輸出管理とは?一般的な業務について解説

 2020.09.30  BizApp チャンネル編集部

海外への輸出はどの企業にも許された権利です。しかしながら、いかなる製品も輸出して良いものではなく「輸出管理(安全保障貿易管理)」の規定に従って輸出製品の許可を受ける必要があります。日本の輸出管理は外国為替及び外国貿易法(外為法)によって基本的な枠組みが定められており、政令によって規制貨物リストと規制技術リスト、そして省令によって規制品目のスペックが定められています。

本稿ではこの輸出管理の基本について解説していきます。輸出管理に違反すると「懲役10年以下又は、罰金10億円のどちらか。又はその両方」が課せられる重い罪です。知らずのうちに輸出管理違反にならないよう、この機会に知見を広げておきましょう。

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輸出管理とは?

改めて輸出管理について解説します。まずは、一般財団法人安全保障貿易情報センターが定義する輸出管理について確認してみましょう。

“安全保障貿易管理とは、国際社会における平和と安全を維持するため、武器そのものを含め、軍事転用可能な民生用の製品、技術などが、大量破壊兵器の開発を行っている国家やテロリスト(非国家主体)の手に渡らないよう、輸出規制を行うことを指します。”

出典:安全保障貿易管理の重要性(https://www.cistec.or.jp/export/yukan_kiso/anpo_jyuuyousei.html)

日本は世界的に見て、貧困も紛争も少ない平和な国です。しかし世界では、激しく変化する国際社会において、テロリストによる侵攻や大量破壊兵器の開発など安全保障をめぐる問題が深刻化しています。そして日本製品の多くには高度な技術が使用されていることから、国際的に規制対象となる国や組織への流出がないよう対策が求められています。仮に、知らずのうちに違法となる輸出をしてしまった場合、テロ組織や核開発等に加担しているとみなされる場合もあるのです。

そうした事態を防ぐために敷かれているのが輸出管理であり、主に「リスト規制」と「キャッチオール規制」によって輸出品目が規制されています。リスト規制では「兵器そのものや兵器開発に利用される可能性の高い汎用品」などの15品目をリストアップし、キャッチオール規制では輸出を予定している製品のスペックが貨物等省令の仕様に該当するか否かで判定します。

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リスト規制とキャッチオール規制の確認フロー

輸出管理を行うための一般的な流れは、輸出する製品や技術がリスト規制に該当するかどうかを確認し、該当しない場合はキャッチオール規制にあたるかどうかを確認します。いずれかの規制にあたる場合は必要な書類を用意し、経済産業省に許可申請手続きを行わなければいけません。では、リスト規制とキャッチオール規制の確認フローを見ていきましょう。

<リスト規制の確認フロー>

<キャッチオール規制の確認フロー>

輸出管理の対象となるリスト規制品目

それでは、製品や技術を海外輸出する際には、具体的にどういった品目が規制対象になるのでしょうか?まずはリスト規制となる15品目を確認していきましょう。

リスト規制品目

詳細

武器

  • 銃砲・銃砲弾等
  • 爆発物・発射装置等
  • 火薬類・軍用燃料 他

原子力

  • 核燃料物質・核原料物質
  • 原子炉・原子炉用発電装置等
  • 重水素・重水素化合物 他

化学兵器

  • 軍用化学製剤の原料、軍用化学製剤と同等の毒性の物質・原料
  • 化学製剤用製造機械装置等
  • 反応器又は貯蔵容器の修理用の組立品等 他

ミサイル

  • ロケット・製造装置等
  • 無人航空機(UAV)・製造装置等
  • ロケット誘導装置・試験装置等 他

先端材料

  • ふっ素化合物製品
  • 芳香族ポリイミド製品
  • チタン・アルミニウム合金成形工具 他

材料加工

  • 軸受等
  • 数値制御工作機械
  • アイソスタチックプレス等 他

エレクトロニクス

  • 集積回路
  • マイクロ波用機器・ミリ波用機器等
  • 信号処理装置等 他

電子計算機

  • 電子計算機等

通信

  • 伝送通信装置等
  • 電子交換装置
  • 通信用光ファイバー 他

センサー等

  • 水中探知装置等
  • 光検出器・冷却器等
  • センサー用の光ファイバー 他

航法装置

  • 加速度計等
  • ジャイロスコープ等
  • 慣性航行装置 他

海洋関連

  • 潜水艇
  • 船舶の部分品・附属装置
  • 水中回収装置 他

推進装置

  • ガスタービンエンジン等
  • 人工衛星・宇宙開発用飛しょう体等
  • 人工衛星等の制御装置等 他

機微品目

  • 無機繊維他を用いた成型品
  • 波の吸収材・導電性高分子
  • 核熱源物質 他

その他

  • 粉末状の金属燃料
  • 火薬・爆薬成分、添加剤・前駆物質
  • ディーゼルエンジン等 他

輸出管理の対象となるキャッチオール規制品目

最後に、リスト規制品目には該当しませんがキャッチオール規制品目に該当し、輸出規制の対象となる可能性の高い品目をご紹介します。

品目

懸念される用途

1. リン酸トリブチル(TBP)

核兵器

2. 炭素繊維・ガラス繊維・アラミド繊維

核兵器、ミサイル

3. チタン合金

4. マルエージング鋼

5. 口径75ミリメートル以上のアルミニウム管

核兵器

6. しごきスピニング加工機

核兵器、ミサイル

7. 数値制御工作機械

8. アイソスタチックプレス

9. フィラメントワインディング装置

10. 周波数変換器

核兵器

11. 質量分析計又はイオン源

核兵器、ミサイル

12. 振動試験装置

13. 遠心力釣り合い試験器

14. 耐食性の圧力計・圧力センサー

15. 大型の非破壊検査装置

核兵器

16. 高周波用のオシロスコープ及び波形記憶 装置

17. 電圧又は電流の変動が少ない直流の電源 装置

18. 大型発電機

19. 大型の真空ポンプ

20. 耐放射線ロボット

21. TIG溶接機、電子ビーム溶接機

核兵器、ミサイル

22. 放射線測定器

核兵器

23. 微粉末を製造できる粉砕器

ミサイル

24. カールフィッシャー方式の水分測定装置

25. プリプレグ製造装置

26. 人造黒鉛

核兵器、ミサイル

27. ジャイロスコープ

ミサイル

28. ロータリーエンコーダ

29. 大型トラック(トラクタ、トレーラー、ダンプを 含む)

30. クレーン車

31. 密閉式の発酵槽

生物兵器

32. 遠心分離機

33. 凍結乾燥機

34. 耐食性の反応器

ミサイル、化学兵器

35. 耐食性のかくはん機

36. 耐食性の熱交換器又は凝縮器

37. 耐食性の蒸留塔又は吸収塔

38. 耐食性の充てん用の機械

39. 噴霧器を搭載するよう設計された無人航空 機(UAV)(娯楽若しくはスポーツの用に供する 模型航空機を除く)

ミサイル、生物兵器、化学兵器

40. UAVに搭載するよう設計された噴霧器

輸出管理を徹底するためのソリューションを

いかがでしょうか?輸出管理は非常に複雑な規制であり、しかりそれらが提示する課題をクリアしない限り安全な輸出による海外ビジネスは成り立ちません。そこでぜひ、輸出管理(安全保障貿易管理)を徹底するためのソリューションをご検討頂ければと思います。自社における輸出管理の状態を確認し、課題解決となる方法を模索していきましょう。

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