顧客生涯価値(LTV)を高めるには? 計算方法や最大化する方法を解説

 2022.04.20  BizApp チャンネル編集部

多くの市場において新規顧客の獲得が難しくなる中、顧客生涯価値(LTV)が注目されています。本記事では、LTVの概要と計算方法、重視されるようになった背景を解説した上で、LTVが企業にもたらすメリットや、LTVを高めるための具体的な方法を紹介します。

顧客生涯価値(LTV)を高めるには? 計算方法や最大化する方法を解説

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顧客生涯価値(LTV)とは

顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)とは、特定の企業やブランドに対して顧客1人(または1社)が、取引を始めてから終了するまでにどれだけの利益をもたらすかを算出したものです。

LTVが高い場合、顧客単価またはリピート率が高いことを意味します。つまり顧客基盤とビジネス基盤が盤石であることを示唆するのです。そのためLTVは、事業の中長期的な成長を予測する指標、または広告・マーケティングにおける効果指標やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として活用されています。

一般的に、顧客ロイヤルティ(顧客が企業・商品・サービスなどに対して感じる「信頼」や「愛着」)が高い企業やサービスほど、LTVが高くなる傾向にあります。

顧客生涯価値の計算方法

LTVの基本的な計算方法はいくつかあるため、目的と状況に応じて使い分ける必要があります。代表的な方法を紹介します。

①基本となるLTV計算式:年間取引額×収益率×取引継続期間

【例】

  • 年間取引額:5,000万円
  • 収益率:20%
  • 取引継続期間:5年

LTV:5,000万円×20%×5年=5,000万円

②年間平均の購入単価と回数から出すLTV計算式:年間平均購入単価×年間平均購入回数×平均継続期間

【例】

  • 年間平均購入単価:5,000円
  • 年間平均購入回数:12回
  • 平均継続期間:5年

LTV:5,000円×12回×5年=30万円

※平均継続期間が分からない場合は、1年あたりの解約率から計算します。

  • 1年あたり解約率:20%
  • 平均継続期間:1÷0.2=5年

③総売上と総顧客数から出すLTV計算式:(売上高−売上原価)÷購入者数÷解約率

【例】

  • 年間売上高:1億円
  • 売上原価:2,000万円
  • 購入者数:8,000人
  • 解約率:20%

LTV:(1億円-2,000万円)÷8,000人÷20%=5万円

なお、利益を算出したい場合は、LTVから顧客獲得と維持にかかったコストを差し引きます。

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顧客生涯価値が必要とされる理由

LTVはなぜ必要なのでしょうか。その主な理由として考えられるのが、「既存顧客を維持」と「市場変化への対応」です。

既存顧客を維持するため

新規顧客の獲得は、「1:5の法則」といわれるように、既存顧客の維持に比べてコストが約5倍かかるとされます。近年ではさらに、少子高齢化による人口減少によって多くの市場が飽和状態となっており、新規顧客の獲得は非常に困難となっています。特にBtoBの場合、受注にいたるまでの時間や人件費などといった営業コストが一定以上かかります。そのため、既存顧客との取引価値を向上させることが以前より重視されるようになったのです。

市場の変化に対応するため

ITの発達により、顧客データの一元化や購入パターンなどの可視化が実現したことから、顧客ごとの特性に応じたダイレクトマーケティングが可能になりました。さらにサブスクリプションモデルが普及したことで、従来の売り切り型より、既存顧客を維持することの重要性が増したのです。

顧客生涯価値を高めるメリット

LTVを高めることは、売上アップはもちろん、マーケティング活動においてもメリットがあります。ここからは、LTVがもたらす主なメリットを紹介します。

安定した利益が得られる

顧客の購入期間を延ばし、単価を上げることで、売上を安定的に確保できます。また、営業コストを低減できるため、安定した利益が見込めるようになります。財務体質が強化されれば、新規顧客獲得やサービス向上、新規事業参入といった分野に資金を回せるので、企業全体の成長が見込めるでしょう。

