海外子会社のグローバル経営管理に必要なポイント

 2018.11.26  Dynamics 365編集部

大企業のみならず中小企業においても海外進出ニーズが高まっており、国内市場の成熟を受けて海外市場にビジネスチャンスを見出す企業が増えています。しかし、そのニーズとは裏腹に海外子会社を正確にコントロールできている企業は少なく、どの企業も多くの課題を抱えている現状があります。しかし、これは日本企業に限った話ではなく、グローバルに展開するあらゆる企業でも同じことです。

古くからグローバルに展開する企業でも海外子会社の経営状況をリアルタイムに把握することは難しく、ガバナンスが適切に行き届いていないケースも多々あります。そうした中、グローバル経営管理に必要なポイントとは何か?本稿ではその点についてお話します。

グローバル経営管理が難しい理由

グローバル経営管理の適切な実施は大企業ですら難しい話であり、その理由は企業規模を問わず共通しています。

オペレーションの課題

海外に展開している拠点数と、それに伴う機能(生産や販売など)が多くなるほど意思決定に必要な情報収集は複雑化します。たとえば製造拠点が海外に分散している場合、生産方式(自動生産やセル生産など)が異なっていたり、混在しているがために原価計算方法も拠点ごとに違うケースが通常です。そのためグローバル規模でビジネスへの考え方や方針があいまいになっていると、オペレーションに関する課題が顕在化してグローバル経営管理が上手くいかなくなってしまいます。

この課題は個々の事業や拠点ごとなどに個別単位で部分最適化を図ってきた等の経緯から、経営に必要なインフラ(ルール、人材、システムなど)が整備されていない状況から生じるケースが多くあります。グローバル経営管理が難しくなる理由は、急激なビジネス環境の変化など外部要因から生じるケースもありますが、先進的なグローバル企業は経営に必要なインフラを整備することを最優先に考え、その影響を最小限に留めています。

コントロールの課題

海外企業の買収や現地法人の設立など、海外拠点の強化が進んでいくにつれて海外子会社のコントロールが難しくなります。そこには言語や商習慣など文化の壁が大きく、国内子会社のコントロールに比べて対応が不十分なケースが多いでしょう。さらに、グローバルレベルで情報整理を行おうとすると、多大な業務負担が発生します。たとえば海外子会社からの情報が必要なタイミングで本社に上がってこなかったり、海外子会社から提出される情報を本社で集計・加工する作業が必要になったり、大きな非効率が発生しているのです。

基幹システムに関するお役立ち資料

この課題に関しては買収企業への強制力を押さえてきたり、海外子会社に自主自立を促して経営を進めてきたこと等が原因として考えられます。海外子会社を含めグループ全体の成長を目指すためには、海外子会社を如何にコントロールしていくかが重要な課題になることは間違いありません。

グローバル経営管理に必要なポイント

グローバル経営管理を適切に行うには様々な課題をクリアしなければいけません。そのポイントとして何が必要なのかをまとめました。

グローバル規模で経営指標を統一する

日本のグローバル企業は海外のグローバル企業に比べて、海外子会社を含めたグループ全体で経営指標を統一するということが苦手な傾向にあります。根本的な原因をいえば、日本という国がそもそも閉鎖的であり海外との交流に苦手意識を持っている点や、日本企業が長らく部分最適化を進めてきたということが大きな理由ですが、だからといって経営指標の統一をあきらめるわけにはいきません。

グローバル規模で経営指標を統一できていると、海外子会社のマネジメントとして本社人材が赴任した際も、経営最適化に向けてスピーディな取り組みを行うことができ、日本と海外の壁をほとんど感じなくなります。さらには会議資料の作成ルール等も統一しておくと、海外子会社についてより深い理解ができ、グループ全体で一丸となって成長を目指すことができます。

現地ローカル人材の教育に力を入れる

日本と海外諸国には大きなビジネスギャップがあり、特に人材採用や人材教育といった面でそれを感じやすいようです。具体的に言うと本社人材が海外に赴任すると「現地ローカル人材の、会社へのロイヤリティ(忠誠心)の低さは離職率の高さ」に驚くという話がよくあります。そのため「仕事を教えても結局やめてしまう」という半ばあきらめムードが漂ってしまいます。しかし、現地ローカル人材への教育に力を入れるからこそ、解決できる課題もあります。

確かに海外ビジネスでは人材は非常に流動的ですが、それは裏を返せば海外人材は自分自身のキャリアップに積極的ということです。そのため「こっちの環境の方が自分にとって有利だし、給料も高い」と判断すればかなり早いスピードで流動します。しかしその反面、「この会社でキャリアップすることができる」と判断すれば会社へのロイヤリティは日本の人材よりも高いですし、それは海外子会社だけでなくグループ全体にとって優秀な海外人材を確保するチャンスです。

なので現地ローカル人材にキャリアップの道筋を明確に提示すれば、自然とモチベーションが上がり離職率は下がります。さらに現地ローカル人材が育つことで本社とのコミュニケーションにかかる摩擦も少なくなり、よりスムーズにグローバル経営管理の最適化が行えます。

グループ全体での情報共有基盤を作る

グローバル経営管理で欠かせないものが海外子会社を含めてグループ全体での情報共有基盤を作ることです。経営意思決定をスピーディに行うためには、グループ全体の情報を必要なタイミングで即座に収集しなければいけません。しかし、情報共有基盤が無いと海外子会社から提示された情報を本社で集計・加工しなければいけなかったり、あるいは必要なタイミングで情報が上がってこないといった問題があります。そのため、グループ全体で利用可能な情報共有基盤が欠かせません。

本社のERPを海外に展開するか、それとも2層ERPか

グローバルでオペレーションの統一や情報の可視化を行う際に必要となる基盤がERPです。ERPは、多くの企業においてすでに本社で導入されているかもしれません。

この本社に導入したERPを海外にまで展開することを最初に考えるケースがあるでしょう。しかし、本社にERPがオンプレミスで導入にコストや時間がかかるケースが多いため最近では「2層ERP」を検討するケースも増えています。

これは、本社で稼働しているシステムをコアERPとして、その上にグローバル環境で柔軟性が高いERPをサブ的に導入することで、海外子会社とのシステム統合を図るというものです。一般的にはインターネット経由で簡単に共有できるクラウドERPを2層ERPとして導入します。

2層ERPのメリット

2層ERPのメリットは、大規模なシステム開発を必要とせずに海外子会社と本社、またはグループ全体としての情報共有基盤が整えられるという点です。クラウドERPはインターネット経由で提供されるサービスなので、特別なインフラを必要とせず、素早くグループ全体で共有可能な情報基盤を整えられます。

マイクロソフトが提供する「Dynamics 365」もそんなクラウドERPの1つです。Dynamics 365は世界2万3,000社以上が使用するクラウドERPであり、世界各国のビジネス要件に対応するための機能を多く備えています。そのため、2層ERPとして最適なソリューションの一つであり、世界中のビジネスパーソンが使い慣れたマイクロソフト社製のインターフェースはそのままなので、使い勝手にも優れています。

さらにOffice 365やPower BIといった他のマイクロソフト社製品との親和性が非常に高く、グローバル規模での情報共有基盤だけでなく、グローバル規模でのコミュニケーション基盤やビッグデータ分析基盤も整えられます。グローバル経営管理を最適化したいのならば、Dynamics 365をぜひご検討ください。

導入事例:日系企業海外展開、短期間ERP導入、ERP/CRM連携

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