開発

Microsoftが提供するPower Platformとは一体何なのか?簡単に解説!

本稿ではMicrosoftが提供するPower Platformについてご紹介します。Power Platformは、PowerApps、Microsoft Power Automate、Power BIから成る、データ収集から解析・予測までローコーディング(最低限のコーディング)で実現するプラットフォームです。近年、エンドユーザーやシステムインテグレータから最も注目されているプラットフォームであり、今後急速な普及が期待されています。

Microsoft PowerApps はじめてのアプリ開発

Power Platformについて

前述のように、Power PlatformはPowerApps、Microsoft Power Automate、Power BIという3つのソフトウェア・サービスから構成されています。それぞれを簡単にご紹介しましょう。

①PowerApps

本格的なビジネスアプリケーションをローコーディングで開発するためのソフトウェア・サービスです。ビジネスに必要なアプリケーションを簡単に開発し、現在使用しているビジネスアプリケーションの拡張機能や変更が容易に行えます。PowerAppsで作成したビジネスアプリケーションは、Microsoft製品との緊密な連携によりDynamics 365Office 365での生産性向上を実現し、SharePoint Onlineなどのカスタマイズにも使用できます。

②Microsoft Power Automate

増え続けるビジネスアプリケーションとクラウドサービス全体において、ワークフローの自動化を実現するソフトウェア・サービスです。Microsoft Power Automateでサポートされている豊富なコネクタを繋げることでワークフローの自動化を実現し、基幹システムとの統合も可能です。

③Power BI

組織全体にさまざまなインサイト(洞察)を生むための、データ分析に特化したソフトウェア・サービスです。多様なデータソースに接続し、データを統合・分析し、美しいレポートを作成して組織はWebサイトやモバイルデバイスで簡単に公開・閲覧できます。Excelのような使い心地で分析ができるため、数あるBI(Business Intelligence)ツールの中でも多くのビジネスパーソンにとって最適なサービスです。

このように、Power Platformでは3つのソフトウェア・サービスによって日々のビジネスを支援することができます。

こちらの「Power BIとは」に関する記事で是非ご覧ください。

一般的な企業が抱えるIT関連課題

昨今、絶え間なく変化するビジネスにおいて統合的なビジネスアプリケーションへの需要は増大しています。にもかかわらず、IT人材不足やレガシーシステム等が足かせになっており、IT担当が開発するビジネスアプリケーションは需要よりも5倍遅いと言われております。それによってビジネススピードの加速を阻んでいます。従って、企業では以下のような課題があります。

1.業務プロセスにおけるデータのサイロ化

ビジネスにおいてデータが重要な価値を持つことは既に認識されています。しかし、多くの企業では業務プロセスにおいてデータがサイロ化(分断化)しており、データを有効活用できていません。

2.ビジネスニーズに合わないビジネスアプリケーションの採用

日本企業では長らく部門ごとの個別最適化が進められ、それぞれの業務プロセスを効率化するためだけのビジネスアプリケーションが採用されてきました。それにより起こったのがアプリケーション同士の連携不足であり、統合的なシステム環境の構築を阻み、ひいてはデジタルトランスフォーメーションの実現を阻害しています。

3.紙による膨大なプロセス

業務プロセスごとに紙のドキュメントを発行していることで、業務効率が非常に低下しています。紙のドキュメントを削減するだけで企業は大幅に業務効率をアップさせ、高い生産性を手にできます。

4.複雑な業務プロセスでのエラーと非効率性

ビジネスアプリケーションがサイロ化されている環境では、業務プロセスが非常に複雑化してしまいます。それによってエラーが生まれ、非効率性が生まれ、ビジネスに多くの悪影響を与えます。

5.IT部門と業務部門が連携できていない

IT部門と業務部門での連携が不足するので、サイロ化されたビジネスアプリケーションや業務プロセスが原因です。IT部門のサービス提供とフィードバックはもっと迅速化すべきであり、両者が連携することでビジネスニーズに即したアプリケーションを構築していくことができます。

6.シャドーITの横行

IT部門が許可していないビジネスアプリケーションの活用をシャドーITと呼びます。その原因の多くは、業務部門のニーズを満たすようなビジネスアプリケーションが不足していることです。シャドーITが横行することでセキュリティリスクは増大し、情報流出など重大事件が発生する可能性があります。

7.データを活用した迅速な経営判断

近代ビジネスではデータを主体として経営判断が最も重要だと考えられています。経営者や経営層は、組織のデータ全体を俯瞰しながら経営戦略・事業戦略を立て、適切な舵切りを行っていく必要があるのです。しかし、データと業務プロセスがサイロ化している企業では、経営者が必要なデータを必要な時に活用することができず、迅速な経営判断が困難になっています。

Power Platformによる解決

上記のように、多くの企業はIT関連の課題を抱えています。Power Platformはこれらの課題に対して、どういったソリューション(解決)を提供するのでしょうか?

1.迅速かつ正確なデータの統合・分析・レポート

Power PlatformではPower AppsおよびPower BIを活用することによって、組織内にあるデータを迅速かつ正確に統合し、簡単に分析を行い、自動的にレポートを作成することが可能です。レポートは視覚的に美しいと感じるレイアウトであり、多くのインサイトを与えてくれます。

2.業務プロセスの自動化によるエラーと非効率性の排除

Microsoft Power Automateではサポートされているコネクタを組み合わせたワークフローの自動化を図ることはもちろん、カスタムコネクタによってERP(Enterprise Resource Planning)等と連携し、業務プロセスの自動化も可能になります。それによって業務プロセスのエラーと非効率性を排除します。

3.ビジネスニーズを捉えた素早いアプリケーション開発

Power Appsはノンコーディングでビジネスアプリケーションを開発できるため、業務部門が主体となって開発することが可能です。また、IT部門と業務部門が連携しやすく、ビジネスニーズを捉えたアプリケーションを素早く開発することで、ビジネス促進を図ります。

4.全体管理によるセキュリティリスクの軽減

Power PlatformではIT部門が中央からサービスを管理でき、シャドーITの横行を防いだりしてセキュリティリスクの軽減に貢献します。セキュリティリスクが低いことで安心してビジネスを遂行することができ、日々の精神的負担も軽減されます。

5.ペーパーレス化による生産性向上

Power Platformによって紙の業務プロセスを削減することでペーパーレス化を実現し、高い生産性向上を手に入れられます。また、紙印刷コストが減ることで組織的なコスト削減に繋がります。

いかがでしょうか?Power Platformはこのように、多数のソリューションを提供します。この機会に、皆さんの会社でもPower Platformによる新しいビジネス環境を構築してみてはいかがでしょうか?

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