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CRMを成功に導く運用のポイント

CRMクラウドサービスの台頭もありCRM(Customer Relationship Management)を導入する企業が増えたものの、運用フェーズで思うように活用できていない企業が少なくないようです。ミック経済研究所によると、クラウド型CRM市場の総市場規模は、2017年度約1,640億円、オンプレミスを含めたCRM市場全体におけるシェアは25%超えています。

CRM市場は拡大傾向にあるにもかかわらず、それを活用できている企業が少ないとなると、CRM活用先進国である欧米諸国のビジネスに気圧されてしまう可能性も考えらえます。本記事では、CRMを成功に導くための運用ポイントを紹介しますので、運用が思うように進まない、CRM導入を検討しているという方は参考にしてください。

CRMを成功に導く運用のポイント

CRMの利用実態と課題

なぜCRMの運用が上手くいかないのか?

CRM運用が上手くいっていない企業の原因の多くは、「CRMを導入すれば顧客管理が自然と回る」「顧客満足度が自然と向上する」「営業効率が自然と改善される」と考えてしまっていることです。CRMは顧客情報の蓄積を主体として、顧客との関係性を管理するためのシステムですが、これを導入したからといって顧客管理が自然と回ることはありません。CRMはあくまでツールであり、それを扱うのは人です。

このため、CRM運用が上手くいっていない企業の多くはCRMが単なる「顧客情報管理台帳」のような存在になってしまっています。また、顧客管理の全体像を正確に把握していないのも原因と考えられます。

CRM運用の基本ポイント

CRMの運用について考える際に大切なのは、基本を3つのポイントに分けることです。そのポイントとは「見込み客の獲得(リードジェネレーション)」「見込み客の評価(リードスコアリング)」「見込み客の育成(リードナーチャリング)」です。CRM運用によってビジネス効果を高めるには、少なくともこれら3つの基本ポイントを押さえる必要があります。

1. 見込み客の獲得(リードジェネレーション)

リードジェネレーションとは、新しい見込み客を創出するための活動を指します。CRMには顧客情報を管理するだけでなく、見込み客獲得につながるような機能も搭載されているので、これを使わない手はありません。

(1) フォーム機能を活用する

CRMにはフォーム機能といって、見込み客を獲得するための機能が備わっています。主にWebサイト等に入力フォームを設定するための機能です。このフォームでは、入力必須項目を最小限に留めることが、見込み客獲得のポイントです。入力項目が多いとコンバージョン率が低くなるという調査結果もあるので、必要最低限の項目でフォームを作成しましょう。

(2) 見込み客情報を取得する

フォームと連携してより多くの見込み客を獲得するためには、見込み客の購買行動に合わせてフォームの入力項目を少なくします。購買行動プロセスが進んできたら、必要な情報を獲得して顧客管理システムにその情報を追加します。見込み客の購買行動が進むごとの新しい情報が取得できるように設計すると、見込み客もストレスなくフォームに入力できます。

(3) 見込み客の行動を記録する

CRMに見込み客の行動履歴を記録することで、潜在的なニーズを掘り起こせる可能性が高くなります。特定のセミナーへの参加、Webページへのアクセス履歴などを取り込んで、そこから見込み客の興味や関心、隠れたニーズなどが見えてきます。

(4) 見込み客獲得の経路を分析する

フォーム活用やセミナー、展示会来訪者などの情報をCRMに取り込み、さまざまなマーケティング活動から見込み客に関する情報を取得します。その際に、どのマーケティング活動が営業案件を生み出しやすいかを把握し、CRMに取り込みます。最終的にはCRMを活用した分析がマーケティング活動の最適化に繋がるでしょう。

見込み客の評価(リードスコアリング)

リードスコアリングは獲得した見込み客の行動などに応じて評価を行い、営業確度の高い見込み客を抽出するための作業です。CRMの中にはマーケティング機能の一環としてリードスコアリングを搭載しているものが少なくありません。

(5) 営業チームとマーケティングチームの連携

CRMによって生み出した見込み客は、マーケティングから営業に引き渡して確実にフォローすることが大切です。営業が見込み客を十分にフローしていない場合、スコアリング基準などを見なおす必要があります。営業担当者ごとに好まれる見込み客パターンを分析して、見込み客の行動履歴に着目し、スコアリングを設定します。

(6) 購買行動に応じた最適なスコアリング設定

見込み客の購買行動は一定期間内に行われます。2年前にセミナーに参加した見込み客が、今でも自社商品やサービスに興味を持っているとは思えません。ですので、見込み客は単に行動だけでスコアリングするのではなく、最適な計算期間を設定することも大切です。一般的に30~90日間で設定されることが多く、それを過ぎると見込み客としてのスコアが低下します。

(7) 製品・サービスごとのスコアリング設定

また、製品やサービスに応じても見込み客の購買行動は異なるため、それぞれにスコアリングを設定することをおすすめします。価格や利用頻度、事業へのインパクトなどに応じてスコアリングを設定し、見込み客の購買行動を評価します。

見込み客の育成(リードナーチャリング)

獲得した見込み客はナーチャリング活動によって育成し、購買意欲を成熟させることで最終的に営業へ案件引き渡しを行います。リードナーチャリングを実施すると、営業確度が高くなるだけでなく、案件あたりの売上も伸びる可能性があります。

(8) 獲得経路に応じた異なるオファリング

異なるセミナーへの申し込みや資料ダウンロードを経由して獲得した見込み客に対して、同じリードナーチャリング施策を展開するのは好ましくありません。これらの見込み客はニーズが完全に異なるので、CRMに記録された情報から流入経路を分析して、それぞれのターゲットに応じたナーチャリングを実施しましょう。

(9) 定期的なナーチャリングの実施

CRMから抽出した見込み客へは定期的にナーチャリングを実施します。特定のフォームに登録した見込み客に自動的に施策を展開する、マーケティングオートメーションも有効です。高い購買意欲を示している見込み客を取りこぼすことが内容に、ナーチャリングを実施しましょう。

CRMを計画的に進めよう!

CRM運用はこれら3つのポイントを三位一体として計画し、単なる顧客情報管理にとらわれない施策が必要になります。また、今回は購買プロセスを基準にご紹介させていただきましたが、保守サポート業務のプロセスなどCRMで管理すべき項目は企業によって違います。その辺りを考慮してどのようなCRMを自社で構築するべきなのかを検討する必要があるでしょう。

CRMを導入したけれど思うように成果が上がらない、CRMの導入を今後検討しているという方は、この機会にCRM運用について考えなおしてみましょう。

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