顧客ロイヤルティが高められる

商品を継続して購入してもらうには、顧客が自社の商品やサービスに信頼や愛着を持ってもらう必要があります。つまり、LTVを向上させるために実施される、顧客の不満やニーズをキャッチして改善を重ねたり手厚いアフターフォローを入れたりする施策は、顧客ロイヤルティの向上にもつながるのです。

優良顧客の分析ができる

「80:20の法則」では、上位20%の顧客が作る売上は、全体の80%に上るとされています。ⅬTVを高める取り組みにおいて優良顧客の傾向を分析することで、同じ傾向が見られる顧客へ集中的にアプローチをかければ、売上のさらなる向上が期待できるでしょう。

顧客生涯価値を最大化する方法

ここまで見てきたように、LTVが高いほど売上や利益が上がり、顧客ロイヤルティも高められることが期待できます。では、どのようにLTVを高めていけばいいのでしょうか。ポイントは、購買単価と購買頻度を上げ、取引期間を長くすることです。具体的な方法を紹介します。

購入単価を増やす

購入単価は、顧客1人あたりの平均購入金額を指します。購入単価が上がればLTVも向上します(→計算方法②)。購入単価を増やす具体的な販売手法に、クロスセル(cross sell)とアップセル(up sell)があります。

クロスセルとは、購入商品と関連する別の商品やサービスを一緒に購入するよう促す手法です。例えば、ハンバーガーを買った顧客にサラダやポテトなどのサイドメニューを一緒に購入することをすすめたり、パソコンを購入した顧客にヘッドフォンなどの周辺機器をすすめたりする方法があります。

一方、アップセルは、顧客が購入してきた商品やサービスをグレードアップする、または同じものを複数個購入するよう促す方法です。例としては、Sサイズのコーヒーを買った顧客にMへのサイズアップをすすめたり、毎月500円のサブスクリプションサービスから機能が拡張された1,000円のタイプへとグレードアップするよう促したりする手法が該当します。

いずれも低コストで売上アップをねらえる手法ですが、顧客のニーズを無視した強引な売り込みをすると、解約リスクが大きくなります。複数回の取引を重ね、商品に対する顧客の満足度が高まったタイミングで行うのが効果的です。

アフターサービスを充実させる

顧客ごとに合わせたアフターサービスを充実することで、「また買いたい、利用したい」とより強く感じてもらえます。買い替えのタイミングでリマインドメールを送ったり、新商品をSNSで発信したりするだけでなく、商品を購入してから数日後には商品のFAQを、1カ月後には関連商品の情報を盛り込んだメールマガジンを送信する、といった一歩進んだ方法も必要です。

商品やサービスに関する質問やクレームの窓口となるカスタマーサポートも、アフターサービスの一種です。カスタマーサポート機能の充実は、顧客の不満を軽減させるほか、顧客ロイヤルティの向上も後押しします。必要に応じてチャットボットやFAQシステムの導入も検討しましょう。

マーケティングツールを導入する

顧客の情報を一元管理し、それぞれに最適なアプローチを行うには、マーケティングツールの導入が効果的です。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムはその代表例です。顧客情報の一元管理やデータ分析、顧客への効率的なアプローチなどが行えるため、顧客満足度や売上のアップにつながるでしょう。

まとめ

新規顧客獲得の困難化やサブスクリプションモデルの普及などを背景に、企業にとってLTVの向上は重要度が高まっています。
LTV向上をシステム面からサポートするためには、CRMシステムの導入が効果的です。Microsoft Dynamics 365はCRM機能をカバーしています。複数チャネルにまたがる顧客情報を一元管理し、データを分析して顧客特性に応じたメール送信する、アップセルやクロスセルの機会提案を行う、といったマーケティングのサポートが可能です。
LTV向上の施策としてMicrosoft Dynamics 365の導入をぜひご検討ください。

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