製造業のグローバル戦略とERPの重要性

avatar

 2017.08.28  Dynamics 365編集部

自動車/二輪、建設/重機/農機、産業用機械などを含む日系製造業は、グローバル化を余儀なくされている一方で、海外拠点での役割が複雑化しており効率的な経営やガバナンスの課題に直面しています。

今回はグローバル化を推進する製造業における正しい戦略とは何なのかを経営および情報システムの観点でご紹介します。

外部環境の変化

多くの日系製造業の経営環境は大きな変化を迎えています。少子高齢化による国内マーケットの縮小および新興国マーケットの拡大、価格競争力のあるアジアのメーカーの台頭など、競争はグローバルレベルで激化しています。

コモディティ化された製品領域における新興国メーカー製品の性能・信頼性が確実に向上してきており、性能・信頼性の高い製品を作れば売れるという従来の日系企業の経営は、もはや昔の話となりつつあります。

このような背景から日系製造業は、従来設定していたプレミアム価格を維持することが困難になってきており、日系製造業の課題である低い利益率のモデルが、正に経営を圧迫する状況に至っているのです。また、それに拍車をかけるように中国市場の長期低迷や資源不況といった業界全体の経営環境悪化要因、政治不安等に影響を受ける為替変動リスクも日系製造業の直面する課題となっています。

製造業の生き残りをかけた戦略

このような経営環境の中で、モノづくりで他メーカーを圧倒していた日系企業は、大きく2つの方向転換を迫られています。

グローバル化を加速する製造業

製造業は競争優位な戦略を実現するために、他国や他企業で生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立・販売するノックダウン生産や現地生産で製造コストを下げ、リードタイムを短縮することに加えて、国内マーケットの限界に伴い販路拡大のためのグローバル展開を加速するようになりました。

いずれも販売シェアの拡大や経営の合理化を目的とする上でグローバル化は必須の戦略であると言っても過言ではありません。また、それと並行して既存ビジネスと新分野への進出のシナジーを目的とした同業種や異業種どうしのM&A や業務提携が加速しています。

製品から顧客中心の経営へ

前述した通り製造業はモノづくりによる従来型の経営だけでは立ち行かなくなっています。もちろん、多くの製造業はモノづくりの手を緩めずにモノづくり大国としての先進性を維持しており、日本ブランドは従来同様に世界に誇れる品質です。

そして、それに加えてアフターサービスに力を入れるようになってきています。今まで限定的であった交換部品や消耗品の販売、点検・修理などのメンテナンスなど、製品×顧客のライフサイクル全般をカバーする戦略を重視する必要があります。

今、多くの日系製造業では製品中心から製品+顧客の高付加価値サービスの創出・訴求が求められているのです。

グローバル化、顧客重視経営の課題

日系企業の多くは新たな経営戦略の一環としてグローバル展開を図りました。グローバル展開に際して、国内同様に現地法人向けの基幹システムの導入を行なっています。

日系企業に限らずグローバル展開をする企業では、基幹システムは拠点ごとにサイロ化された状態で導入されている傾向にあります。例えば、北米では国内と異なるERPを導入し、アジアでは現地のローカルパッケージ、南米ではパッケージソフトをベースに現地要件を追加、ヨーロッパではスクラッチ開発と言った具合に、バラバラなシステムが導入されています。

グローバル展開のスピード化を図る意味では、各拠点でサイロ化したシステムを導入する方法もありますが、各拠点のビジネスを定着していく過程において、このように基幹システムがバラバラにサイロ化された状態で導入される弊害は、経営を悪化させる傾向にあります。

例えば、地場資本の代理店による販売・サービス(修理)の状況を本社で把握できないことや、拠点をまたいだ業務がうまく流れておらず、顧客情報を拠点毎に登録してもらう必要がある、過去の販売/修理履歴が分からないことによるセールス機会のロスといった顧客へのサービス品質が問題になります。

また、情報収集・連携など単純業務に多くの工数を投入しており、付加価値向上・売上拡大につながる業務に十分な工数を投入できず、時間と手間、コストがかかる業務プロセスシステムになっています。さらに、本社が拠点の状況をタイムリーに把握できず、適切なアクションが取れない状態となります。

