事例に見る!Microsoft Power Platformを社内で利用する際のポイント

 2021.10.29  BizApp チャンネル編集部

企業のDX実現をサポートする「Microsoft Power Platform」。本記事では、Power Platformを構成するサービスをご紹介したのち、企業の成功事例をもとにしたPower Platform利用時のポイントを解説します。

事例に見る!Microsoft Power Platformを社内で利用する際のポイント

Microsoft PowerApps はじめてのアプリ開発

Microsoft Power Platformとは

Microsoft Power Platformは、「PowerApps」「Microsoft Power Automate」「Power BI」という3つのサービスで構成されるソフトウェアサービスです。主に、アプリ開発やプロセスの自動化、データの収集・分析が行えます。

Power Platformの特徴は、ほとんどプログラミングを必要とせず、これらの機能が利用できる点にあります。ExcelやPowerPointを操作するのと同じように、誰でもアプリ開発が行えるのです。そのため、企業のDXを成功に導くツールとして、大きな注目を集めています。

Power Platformを構成する3つのサービス

Power Platformを構成する3つのサービスは、それぞれどのような役割を担うのでしょうか? 各サービスの特徴を確認していきましょう。

Power Apps

Power Appsは、アプリ開発のためのサービスです。プログラミングの知識がほとんど必要なく、ドラッグ&ドロップで操作できます。Excelの関数機能に似た仕組みであるため、Microsoft製品を扱えるならエンジニアでなくともアプリ開発できます。通常であれば、アプリ開発には、専門用語を理解したエンジニアの協力が必須です。しかし、Power Appsがあれば社内でアプリ開発ができるようになるため、外部に依頼するよりもコストや時間を削減できます。

Microsoft Power Automate

Microsoft Power Automateは、アプリやシステムを自由に統合し、業務を自動化できるサービスです。サービス内に用意された250種類以上のコネクタが、さまざまなアプリやシステムの自由な統合を実現します。これまで連携できなかったシステムとの連携や、複数システムの連携によって、業務を自動化させるだけでなく、さらなる業務効率化を目指せます。

Power BI

Power BIは、データ分析が行えるBIツールです。Excelに近い操作感が特徴で、誰でも容易にデータ分析が行えます。また、連携機能も優れており、元となるデータソースと連携させることで、データ分析前に必要なデータ集計も簡単にできます。さらに、AI・機械学習機能によってデータ分析のレベルアップも可能です。そのため、施策の方向性を検討する際や事業計画を立てる際などに役立ちます。

【事例資料】Power BIで実現するDX成功のポイントとは
Microsoft Power Platform サービスパッケージ・活用ユースケース

事例に見る!Power Platformを社内で利用するポイント

Power Platformのサービス概要がわかったところで、次はPower Platformを導入して業務改善に成功した企業の事例を見ていきましょう。同時に、成功に至った理由を事例から読み取れる範囲でまとめたので、ぜひ参考にしてください。

日本 / 野村不動産株式会社

野村證券系の総合不動産会社「野村不動産」では、従来、社内に分散していた業務や物件にまつわる情報を、Power Platformでデジタル化・一元化しました。例えば、Power Appsで開発した、物件情報を登録することで工期スケジュールが確認できるアプリです。これにより、スケジュールへの意識が向上し、業務効率がアップしました。

また、顧客へのアンケートを集計する作業も、Power BIにより改善しました。以前は紙のアンケートをパソコンに手作業で再入力しての管理でしたが、現在はデジタルで実施しています。集計データはPower BIで分析できるので、労務効率が20%アップしたほか、残業削減にもつながりました。

本事例から見るに、自社の課題とそれを克服するという明確な目的をもつことが重要です。Power Platformは非常に便利なサービスではあるものの、明確な目的をもって導入しなければ有用に扱えません。野村不動産でいえば、「情報をデジタル化し、1ヶ所にまとめたい」「事務的な業務を効率化したい」などです。Power Platform導入前に、まずは自社の課題をはっきりさせておきましょう。

