海外進出の方法とERPによるガバナンスの強化

 2019.07.01  BizApp チャンネル編集部

海外進出と聞いて、皆さんはどのような展開をイメージしますか?一般的には現地法人や支店を設置したりするような展開方法を想定するかと思います。しかし実際には、海外進出にはいくつかの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

本稿ではいくつかある海外進出について解説し、さらにERP(Enterprise Resource Planning)を活用した海外ビジネスのガバナンス強化についてご紹介します。

海外進出の方法

海外進出の方法としては大きくは6つの方法があると言われています。具体的には①駐在員事務所、②海外支店、③現地海外法人、④フランチャイズ、⑤M&A、⑥越境ECがあります。まずは、それぞれのポイントと特徴についてご紹介します。

①駐在員事務所

海外進出の際に現地でテナントを借りたり、派遣した従業員の住居を一部オフィスとしたりして日本人スタッフを常駐させておくことを指します。売上等は発生せず、投資している段階の仮オフィスのようなものです。駐在員はオフィス拠点として、現地の情報収集や現地パートナーの選出などを行います。

基本的に収益活動を行えず、万が一売上が発生するようなことがあれば現地の税務申告が必要になるため注意が必要です。

②海外支店

国内にある支店と同じように、現地に支店を設置する海外進出方法です。税務的には海外支店のことをPE(Permanent Establishment:恒久的施設)と呼びます。この場合、駐在員事務所とは違い通常通り商売をすることが可能です。もちろん、それに伴い現地の税務申告が必要になります。

国内法人でしっかりと利益が確保できているのならば、海外支店に先行投資しながら節税(海外の経費計上)することができます。国内で事業利益が立っていても、5年後10年後のことを考慮すると、海外支店またはその他の事業投資も必要になります。暗に節税を目指すよりも、将来の収益を確保するための投資をして節税する方が健全な経営ができます。

ただし、日本の法人税は“全世界課税”が基本なので、海外支店で得た利益であっても日本で税務申告を行う必要があります。海外支店ではドルやユーロで取引をしますが、日本で税務申告を行う場合は日本円に換算する必要があるため、事務作業の手間がかかります。また、現地でも税務申告が必要になり、海外支店の利益は日本と海外で2重課税されることになります。

③現地海外法人

現地で新しい会社を設立したものを海外現地法人と呼びます。国内本社とは親子関係にありますが、別会社であるため会計は分ける必要があります。売上や経費もすべてそれぞれの会社で申告することになります。

基幹システムに関するお役立ち資料

別会社であるため所得の分散ができたり、リスク分散が行えたり、海外現地法人に出資して配当を受け取ると配当金には税金がかからないなどさまざまなメリットがあります。

ただし、先行投資の赤字を回収するまでに時間がかかったり、赤字撤退の場合は国内本社の経費として計上できなかったり、源泉徴収などの事務手続きの手間が多くなるといったデメリットもあります。

④フランチャイズ

海外進出方法として現在注目されているのがフランチャイズ契約です。事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)との間に契約を結んで、自己商標とその他営業の象徴となる標識や、経営ノウハウを用いて商品の販売とその他の事業を行う権利を与えます。フランチャイジーはその見返りとして、一定のロイヤリティをフランチャイザーに支払い、事業運営に必要な資金を投じて、フランチャイザーの指導・支援のもとで事業を行うという契約です。

フラインチャイザーとなる国内本社は、資本力が小さくても海外企業の資金・人材・ネットワークを利用して海外での店舗展開が可能になります。また、ロイヤリティの徴収による収入が期待できるので、コストを抑えて効率良く収益を確保できます。

ただし、フランチャイジーが経営ノウハウ等を流出させる可能性があったり、経営不振のフランチャイジーが発生した場合、フランチャイザーのイメージが低下したりするリスクもあります。

⑤M&A

海外現地企業と合併(Marge)するか、買収(Acquisition)するかして海外進出を行うという方法です。M&Aでは海外現地企業の経営ノウハウや取引・販売ルート・人材等をそのまま使うことができるため、効率良く海外進出する方法として注目されています。近年では国内中小企業の中にもM&Aへ積極的に取り組む企業が多く、海外進出が盛んになっています。

ただし、M&Aにはさまざまなノウハウが必要であり、合併・買収後は経営戦略を迅速に立案・実行し、初期のガバナンス強化に苦労することになります。

⑥越境EC

越境ECとは、海外向けに展開するEコマース事業のことで、要するに海外消費者向けにオンラインショッピングを解説し、商品を販売するという方法です。実際に海外支店や現地海外法人を構えるわけではありませんが、海外消費者や現地企業を相手にビジネスを展開できます。

支店等を現地に設置する必要はないため、それに付随するコストがかかりませんし、投資を押さえつつ海外進出を狙うことができます。また、日本のプロダクトは世界的に高い評価を受けているため、ビジネスを軌道に乗せやすいというメリットもあります。

ただし、越境ECを展開する場合はいろいろと制約を受けることがあります。たとえば欧州域内にサービスを提供する場合はGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)に準拠する必要がありますし、中国ではGoogleが使用できないため現地でよく使われている検索エンジンの構造にECサイトを負合わせる必要があります。

以上のように、海外進出方法はいくつかあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。海外進出の際は各海外進出方法について十分理解した上で、自社にとって最適な方法を選ぶことが大切です。

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海外進出におけるガバナンス強化について

海外進出の際に、すべての企業にとって重要な課題になるのが“ガバナンス強化”です。ガバナンス(Governance)とは、企業内で不正や重大な過失が発生しないように作られる具体的な体制のことで、ガバナンスを強化することが海外進出成功のポイントの1つと言えます。

しかし、海外進出(特に海外支店や現地海外法人の設置)では日本と現地における文化や商習慣の違い、現地システムの採用などからガバナンス強化が難しい現状にあります。そこで有効なのがERP(Enterprise Resource Planning)です。

ERPとは、経営上不可欠な基幹系システム(生産・販売・購買・在庫・会計・人事)を統合し、各システムを連携させることで情報活用を促進したり、業務平準化等を実現したりするための製品です。海外進出では、このERPがガバナンス強化に大きく貢献します。

海外支店などの経営情報を一ヵ所に集約し、国内本社から確認可能にすることで経営判断のスピードが劇的に向上し、かつ経営マネジメントを行いやすいためガバナンス強化に繋がります。海外進出を展開し、ガバナンス強化を重要課題として考える場合は、ぜひERP導入をご検討ください。

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