海外現地法人のガバナンスを強化するには

 2019.04.23  BizApp チャンネル編集部

日本企業にとって海外進出・グローバル化が至上命題になっていることは、経営者の誰もが実感しているところでしょう。日本市場が成熟化したと叫ばれる中、海外市場に新しいビジネスチャンスを見出し、海外展開を進めているのは大企業だけではなく中小企業とて同じことです。

そうした海外展開企業では、よく海外現地法人の体制強化、いわゆる「ガバナンス強化」が課題としてあげられています。しかし、「ガバナンス強化といっても具体的にどう取り組めばよいのか…」と頭を抱えている企業が多く、結果的に海外現地法人のガバナンス強化がままならず、多数の問題が発生しています。

本稿では、そんな海外現地法人のガバナンス強化について、典型的な問題例から考えていきたいと思います。

親会社のよくある問題例

近年、新しく海外展開に取り組む日本企業の中には、海外現地法人とのコミュニケーション手段等がまだ確立しない段階から、早期に海外展開を実施する企業が多くなっています。そうした親会社によくある問題例が、以下のようなものです。

  • 海外事業の経営判断に必要な情報が不足している
  • 明確な経営戦略・経営方針が伝達されていない
  • 海外現地法人の統制が利いているか不明だ
  • 状況把握・情報収集に時間がかかり過ぎている

これらの問題で総じて言えることは「親会社と海外現地法人との間で情報伝達が適切に行われていない」ということが、根本的な原因として存在していることです。それはなぜか?答えは、やはり親会社と海外現地法人を繋ぐコミュニケーション基盤が整っていないことにあります。

海外現地法人のよくある問題例

一方、海外現地法人でも様々な問題が起こります。「問題が発生するのは親会社側」と考えていると、そうした問題を見落とすことになるので注意しましょう。海外現地法人でよくある問題が以下のようなものです。

  • 親会社のKPIや期待値が不明瞭になっている
  • 業務プロセスが属人的になっており、統制が利いていない
  • 日本商習慣とは違い人材が流動的である、慢性的に不足している
  • 日本の商習慣や文化とのギャップで業務遂行が滞っている
  • ローカルへの権限委任とリスクのバランスが取れていない

こうして確認すると、親会社だけでなく海外現地法人で起きている問題も深刻なものです。海外現地法人では単純なコミュニケーション基盤の不正備だけでなく、商習慣や文化の違い、システム面での違いなど様々なところに原因が分散しています。

基幹システムに関するお役立ち資料

この他にも親会社と海外現地法人共通の問題として、以下のような項目が挙げられます。

  • 経営指標、財務報告、事業報告、管理プロセスが機能していない
  • 意思決定権限が不明確になっている
  • グループ全体で業務標準化が進んでいない
  • 内部監査機能が弱くコンプライアンスリスクが多い

海外現地法人のガバナンス強化のためには?

前述のように親会社にも海外現地法人にもさまざまな問題が発生しているため、コミュニケーション基盤さえ整えばよいわけではありません。親会社は、総合的視点から海外現地法人との関係や問題を捉えて、人事管理面・システム面・財務管理面・リスクマネジメント面から問題解消の方法を考えていく必要があります。

では、海外展開企業においてあるべきグローバル経営の姿とはどんなものでしょうか?これは、下記2点に集約されているものと考えます。

  1. グローバル全体で共有された管理手法(管理ルール・管理ポリシー)のもと、海外現地法人社長による現地マネジメントの実施
  2. 海外事業運営において地域とグローバルの統合に加えて、ローカルへの適応バランスが最適化されている

これらのポイントを要約すると「グローバル全体で共有された管理手法を用いつつ、海外現地法人の特性に合ったマネジメントを実施していること」というのがグローバル経営のあるべき姿だと言えます。

単純にグローバル全体で管理手法が管理されているだけでは、地域ごとに特性に沿ったビジネスを進めることは難しく、結果的に海外事業を伸ばすことが難しくなります。従って、グローバル全体で管理手法等を共有しつつ、必要に応じて現地マネジメントを実施するというのが理想のグローバル経営の姿です。

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グローバル経営及び海外現地法人のガバナンス強化はなぜ難しい?

ここまで解説した内容を理解していながら、グローバル経営の最適化や海外現地法人のガバナンス強化が実現していない企業も珍しくありません。なぜそこまで難しいものなのか?その原因は下記5つにあります。

1.言語の違い

日本語は世界中で日本しか使用していない言語ですので、海外展開では必ず現地語とのコミュニケーションが必要になります。しかし、日本国内ではバイリンガル人材が少ないことから、海外企業が日本進出するのと、日本企業が海外進出するのとでは言語のギャップに大きな差があります。

2.通貨の違い

国が違えば通貨も違います。加えて為替は常に変動するものなので、最新データを反映しつつ海外現地法人と財務状況について共有することは思っている以上に難しい取り組みです。

3.文化の違い

ビジネスにおける文化においても、私生活における文化においても、日本の文化は海外と比べて独特なものを形成しています。それが日本人らしさとして評価される部分もあれば、海外から奇異な目で見られる部分もあります。そうした文化の違いを明確に認識しなければ、海外展開に苦しむことになるでしょう。

4.商習慣の違い

日本では「ビジネス上で知り合った人すべてと名刺を交換する」というのが当たり認識ですが、海外の中には「今後取引をするだろう人としか名刺を交換しない」というのが一般認識な国もあります。こうした商習慣の違いも認識してないと、海外展開が難しくなります。

5.倫理の違い

日本と海外では企業的倫理や社会的倫理は違います。それによって、親会社と海外現地法人でビジネスギャップが生まれ、意思疎通や情報交換が進まないことがよくあります。

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海外現地法人のガバナンス強化に必要なものとは?

海外現地法人のガバナンス強化のために、最も基本として必要なものの話をすると、それが「標準化されたIT基盤」です。海外展開では、これは海外現地法人のガバナンス強化や、グローバル全体で共有化された管理手法等のベースになります。

たとえば、様々な基幹系システムがグループ全体で標準化されており、親会社と海外現地法人が同じIT基盤を共有していると想定したら、どれほど海外展開が効率良く進むでしょうか?「親会社と海外現地法人では事業規模も文化なども違うし、それは無理な話しだ」と切って捨ててはいけません。海外展開では、標準化されたIT基盤が必要になります。

そのためには、SaaS(Software as a Service)として提供されているERP(Enterprise Resource Planning)などが有効です。ERPは基幹系システムを統合的に提供する製品であり、かつこれをインターネット経由で提供するSaaSで導入すれば、海外現地法人と標準化されたIT基盤を整えることができます。もちろん、海外現地法人と共有できるように、グローバル展開を想定したSaaS型ERPの選定が必要です。今後海外展開をする、すでに海外展開をしていてさまざまな問題に悩んでいるという企業は、この機会にSaaS型ERPについて検討してみましょう。

導入事例:日系企業海外展開、短期間ERP導入、ERP/CRM連携

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