フィールドサービス

フィールドサービスを管理するメリット

Microsoft Dynamics CRM 自習書 フィールドサービス編

フィールドサービスとは

フィールドサービスとは現場で行われるサービス、いわゆる点検・修理・工事・配送などの作業を示す言葉です。近年このフィールドサービスの重要性が高まっているのにはいくつかの理由があります。

まず一つは、顧客にとって安心安全な製品保守を提供することで、満足度を高めていこうという認識が強まっていること。顧客が自社製品を購入した場合、その関係性は継続的に続きます。

製品に問題が発生した場合は現場に駆け付け修理を行ったり、定期的に点検を行うといった作業を通して関係性を築いていきます。そして顧客が求めていることは製品の品質以上に、安定して稼働するか否かです。

この点に着目してフィールドサービスを展開することで、顧客満足度を高め他社製品との差別化を図ることができます。

そして二つ目の理由は、フィールドサービス自体を自社が提供する「価値」と定めるビジネスモデルを展開する企業が増加しているころです。つまり、製品自体で収益を得ようとするのではなく、その後の継続的に発生するフィールドサービスで収益を確保するようなビジネスです。

もっと噛み砕いて言えば従量課金制のスマートフォンアプリのようなもので、アプリ(製品)自体は無料でもアイテム(フィールドサービス)を利用するためには料金が発生します。

こうした理由から、年々フィールドサービスの重要性は高まっているのです。

フィールドサービスが抱える3つの課題

重要性は高まりつつも、フィールドサービスには解決が難しい3つの課題が存在します。各課題を解決することが、最適化したフィールドサービスを展開するポイントとも言えるでしょう。

課題1.現場に持ち込む資料が多い

フィールドサービスを展開する全ての企業で、現場への資料持ち込みが義務付けられています。顧客情報、作業手順書(マニュアル)、設計図面など、印刷されたいくつかの資料を持ち込むのは現場作業員にとって大きな負担です。

また、持ち運ぶための労力はもちろん、資料を印刷するコスト、紛失するリスクも伴うので、ペーパレス化が急務となります。

課題2.リアルタイムな作業報告ができない

多くの企業では、フィールドサービスの作業報告書を帰社してから1日の終わりに作成します。しかしそれでは、タイムラグが発生するため正確な作業報告を行えていない可能性があります。

さらに、貴社してからの作業報告書作成は現場作業員にとっても大きな負担であり、無駄な残業時間を生んでしまう原因でもあります。

課題3.デバイスを携帯する負担が大きい

社外で行うフィールドサービスでは、PCやプリンタ、ハンディターミナルなど複数のデバイスを所持するケースが増えています。これらのデバイスを所持するのは現場作業員にとって負担であり、故障などのリスクもあるのです。

こうしたフィールドサービスが持つ課題を解決するためには、フィールドサービス管理ソリューションの導入が必要になります。

例えばMicrosoft Dynamics 365 for Field Serviceでは、モバイルデバイスでフィールドサービスに必要な資料をペーパーレス化したり、リアルタイムな作業報告を支援したり、所持する端末を単一化することができます。

フィールドサービスを管理するメリット

Microsoft Dynamics 365 for Field Serviceのようなフィールドサービス管理ソリューションを導入することで、他にどのようなメリットを得ることができるのでしょうか?

サービスの時間短縮とパフォーマンスの向上

フィールドサービスを展開する上で重要なのは、如何にサービスの時間短縮を行いパフォーマンスを向上させるかにあります。顧客側からしても迅速なサービスを受けることができれば、満足度は自然と向上します。

フィールドサービス管理ソリューションによって前述した課題が解決されると、現場での作業はもちろん、現場への移動などもスピーディになり、今までにない質のサービスを提供できるようになるのです。

効率的なルーティングやスキルマッチング

移動時間を短縮するためには「効率的なルーティング」を行うことが重要ですが、フィールドサービス管理ソリューションではこれを支援します。現場作業員が持つモバイルデバイス上で効率的なルーティングが表示されれば、極力タイムロスを少なくした移動が可能となります。

また、サービス依頼が発生した時点からスキルマッチングを行うまでの時間も重要です。1分でも早くマッチングを行えればフィールドサービスの初動は迅速化し、その後の対応もスムーズに行うことができます。

管理者と現場作業員のコミュニケーション

さらにフィールドサービスでは、指示を出す管理者と現場作業員のコミュニケーションも非常に重要となります。フィールドサービス管理ソリューションを通じてコミュニケーションを取ることができれば、現場作業はさらに加速するでしょう。

IoTがもたらすフィールドサービスの未来

最近頻繁に耳にするようになったIoTは、あらゆるモノがネットワークでリンクすることによって、利便性の高まった世界を目指す概念であり、すでに様々なIoTデバイスが開発・活用されています。

「ユビキタスコンピューティング※」が進歩した概念であるIoTは、実はフィールドサービスと深い関りがあります。なぜなら、IoTの恩恵を今後も最も受けるのがフィールドサービスなどのサービス分野であるためです。

IoTと聞くとスマート家電やスマートキーなど、一般消費者向けのデバイスをイメージする方が多いかと思います。しかしそもそもIoTとは、センサーによる情報収集とネットワークを活用し、様々なサービスを提供するというものです。

例えば橋梁に無数のセンサーを設置し、車が通過する際の振動などを計測することで、老朽化しそうな箇所を事前に察知し早期段階で修繕工事を行うような取り組はすでにスタートしてます。

また、家畜の個体にセンサーを取り付け健康状態を管理するような取り組みもあります。

フィールドサービスで言えば、これまでは顧客から点検依頼や修繕依頼があってから現場に赴き、問題の箇所を特定し、必要な部品を発注した再び現場に向かうという、無駄な作業は多く発生していました。

今後IoTの活用が進めばこうした無駄な作業は発生せず、顧客が察知する前に製品の不備を確認し修繕を提案、問題となっている箇所も既に把握しているので予め部品を調達しておくことで、迅速なフィールドサービスを展開することができます。

このようにIoTがフィールドサービスに及ぼす影響力は大きく、様々なシーンで質の高いサービスを支援できるようになるのです。結果、顧客満足度や収益性が高まるといったメリットもあります。

まとめ

フィールドサービスを展開する全ての企業にとって、今回紹介した課題を解決することは重要な経営課題です。製品面で他社との差別化が難しくなった現代において、フィールドサービスの新たなビジネス価値を見出し、差別化を図ることは今後の生存競争において有利に働くことは確かでしょう。

ぜひ一度、フィールドサービス管理ソリューションの導入を検討してみてはいかがでしょうか?導入コスト以上の価値を感じることができれば、皆さんのフィールドサービスは確実に一つ上のステージへと昇ることができるでしょう。

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