拠点ごとに業務や管理方法がバラバラで複雑になっており、現地駐在の日本人がコントロールしにくく、拠点立上げや組織再編が難しい状況を招いてしまいます。

このように拠点ごとにサイロ化されたシステムはさまざまな課題があるのです。

サイロ化されたシステムの課題

  • グローバル本社で拠点の状況/情報をリアルタイムで把握できず、施策や対応を判断できない
  1. 現地の経営状況をリアルタイムに判断できない
  2. 顧客や需要の動向がキャッチできない
  3. 需要変動をタイムリーに生産に反映できない
  4. 海外拠点での製品在庫水準の高止まり
  5. 長い受注~納品リードタイム
  6. 修理部品の欠品と滞留在庫が多い
  7. 品質情報のデータ化/分析できていない
  8. 情報収集に時間がかかる
  9. リアルタイムに正確な情報収集ができない
  • 海外新規進出時、販社設立のタイミングでシステムが準備できない
  • 顧客中心の対応ができない(顧客の状況が把握できない)
  • ガバナンスやコンプライアンスを維持できない

グローバル製造業が目指すべき方向性とクラウド型ERP

グローバル企業が目指すべき方向性は明確です。つまり、本社・地域統括、拠点、ディーラーが一体となった業務の見える化や合理化、リスク対策が一貫して行われるようにすることに他なりません。

① 情報の見える化

  • 売上や利益の見える化
  • 需給情報や在庫情報の見える化
  • 各種KPI情報の抽出

② 業務効率化/高度化

  • 本社、地域統括、代理店間の必要な情報をシームレスに共有・連携することで、業務効率化
  • 内部統制等の観点での業務統制

③ 顧客への提供価値向上

  • 製品はもちろんアフターサービス、日頃の情報提供、購入時の対応などを含め、顧客への提供価値の向上

この方向性を実現するためには、経営を支える統一された基幹システム基盤が必要不可欠です。

機能が予め装備されたERPなどのパッケージソフトウェアを用いれば、その企業に則したテンプレート構築が早期かつ容易に実現できます。一般的にERP導入は、コストと時間がかかると思われがちですが、最近ではDynamics 365のようなクラウド型ERPなどを活用することで、今まででは考えられないスピードで展開できるようになっています。

また、必要な業務機能をテンプレート化し、各拠点に展開することですぐに使える+拠点特有の商流・法制要件といった個別要件にも柔軟に対応できるERPが可能となり経営スピードに追従可能な業務システムの展開が可能になります。

 

pwc.png

各国拠点(ディストリビューター/ディーラー)に必要な機能があらかじめ装備されたパッケージを用いて、早くテンプレートを開発する

テンプレートをできるだけ多くの拠点に展開することで、各国拠点導入のスピードを高めるとともに、トータルコストを下げる

 

テンプレートで迅速な導入と展開を実現

グローバル企業が成功するためには、ERPを導入する際に自社の業務に即したテンプレートと展開をサポートしてくれるグローバル展開しているコンサルティング企業/システムインテグレータが必要です。

例えば、製造業における経営管理においては顧客や機械別ライフサイクル収益管理、工賃含めた原価計算、販売用コンフィギュレータ、機械全体や構成品目ごとの在庫管理、機械の稼働情報管理など。販売の現場においては、クレームや保証管理、リース・レンタル管理、サービス履歴を一元管理可能なケース管理などがテンプレート化されていれば、情報システム部門は多くの工数を削減できるようになります。

つまり、グローバルに展開可能なERPを選定することと、製造業に適したテンプレートが存在することこそが、日系製造業がグローバルレベルのビジネスを成功に導く秘訣といっても過言ではないのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?日系製造業が取るべき戦略を駆け足でご紹介しました。以下に製造に変革をもたらす7つの新たなトレンドをご用意させていただきました。特に自動車/二輪、建設/重機/農機、産業用機械などを展開する製造業は必見の資料となっております。この機会にダウンロードし、その成功への詳細をご確認ください。

製造に変革をもたらす7つの新たなトレンド

RECOMMEND関連記事


RECENT POST「経営」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!
Microsoft Dynamics 365概要