機械・設備のメンテナンスにおける「運用」と「保守」の違いとは?

 2019.01.15  BizApp チャンネル編集部

機械・設備のメンテナンスに関わる記事を読んでいると、「運用」と「保守」という言葉がざっくりとした意味で使われていることがよくあります。企業内においても2つの言葉が曖昧に認識されていることが多いので、今回は運用と保守の違いについて明確にしたいと思います。

運用=日常業務、保守=メンテナンス

これを言っては元も子もありませんが、運用と保守には明確な線引きがないことも事実です。企業によってその意味は変わりますし、稼働している機械・設備によって作業内容も変わるため、三者三様の解釈を持つ言葉です。

一般的な解釈としては「運用=日常業務」、「保守=メンテナンス」と言えるでしょう。

たとえば生産工程において機械・設備の微調整を行って不良率を低減したり、日常的に機械・設備に何らかを供給する作業は運用に分類されます。

一方で、定期的に機械・設備の稼働状況をチェックしたり、故障の前兆が無いなどを調査する作業は保守に分類されます。

企業によってはこれを総じて「運用」と呼ぶこともあり、運用部門が保守作業を兼ねているところもあります。そもそも保守部門が存在せずメーカーに任せているという企業もあるでしょう。そのため運用と保守には様々な解釈があります。

ただしこれらの作業を内製化し、かつ徹底した作業を目指すのであれば運用と保守の違いを明確に定義し、運用・保守計画を立てることが大切です。

「保全」とは何か?

運用と保守に次いで混同されがちな言葉が「保全(ほぜん)」です。一般的には保守とほとんど同じ意味で使用されますが、保全には次のような3つのプロセスが確立しているのが特徴です。

事後保全

事後保全は機能が停止したり、パフォーマンスが低下した機械や設備に対し、その原因を究明して対処します。機機械や設備に何らかのトラブルが発生すると、そこにどういった原因があるのかを究明することから始まります。機械・設備関連のドキュメントを確認しながら原因究明していくのが一般的です。

その場で対処可能なトラブルについては即座に修理し、新しい部品が必要な場合は発注してからトラブルに対処していきます。

予防保全

予防保全はさらに「定期メンテナンス」と「予防メンテナンス」という2つのプロセスに細分化されます。

基幹システムに関するお役立ち資料

≪定期メンテナンス≫

定期メンテナンスは機械や設備を継続的かつ安定して稼働させるために、点検、修理、部品交換などの保全計画を立てて定期的にメンテナンスを施していくものです。部品交換の目安については一定期間で交換する「時間基準保全」と、部品の劣化具合に応じて交換する「状態基準保全」の2通りがあります。

修理プロセスではトラブルを未然に防ぐことができません。それに対して定期メンテナンスは定期的にメンテナンスを施行するので、トラブルを抑止したり機械の寿命を延ばしたりと様々なメリットがあります。

≪予防メンテナンス≫

機械や設備の安全稼働のために行う予防活動のことです。部品がどれくらい劣化しているか等をしらべて、交換が必要な部分に対してのみ措置を行います。必要な部品だけを事前に調達してから交換するので、時間とコストを少なく抑えることが可能です。ただし点検ヵ所や部品寿命の見極めにはスキルが必要であり、作業員の負担が大きくなる傾向にあります。

これらのうち、修理を占める割合を最小限に抑えることが理想とされています。しかしながら機械や設備の保守作業が複雑になるほど定期メンテナンスや予防メンテナンスでは見つけきれない要因によって故障が発生します。実際の現場では、定期メンテナンスと予防メンテナンスか抜け落ちた部分を修理ですくうという形になるでしょう。

予知保全

定期メンテナンスでは一定期間ごとにメンテナンスを実行しますが、予知メンテナンスは機械や設備に取り付けられたIoTセンサーからあらゆるデータを取得し、リアルタイムに機械や設備の稼働状況を可視化します。センサーから送られてくるデータを分析して、情報として表すことで機械や設備に健康状態が確認できるということです。

もしも異常個所発生の兆候が見られれば、即座に予防メンテナンスを行い異常が発生する前に対処します。予知メンテナンスを実行することで実質的な故障ゼロを目指すことができますし、作業保守をサービスとして提供することも可能です。

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運用および保守によって得られるメリットとは?

メリット1. 製造品質の安定

運用および保守を徹底することで機械・設備起因での不良発生を防ぐことが可能です。これはつまり、製造品質が安定することを意味します。一度不良が発生するとそれを改善するために多大なコストがかかりますし、万が一不良が市場に流通してしまうと、最悪の場合リコールによって大規模な損失が生じます。これを防ぐためにも運用および保守の徹底によって製造品質を安定させることが大切です。

メリット2. 稼働率の向上

機械・設備の稼働率が向上することで運用や保守にかかわるコストを大幅に削減できます。事後対応が少なくなることで製造ストップを回避することも可能なので、必然的に生産能力がアップします。

メリット3. 耐用年数の延長

機械や設備の定期メンテナンスにて締結されているボルトやナットの締め込み作業や給油、さらに周辺部品や付帯設備への損傷を防ぎ、耐久性をアップし耐用年数を延長できます。

メリット4. 機械・設備への理解

運用および保守を徹底することで機械・設備への理解を深めることができ、メンテナンスに関するノウハウを蓄積できます。

このように、運用および保守を徹底することで様々なメリットがあるため、積極的に取り組むことをおすすめします。

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予知保全を実現するには?

先にご紹介した予知保全を実施することで、企業は様々なメリットを享受できます。故障率ゼロを目指せることはもちろんのこと、予知保全をサービス化しそこから収益を得ることも可能です。

従来、保全作業は「コスト」だと考えられてきました。特に機械・設備メーカーが提供する保全サービスは、保全を行うためのコストは徴収しても、そこから収益を得るということは考えていません。一種のアフターサービスだと考えられてきました。

しかし最近では設備・機械メーカーの中で保全作業の「サービタイゼーション」が進んでいます。つまり、保全作業をサービスとして提供することで収益を獲得し、新しいビジネスモデルを創出します。

この予知保全を実現するために欠かせないのがERPとIoTです。ERPとは統合的なアプリケーションソリューションであり、経営活動に欠かせないアプリケーションの数々を提供します。たとえばDynamics 365ではセールス、カスタマーサービス、フィールドサービス、タレント、ファイナンス&オペレーション、リテール、プロジェクトサービスオートメーション、マーケティング、AI、MR、ビジネスセントラルといった複数のアプリケーションを統合しており、IoTと連携することで先進的な予知保全を可能にしています。

すでにDynamics 365によって予知メンテナンスを実行し、サービス化した先進事例は存在し、今後さらなる拡大が予測されています。

Dynamics 365で予知保全を取り入れることで、社内の運用および保守業務を改善し、さらにはサービタイゼーションによって収益化を狙うことも可能です。この機会に、Dynamics 365による予知保全をぜひご検討ください。

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