Microsoft Dynamics 365 Business Central (旧 Dynamics NAV)とは?概要と機能について

 2021.01.27  BizApp チャンネル編集部

Microsoft Dynamics 365 Business Central(旧:Dynamics NAV)」は、マイクロソフトが提供する中小企業向けオールインワンERPソリューションです。当記事では、数多くの企業に選ばれている本製品の仕組みや、機能について詳しく解説します。

Microsoft Dynamics 365 Business Central(旧_ Dynamics NAV)とは?概要と機能について

Microsoft Dynamics 365 Business Central(: Dynamics NAV)とは

Microsoft Dynamics 365 Business Central(以下Dynamics 365 BC)」は、販売・購買・在庫・生産・会計などの業務モジュールが高度に統合された、中小企業向けERPパッケージです。SMB向けERPである「Microsoft Dynamics NAV」の全機能を継承し、クラウド化することで、Dynamics 365シリーズの新たなラインナップとして提供がスタートしました。

本製品は多言語・多通貨対応、IFRS対応機能をそれぞれ備えており、全世界196ヵ国22万社を超える導入実績を誇ります。ターゲットは250名以下の中小企業であり、高い機能性と親しみやすいユーザーインターフェースが特徴です。導入後も必要に応じて拡張が可能なため、手軽な価格でERPが導入できる点もメリットです。

絶え間ないビジネス変革時代において、企業と顧客、工場とフィールドサービス、店舗とサプライチェーンなど、顧客・製品・人・データをつなぐことはとても重要です。Dynamics 365 BCの導入により、企業のサイロ化された業務システムを脱却し、横断的な業務の把握が可能になります。

Microsoft Dynamics 365 Business Centralの特徴

Dynamics 365 BCSaaS版とオンプレミス版に加え、双方を適宜組み合わせたハイブリッド運用にも対応しています。そのため、企業の体制やコストに合わせて、柔軟に運用形態を選択できます。

また日本版(通称J-Pack)は、標準英語版をベースに独自開発したパッケージです。メニューやツールバーの日本語表示はもちろん、日本の商習慣に対応した帳票やレポートを実装しているため、経理・財務・会計業務を幅広くサポートします。

モバイルERPとして利用できる

Dynamics 365 BCは、タブレットやスマートフォンからの利用も標準でサポートしているため、外部現場・倉庫内・移動中など利用場所を選びません。たとえば、商談中に最新の在庫状況や納期を確認できたり、出張先でも申請伝票を決裁できたりします。

また、工場ではタブレットを片手に棚卸作業し、その場で結果を入力できるなど、業務効率のアップに貢献します。Dynamics 365 BCのモバイル活用により、OSやデバイスを選ばない新しいワークスタイルが実現できるでしょう。

日本向けランゲージ&ローカライゼーション・パック
Dynamics 365 Business Central 業務要件をいかに標準機能に落とし込むか

グループ経営管理に対応する2ERPモデル

企業の経営管理業務は、支店や拠点が増えるほど複雑化するため、従来はグループ全体で同一の大規模ERPを導入する手法が一般的でした。しかし、支店や拠点が母体とは異なる事業を展開していたり、商習慣が異なったりする場合、大規模ERPの導入がかえってマイナスに作用するケースも発生します。

業務とシステムのギャップを埋める作業や、撤退による投資対効果などのリスクを回避するには、「2ERPモデル」が有用です。2ERPモデルとは、大規模ERPを「コアERP」と位置づけ、それとは別に、拠点単位で柔軟に対応できるERPを別途導入する方式のことです。

Dynamics 365 BCは中小企業向けのコンパクトなERPであるため、「2ERPモデル」に適しています。現地の商習慣や法律に対応しながら、組織の成長に合わせて機能拡張やパフォーマンス増強などを柔軟に行えます。