日本 / 日進工具株式会社

「日進工具」は、電子部品や精密部品を作る際に使用する、ドリル状の切削工具を製造・販売するメーカーです。同社では、Power Platform導入以前よりサーバーのクラウド移行など、積極的なIT投資を行ってきました。しかし、事務作業についてはデジタル化が進まない状況でした。取引先ごとに取引手順や帳票の仕様が異なり、標準化しづらかったためです。

そこで、顧客ごとに異なる業務に対応するアプリを作成するため、Power Platformを導入しました。これにより、紙文書で行ってきた業務のデジタル化が飛躍的に進みました。今後も、従業員からフィードバックを受けつつ、さらなるサービスの活用、業務効率化に取り組んでいくそうです。

本事例のポイントとして、日進工具が普段からIT化を進めており、現場の反発が少なかったことが考えられます。新規ツールを導入する際、従来の業務から変化が生じることで、現場に定着しないことが多々あります。事前にツールの導入を周知することや、従業員から理解を得ることを頭に入れておきましょう。

イギリス / Arriva

ヨーロッパ最大の公共運送事業者「Arriva」は、バス運行管理アプリや車両の整備管理アプリを開発しました。Power Platform導入以前、同社には、紙ベースの申請書やExcelからの申請フォームなど申請方法が多岐に亘り、管理業務が複雑化しているという課題がありました。

そうした状況下で、バス運行管理係に配属された1人の従業員が、Power Platformを使用してデジタル改革を開始したのです。特に、ITに不慣れな従業員でも日常で利用している、スマートフォンで使えるアプリを開発したのは見事といえるでしょう。

本事例のポイントは、なんといっても1人の従業員からデジタル改革がスタートしたことです。高いスキルをもった従業員の獲得や、現場のアイデアが社内体制を大きく変えるなど、自社で改革を行う際に参考にしづらい部分はあります。しかし、現場の意見が通る環境を整えることの大切さは学べます。

イギリス / ロンドン・ヒースロー空港

イギリス最大の空港である「ロンドン・ヒースロー空港」では、Power Platformを活用してさまざまな業務の効率化を行いました。例えば、従業員が持ち歩いていた外国人観光客向けの多言語対応カタログや、紙の申請書で行っていた車いす貸し出し用の申請作業を、Power Appsによってアプリ化したのです。これにより、従業員・利用者ともに利便性が向上しました。

本事例のポイントは、アプリ開発ができる人員を育てるため、社内で情報共有ができるコミュニティを作成したところです。実際、コミュニティでの意見交換の効果もあり、ヒースロー空港はPower Platformの導入から1年で5,000万円を超えるコストの削減に成功しました。アプリ開発においても、担当者の学習意欲を向上させる取り組みが重要だとわかります。

イラク / Hawkary製薬

イラクを拠点とする製薬業者「Hawkary製薬」の事例です。同社では、医療関係者が訪問した際に、その訪問ごとにExcelで日報を書いて、メールで共有していました。しかし、Excelデータのほとんどが「日報」というシート名だったため、特定のデータを検索することが困難だったのです。それにより、取引先の訪問回数や製品の提案回数の把握ができていませんでした。

そこで、PowerAppsによるアプリ開発を行い、すべての訪問データをアプリで管理するようにしたのです。加えて、Microsoft Power Automateを活用することで、通知やリマインダー機能も付与しました。こうして顧客とのやりとりがリアルタイムで分析できるようになったほか、報告作業の手間の削減にもつながりました。

本事例のポイントは、Power Platformの機能をフルに活用しているところです。野村不動産でご説明したポイントと同様、事前に自社の課題を把握し、ツールでできることを把握していないと、こうは上手くいきません。やはり下調べの重要さがうかがえます。

まとめ

Power Platformは、「PowerApps」「Microsoft Power Automate」「Power BI」からなるソフトウェアサービスです。アプリ開発やプロセスの自動化、データの収集・分析が、プログラミングの知識なしに行えます。デジタル改革やコスト削減が実現できるため、本記事でご紹介したポイントをもとに、導入を検討してはいかがでしょうか。

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