製造現場におけるIoTの活用について

 2020.01.29  BizApp チャンネル編集部

本記事を読んでいただいているということは、おそらく「IoTを活用すると、製造現場でどんなことができるだろう?」と考えていることでしょう。製造業にIoTを導入すると、今まで可視化されなかったデータの収集が可能になり、そのデータをもとに分析活動に取り組むことで色々なことができるようになります。本記事では、具体的にどのようなことができるようになるのか?これを分かりやすく解説していきます。

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そもそもIoTとは何なのか?

IoTは「Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)」の略称であり、日本語では「モノのインターネット」などと訳されます。世の中はモノで溢れていますが、そのうちインターネットと繋がっているモノはごく一部です。最も身近なものといえばスマートフォンですね。従来はインターネットに繋がることがなかった携帯電話がネットに接続できるようになったことで、それまでの携帯電話の概念を打ち壊し、爆発的に普及していきました。

そして最近では、携帯電話以外にも様々なモノがインターネットに接続されています。意外と昔からネットに接続されているモノは「電気ポット」です。象印マホービンが、遠方で暮らす家族の安否を毎日チェックできるようにと開発したのが「みまもりホットライン」です。ネットに接続された電気ポットは、使用されるとその信号を電子メールとして所定のメールアドレスに送信されます。この電子メールが継続的に届けば、家族の安否が確認できるという仕組みです。

このサービス、実は2001年3月21日から提供されておりもうすぐで20周年を迎えようとしています。スマートフォンの先輩にあたる製品です。IoTとはつまり、ネットに接続された電気ポットやスマートフォンのように、ネットワークに接続された製品の総称、またはその技術を指すのです。

製造業におけるIoT

では、製造業におけるIoTとは何か?当然のことながら、従業員の休憩室にネット接続された電気ポットを置くことや、業務上でスマートフォンを利用することではありません。製造業では既存の設備や新しく導入する設備に対し、センサーを取り付けた上でネットワークに接続し、さまざまな情報をリアルタイムに収集するための仕組みを意味します。

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製造業のIoTでは何ができる?

生産ラインに設置されている設備の多くは、複数のセンサーが取り付けられています。しかし、それらのセンサーのほとんどは加工途中の製品状態を把握したり、部品の有無を検知したりするためのものであり、設備そのものの状態データを収集するわけではありません。今話題になっている製造業のIoTとは、設備そのものの状態データを収集するためのセンサーを取り付け、そこから得られたデータをもとにさまざまな情報に変換して、生産効率アップに役立てるためのものです。以下に、製造業のIoTで具体的にできることを整理します。

1.設備状態の可視化

IoTを活用した設備状態の可視化は日本国内でもすでに始まっています。設備に取り付けたセンサーから、稼働時間や回転回数、振動回数などのデータを収集することで、設備が今どのような状態にあるかを常に可視化できます。これまで、設備が部品や製品の状態を検知することはあっても、設備自体の状態を知らせてくれることはありませんでした(エラーを除いて)。IoTによって設備状態が可視化されることで、色々なことができるようになります。

2.予兆保全の実現化

「設備状態の可視化」による代表的な取り組みが予兆保全です。これまでの保全活動と言えば、設備状態を定期的に確認してメンテナンスを実施する予防保全と、故障や障害が起きてから対応する事後保全の2パターンで展開されていました。そこに予兆保全という新しい活動が加わることで、IoTで設備状態を可視化しながら故障や障害の予兆を察知して、適切なタイミングでメンテナンスや部品交換などを実施できます。これによる事後保全の回数が圧倒的に少なくなり、設備稼働率が大幅にアップされます。

3.設備の自動制御

製造業におけるIoTの最終形態とされているのが、設備の自動制御です。ドイツで推進されているインダストリー4.0然り、日本で近年推進されているコネクテッド・インダストリーズ然り、IoTを使った設備の自動制御による「工場の完全自動化(正確には9割程度)」を目指しています。これが実現すれば、製造業の生産効率は飛躍的に向上し、消費者1人1人のオーダーに応じる「多品種大量生産」の時代も到来します。

4.新サービスの開発

製造業におけるIoTは、設備にセンサーを取り付けてリアルタイムに設備状態を監視するだけではありません。IoTによって新しいサービスの開発も可能です。たとえば前述した予兆保全は、生産機械を購入した企業にとって魅力的です。独自に管理せずとも販売企業がIoTを活用して設備の状態をリアルタイムに監視し、必要な時にメンテナンスや部品交換を行ってくれるので、設備を止めずに生産効率をアップできます。こうした予兆保全をサービスとして展開している企業はすでに存在しています。

いかがでしょうか?製造業におけるIoTができることについて簡単に紹介しましたが、この他にも無数の活用方法が考えられます。IoTが製造にとって当たり前になる時代は決して遠い未来ではありません。また、IoTの導入にかかる費用や手間といった障壁も低くなってきたことから、今後は中小製造業でもIoT活用が進むでしょう。第4次産業革命は、もうすぐそこまで迫っています。

製造業にIoTを導入するためにはどうすればよいのか?

製造業にIoTを導入することで何ができるかは理解できても、具体的にどう導入するのかまでは分かりません。また、IT人材が不足している企業ではIoT活用をどう推進すべきか?という課題もあります。

まず取り組むべき事は、「IoTを導入して何をしたいか?」を考えることです。IoTという技術をどう導入するかを深く考えるよりも、まず大切な取り組みになります。企業によってIoTの活用方法は異なりますし、何を目的にするかによって導入するIoTも違います。そのため、最初に企業としてIoTをどう活用したいかを深く検討して、これから導入するIoTの明確化を行います。

次に検討するのが、「IoTプラットフォーム」です。IoTは設備にセンサーを取り付けただけでは実現しません。設備データを収集し、それらを分析して特定の情報へと変換するためのプラットフォームが必要です。幸いにも、IoTプラットフォームサービスは充実しています。マイクロソフトでもDynamics 365と連携したIoTプラットフォームが提供されており、製造業におけるIoT活用を強力に支援しています。また、AIも搭載されていることから高度なデータ処理による情報への返還も可能です。

製造業におけるIoT活用は、上記2つを優先事項として検討することが大切です。IoTは小さなところから始めるだけでも面白い効果が色々と得られるので、中小製造業であってもIoT導入を積極的に検討していただきたいと思います。

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