営業プロセスの管理に必要な視点とは?

 2020.12.30  BizApp チャンネル編集部

企業における営業活動の属人化や不透明な営業プロセスは成長の妨げになってしまう一因です。営業プロセスを見直して整理し、標準化を進めていくことで、営業部署の強化や成果向上に継続的な効果を期待できます。本記事では、営業プロセス管理の概要や導入のメリット、また導入時の注意点について詳しく解説していきます。

営業プロセスの管理に必要な視点とは?

営業プロセス管理とは

営業活動においてリード(見込み客)との商談や訪問といった活動を経て契約に至るまでの一連のプロセスすべてが営業プロセスです。この営業プロセスの構成要素を把握したり、進捗や成果を管理したりしながら、営業業務の改善や標準化・最適化を目指す取り組みを「営業プロセス管理」と言います。

営業プロセスは業界・業種の商慣習によってさまざまですが、どんな企業にも一定の営業プロセスの流れはあります。そのため、他業界や他企業の営業プロセスをそのまま持ち込むだけでは成果創出につながることはあまりありません。企業の扱う目標や商材、メンバーのスキルなどをよく考慮し、自社にあった営業プロセスを磨き上げていくことが大切です。

営業プロセス管理のメリット

営業プロセス管理自体は直接的に売上へつながるものではないため、どうしても営業部署では売上に直結するアポ取りや訪問、商談などを優先してしまいがちです。

しかし、営業プロセス管理は中長期的には営業活動の効率を高めるため、売上向上への貢献が期待できます。営業プロセスを管理するメリットは次のとおりです。

営業プロセスのボトルネックを特定できる

営業プロセスを細かく把握し、しっかり管理を行っていくことによって営業活動におけるボトルネックを特定することができます。営業プロセスが正しく管理されていない場合、うまくいかない部分があったとしても「そういうもの」として捉えられ、なかなか改善が進まないことも多いものです。

営業プロセス毎に活動の方針や手順を整理したり、期待される数値目標などを明確にしたりして標準化することで、各営業担当者のボトルネックの発見や改善にも効果を期待できます。ボトルネックは商材によっても異なりますし、営業メンバーによっても異なるため、上司が管理下の個人だけを見ていても特定が難しいことも多く、組織的な管理は欠かせません。

営業担当者の教育に効果的

営業プロセスの管理を行うと営業組織にナレッジマネジメント効果が生じるため、営業メンバーの教育にも効果的です。営業プロセスを整理し標準化することによって、営業成績の優れたメンバーの仕事の仕方を模倣して改善につなげることができます。ほかの営業メンバーの活動を知ることで、自分に不足している部分を知り、新しい発想で業務に取り組めるのもメリットです。

ナレッジマネジメントができるようになると、マネージャーや上司の経験則や精神論による影響を最小限に抑えながら、メンバーを育成可能になります。上司や周囲のメンバーの質に左右することなく、営業メンバーが成長できる環境も作られるため、組織全体の営業力が大きく向上するでしょう。

営業組織のノウハウが蓄積される

営業組織のノウハウが蓄積されることも営業プロセス管理の大きなメリットです。

営業活動は個人の能力や特性による属人性の強いものだと思われがちですが、必ずしもそうではありません。営業経験の長い人や成績のよい人ほど特別なノウハウを持っているケースが多いです。そうしたノウハウを共有し、組織の標準的な営業スキルとすることで、組織全体の営業力の底上げを期待できます。

成約率の高い勝ちパターンを共有して営業トークのシナリオ設計に役立てたり、提案資料の作り方や見せ方、アピール方法などの細かなノウハウを共有したりといったケースも多いです。ノウハウの共有は言葉だけではなく、文書や動画を残すことで保存・参照しやすくなります。

