 

こうした問題が、ERP導入企業が日常的に直面しているものであり、塩漬けされたERPが生まれてしまう理由です。 

塩漬けされたERPの課題とリプレース

上記のような理由により塩漬け状態となったERPは、どのようにしてその状態から脱すればいいのでしょうか?一度塩漬けされたERPを、もとの状態に戻すことはほとんど不可能です。導入時とまではいかずとも、これにもかなりのコストと時間がかかります。

そこで、有用な選択としてERPのリプレースがあります。つまり、まったく新しいERPを構築するということです。一度ERPを塩漬けしてしまった経験をもとにERPを構築すれば、グループ会社や海外拠点にも適したERPの選択と、最適な導入へと近づけます。

リプレースにおすすめなクラウド型ERP

SAPやOracleなど、大規模ERPの導入で塩漬け状態になってしまった企業におすすめなのが、クラウド型ERPです。これは、ERPという大規模なシステム群を、インターネットを経由してサービスとして提供するERP製品です。 

つまり、導入企業は社内インフラを構築することなく、新しいERP環境を手にすることができます。 

クラウド型ERPの導入をおすすめする最大の理由は、その導入コストと導入スピードにあります。サービスとして提供されるERPの場合、数億円から数十億円の導入コストは不要で、数百万円からの導入が可能になります。環境によっては、もっと低コストで導入できるかもしれません。

導入スピードに関しては、オンプレミスに比べて遥かに迅速です。サーバ調達もソフトウェアインストールも、大量のパラメータ設定もありません。必要なのはインターネット接続環境とPC、さらに月額費用です。 

圧倒的なスピードでERPを導入できるので、ビジネスの急激な変化にも対応しつつ、グループ全体で単一管理が可能な、ERPを構築することができます。

Microsoft Dynamics 365でリプレース

クラウド型ERPのMicrosoft Dynamics 365は、ERPとCRMが完全に統合された業務アプリケーションを提供します。 また、ハイブリッドクラウドに対応しているためオンプレミス環境が望ましい場合にはオンプレミスなど使い分けができることも特徴の一つです。

Microsoft Dynamics 365ならば、ERPのリプレースは迅速です。既存ERP環境を廃止して、新たなERPを導入するのに多くの時間は有しません。また、部分的なリプレースを検討する際にもモジュールごとに導入することが可能なため柔軟なこともメリットの一つと言えるでしょう。

まとめ

塩漬け状態になったERPは、一刻も早く現状を変えなければ、問題は深刻化するばかりです。ビジネスはさらに停滞し、継続した利益を生み出すことが難しくなるでしょう。もしかしたら生産性を高めるために導入したERPが、塩漬けされたことで逆に生産性を低下させている原因になっているかもしれません。

こうした問題を解決するためにも、ERPのリプレースをぜひご検討ください。ERP環境を本来あるべき姿に戻り、ビジネスの加速と、利益を生み出す環境構築を実現しましょう。

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