Microsoft Dynamics 365 Business Centralの機能

Dynamics 365 BCの各種機能により、データの整合性や操作性が向上し、さまざまな業種や業務の標準化・効率化を実現できます。

財務管理機能

支払遅延を予測する拡張機能により、キャッシュフローや固定資産、予算編成やプロジェクトの原価計算など、財務データをより適切に管理できます。また、一般会計・売掛金・買掛金・固定資産に関する一連のデータを連携し、月末・年度末の決算に必要な時間を短縮、さらにPower Automate(タスク自動化ツール)により承認のワークフローを合理化することも可能です。

組み込みレポート・ExcelMicrosoft Power BI(ビジネス分析サービス)と、無制限のデータ分析コードを使用することにより、財務状況をリアルタイムで可視化します。それにより、財務パターンの特定や傾向分析、事業計画の改善が可能です。正確なインサイトが取得できるため、より収益性の高い財務上の意思決定が実現します。

Dynamics 365 BCは会計業務や予算管理、財務レポートなど、あらゆる業務を一手に完結させられるアプリケーションです。財務管理に関わる一連のプロセスを可視化できるため、高い可監査性を実現し、組織全体のコンプライアンス強化にもつなげられます。

営業管理機能

Microsoft Outlookと連携して、営業プロセス全体を管理します。見積もりから納品、現金獲得までのプロセスを迅速化し、その都度フルフィルメントに関する情報に素早くアクセス可能です。

商談の数や見込み金額など、顧客プロファイル情報を紐づけることにより、顧客が重視するポイントを解析します。それにより、最良なタイミングでのアップセル・クロスセル情報の獲得が可能となり、クロージングのタイミングや商談の補充など、戦略的な判断の材料として活用できるでしょう。

また、顧客との一連のやりとりは、すべてマーケティング機能により追跡されます。見込み客に優先順位をつけられるため、顧客別にどの程度のリソースを割くべきかが判断可能となり、今後の勝率アップにつなげられます。

プロジェクト管理機能

プロジェクト単位で事業展開している場合、プロジェクトごとの原価計算や収支管理には膨大な時間がかかります。人件費や外注費などを正確に把握しながら、先を見通す作業は極めて煩雑です。

Dynamics 365 BCには、稼働状況を計算するタイムシートと綿密な原価計算機能が備わっているため、プロジェクト全体が適切に管理できるようになります。また、顧客に対する見積もりから請求までの流れが合理化されるので、実務に集中できる環境をつくれます。

プロジェクトごとにデータを蓄積し、予算を算出するため、コストが明確になれば、適宜予算に修正を加えられます。レポート機能により、マネジメント層がリアルタイムで収支をチェックできるため、収益性の確保にも貢献します。

サプライチェーン管理機能

組み込みのインテリジェンス・売上予測・在庫切れ予測機能が備わっているため、適正在庫をリアルタイムで可視化し、リスクとなる余剰在庫が減らせます。それにより、発注書の自動作成も可能です。

また、発注書の作成や与信チェックの督促など、一連の業務を1つのメニュー画面で完結できます。ユーザー自身が業務フローに合わせて作成・編集することも可能であり、負担の少ないシンプルな操作性と画面設計が魅力です。

Dynamics 365 BCは、在庫レベル・リードタイム・発注ポイント自動計算などにより、精度の高い循環棚卸が実現します。そして、生産や在庫の適切なレベルを維持しながら、サプライチェーン全体の合理化が可能です。需要の減少・増加どちらにも柔軟に対応できるため、最適な製品ライフサイクルを管理するうえで、必要不可欠なシステムといえるでしょう。

まとめ

取り扱うデータ量が増えている現代では、主要な業務を一元管理できるERPのニーズが年々増しています。自社の業務効率化やリソース最適化を検討中であるならば、会計・受発注在庫管理・製造・プロジェクト管理など、基幹業務を統合するための機能が最適化された形で組み込まれた、Dynamics 365 BCの導入をおすすめします。


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