Microsoft Dynamics 365名刺連携テンプレート
SFAに名刺連携サービスが必要な“本当の”理由

営業プロセス管理導入のポイント

営業プロセス管理は多くのメリットがありますが、正しい方法で導入できなければ、十分な効果は得られないでしょう。営業プロセス管理の導入において、特に気を遣って進めるべき3つのポイントについて解説します。

業務や顧客の理解を深める

営業プロセス管理では、個人の能力や特性の影響をできるだけ排除し、組織のパフォーマンスを標準化していきます。そのため、営業に関わるほかの要素、顧客や業務に注目して導入を進めるのがポイントです。

普段接している顧客の規模や、顧客別の売上高、顧客の持つニーズ、自社の商品やサービスのどこを評価し、購入後にどう利用しているのかなど、顧客の特性を整理します。また、普段行っている業務についても目的や手順、業務量の目安などが明確になるよう棚卸しを行いましょう。

現場を知らない担当者が書籍や業者の意見を参考に営業プロセスを作っても、現場にフィットせず、有効に使えないものになってしまうでしょう。大切なのは、現場の声をよく聞きながら進めることです。

ステップ毎の定義を明確化する

営業プロセスの各ステップは、その定義が明文化されていない場合にはメンバー間で異なる認識になっていることが少なくありません。

例えば、「クロージング」というステップは「購入を勧めること」なのか「成約を取ること」なのか、メールでもよいのか対面での提案が必要かなど、人によって認識もさまざまです。

こうした認識のずれは、教育やコミュニケーションにおいて大きな妨げになる他、営業プロセス管理においても障害になります。

そのため、営業プロセスを各ステップに分け、明確に文章で定義するのがポイントです。

ただし、ステップを細かく分けすぎたり、定義が細かすぎたりすると管理も煩雑になりますので、具体的な行動が取れる程度に設定しましょう。

営業プロセスが組織で共有される仕組みを整備する

営業プロセスを整理しても、組織内で共有されなければ使われず効果も期待できません。そのため、営業プロセスを営業組織全体で共有することは大事なポイントとなります。情報共有や情報の参照は時間もかかるため、手軽で効率的な方法でないとなかなか組織に浸透しません。

営業管理システムは、SFA(Sales Force Automation)とも呼ばれ、営業組織のためのシステムです。営業プロセスの作成・管理や顧客管理、日報、コミュニケーション機能などによる効率的な情報共有やマネジメントが可能です。モバイル端末に対応しているものも多く、すきま時間に手軽に情報を共有できます。チームや個人の進捗や成績を「見える化」するシステムなら、管理者のマネジメント業務の効率化にも有効です。

営業プロセス管理の注意点

営業プロセス管理の実施にあたっては、いくつか注意しなければならない点があります。

まず、「プロセスをシンプルに」することが大切です。細かすぎるプロセスは把握や管理を煩雑にし、改善が難しくなってしまいます。

また、「顧客側の購買プロセスと自社の営業活動の整合性」についても考慮が必要です。営業側の論理で一方的に営業プロセスを作ると、顧客に響かず「押し売り」になってしまう可能性がありますので注意しましょう。

そして、営業メンバー全員に「研修やトレーニングを行う」ことが大切です。特に営業プロセスに変化があった場合には、その根拠や具体的なアクションについてしっかり教育を行い、メンバーが正しく理解して現場で判断できるようにしましょう。

まとめ

営業プロセス管理は、営業活動における上司やメンバーの属人性を排除して、組織全体の営業活動のレベルアップを促すために効果的です。短期的にはプロセスの整理やマネジメントの必要から手間もかかります。しかし中長期的には、組織全体のレベルアップによって、営業力の向上が期待できます。

営業プロセスの管理にあたっては、手軽で効率的な情報共有が求められるため、営業プロセスを管理できるSFAやERPのようなシステムも導入すると安心です。


Microsoft Dynamics 365名刺連携テンプレート
SFAに名刺連携サービスが必要な“本当の”理由

RECENT POST「CRM」の最新記事


営業プロセスの管理に必要な視点とは?