商習慣とは?日本と海外の違い

 2019.12.10  BizApp チャンネル編集部

「商習慣」とは、商取引の過程において形成された慣習のことです。つまり、ビジネスにおいて「当たり前」に実施されることであり、そのうち慣習法として発展したものを商習慣法と呼びます。

日本では商法1条および法の適用に関する通則法3条によって、商事において商法を破る商慣習法は存在しないとしています。つまり、商習慣的に当たり前だからといって、商法に違反するような行為は許されないということです。しかし、商法に該当するものが無ければ商慣習法にもとづきます。

本稿では、日本と海外の商習慣についてご紹介します。海外においても商慣習法が適用される場合はありますので、グローバル展開する海外諸国の商習慣をしっかりと押さえていくことが大切です。

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物事をハッキリと伝える海外の商習慣

日本で当たり前と考えられている商習慣も、海外に持っていくと「あり得ない」という意見をもらうことがあります。そのため、日本の商習慣の感覚でビジネスを進めると、商習慣の違いに戸惑い、時間とコストを浪費することにもなりかねません。

まず海外の商習慣として多国で共通しているのが「物事をハッキリと伝える」ことです。日本の商談シーンでよく「持ち帰って検討します」「上席に確認を取ります」などの文言を耳にしますが、こうした日本式のビジネスを嫌う海外企業が少なくありません。

海外企業の場合、必ず決裁権を持った人材を商談の場に送ります。決裁権を持たない人材が商談を経由することに無駄を感じるからです。そのため、商談によってその場で決裁するケースが非常に多いのが海外の商習慣です。何事も白黒ハッキリさせることを好みますし、良いことも悪いこともオブラートに包まず伝えます。

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日本人的感覚で言えば「波風立てずに穏便に事を運ぶ」ことを重視するため、商談を断る場合でも契約する場合でも、「いったん持ち帰って」と考えるのが通常です。しかし、海外企業のほとんどはその場で決裁することを好みます。

これは、買い手も売り手も同じです。そのため、日本企業が買い手だとして商談相手より優位に立っているとしても、日本の当たり前で商談を進めると逆に売り手に契約を断られる可能性があります。

商談相手が良いソリューションを提供している場合は買い手にとって大きな損失になりますので、海外の商習慣に合わせて決裁プロセスを短期化することも検討しましょう。

「月末締め翌月払い」は当たり前ではない

日本の企業間取引では、一定期間内の取引をまとめて決済する「月末締め翌月払い」が多くの場合、当たり前です。これは与信取引といって、互いに信用があるからこそ成り立つビジネスです。ただし、与信取引によって支払いが滞った場合は、売り手に大きな損失が生まれますし、最悪の場合は貸し倒れによって売上を回収できないこともあります。日本でこうした商習慣が当たり前のように行われているのは、お客様とサービス提供側で主従関係が生まれているからかもしれません。

一方、海外企業の商習慣では「月末締め翌月払い」が当たり前という訳ではありません。ある程度のルールは規定されているものの両社の交渉(契約)に基づきます。これは、取引する企業同士の関係が親会社や子会社だったとしても、ビジネスを遂行する者同士対等に取引をしている、という姿勢から生まれる商習慣です。大企業でもスペシャリストとして中小企業に仕事を依頼することは多々ありますし、日本企業のように「何でもできる」オールマイティは求めていません。できないことはスペシャリストに任せるという商習慣があるため、ビジネスを常に対等と考えているのです。だからこそ、日本企業に比べてイノベーションが生まれやすい傾向にあるのかもしれません。

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「契約外のことはしない」が当たり前

日本企業のビジネスにおいてよくある光景が、契約にないイレギュラーな出来事にも対応し顧客満足度を維持するという姿勢です。実は、海外企業ではこうした契約外の対応は当たり前ではなく、料金を徴収する対象になります。こうした傾向は特に日本のシステムインテグレータで顕著に表れます。納品したソフトウェアに何らかの問題があれば即座に対応し、場合によっては数名のエンジニアが取引先に常駐して問題を解消します。

海外企業ではこうした納入後の対応をサービスとして提供しており、万が一問題があったとしても契約外のことは料金を徴収することになります。

グローバル展開を成功させるために

ここまで、日本と海外における3つの商習慣の違いをご紹介しました。たった3つだけでも、ビジネスに大きな影響を与える商習慣です。では、日本企業はグローバル展開を成功させるために何をすればよいのでしょうか?

現地の商習慣リサーチ

「郷に入っては郷に従え」ということわざ通り、日本企業がグローバル展開する際は、現地の商習慣にビジネススタイルを合わせる必要があります。おそらくですが、日本の商習慣をそのままにビジネスを進めると、思うように取引が進まずグローバル展開が停滞する可能性があります。

ただし、日本企業は「海外企業に合わせすぎる」という傾向もあるのでその点に注意が必要です。日本市場に参入している海外企業が日本の商習慣をすべて模倣しているかというと、そうではありません。適宜、自分たちのビジネススタイルを貫きながら取引を行っています。

それと同じように、国内本社との連携を取りやすくするには海外の商習慣に100%合わせないという取り組みも必要です。

現地に合ったシステム環境構築

現地の商習慣に合わせる上で欠かせないのがシステム環境です。商習慣を合わせるだけでなく、システム環境も海外仕様にすることで国内本社とは違ったビジネススタイルを取り入れることに繋がります。

ただし、この際も完全に現地に合わせてシステム環境を構築してしまうと、国内本社との連携性が落ちてしまいます。最近では、海外対応が可能なERPが登場しています。しかも、クラウドサービスとして提供されているものならば、効率よく現地法人に対応できるでしょう。

多通貨/多言語対応や現地の会計監査に対応するなど、ERPごとに特性が違いますので、現地に合ったシステム環境構築を検討しましょう。

海外と日本の商習慣を違い、バランスの取れたビジネスを

グローバル展開で大切なのは、海外の商習慣に100%合わせることでも日本の商習慣を貫くことでもなく、バランスの取れたビジネスを展開することです。この点において、海外企業は日本企業の一枚も二枚も上手なので、グローバル展開を容易に進めているように感じます。

これからグローバル展開を検討している皆さんは、商習慣の違いに着目してバランスの取れたビジネスを目指しましょう。その際にはシステム共通基盤を整えておくことが重要になるのです。

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