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ERPの導入期間や費用を左右するアドオン開発を絞り込む

今回はERPの導入にはどのくらいの期間がかかるのか、費用を抑えるにはどうすればいいのか、などについて解説します。ERPは多くの企業が導入しており、今後、業務効率化の必須ツールとなっていくでしょう。

一方で、ただ導入すればいいというものではありません。ERPの導入期間がどれくらいかかるのか、費用はどの程度かかるのかなどを事前に把握しておく必要があります。

ERPの導入期間や費用を左右するアドオン開発を絞り込む

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ERP導入の期間と費用

まずは、ERPの導入にはどの程度の期間がかかるのか、また費用はどの程度かかるのかについて、解説していきます。

導入期間はどのくらいかかるか?

一般的に、ERPの導入にかかる期間の目安は、3ヶ月から1年半程度と言われています。期間の幅がかなり広いですが、これは企業規模によって異なるからです。中小企業の場合は、だいたい6ヶ月前後のことが多いですが、大企業の場合は、1年半以上の期間がかかることもあります。

大企業でERPの導入期間が長引く理由は、「システムの規模が大きくなること」「必要な機能が多くなること」「失敗した場合の損害が大きくなるため、テストにも力を入れること」などが挙げられます。

企業規模が大きいほどERPの導入効果は大きくなると考えられますが、その分、導入にも時間がかかることを覚えておきましょう。

また導入の前に、「社内で導入計画を立て、それが自社の正式な判断として承認されるまでの期間」や、「その計画を提案依頼書(RFP)としてまとめ、ERPベンダー各社に送り、それに沿ってシステム案を構成してもらうまでの期間」もあります。これらの作業にも数ヶ月~半年かかるでしょう。

さらに導入後も、自社従業員をベンダーにトレーニングしてもらったり、種々のデータがシステム上で問題なく扱える状態が整っているか何度もテストしたり、というような本格運用前になすべきステップも少なくありません。

結果的に、導入を検討し始めてから完全な形で運用できるようになるまでは、2年程度見ておいたほうがいいでしょう。

費用はどのくらいかかるか?

次にERPを導入する際の費用について見ていきます。ERPを導入する費用は、10万円程度から1億円程度と幅がかなり広いのが特徴です。

ひとことにERPといっても、その内容はさまざまで、種類によって機能もかなり異なるため、費用の幅が大きくなっています。予算をかければかけるだけよくなるというわけではありません。自社にとって必要な機能に絞り、コストパフォーマンスを最大化することが重要です。

中小企業であれば、10万円から100万円程度に収まる場合が多いです。得られるメリットを考えると、導入のコストパフォーマンスは高い場合が多いと言えるでしょう。また、なるべくコストを抑えたいのであれば、クラウド側のERPを導入するのがおすすめです。

クラウド型であれば、自社のサーバーにシステムを構築する必要がなく、クラウド上にある外部のサービスを利用する形になるので、コストを抑えられます。

一方で、自社サーバーに導入するタイプのオンプレミス型には、月額費用がかからず、かつカスタマイズが自由にできるといった特徴があります。

ただし、オンプレミスのカスタマイズには費当然用がかかるでしょう。1機能あたり100万円程度から1,000万円程度が相場になっています。

コスト増大の最たる理由はアドオン開発

アドオンとは、既存のソフトに拡張機能を追加することをいいます。アドオン開発は、もともとパッケージとして用意されているソフトに、自社独自に必要な機能を追加する開発のことです。

既存のパッケージソフトで機能が満たされていれば、アドオン開発の費用は安く抑えられます。反対に、もともとのパッケージソフトの機能では足りない場合には、アドオン開発の費用が膨らんでいくことになります。

もとのパッケージソフトの導入費用+α程度で見積もっていると、アドオン開発によって想定の倍以上の費用がかかってしまったというケースも少なくないので、注意が必要です。

ERPシステムを自社にフィットした形で導入・運用するためには、アドオン開発が必須と言えます。なかには1000を超えるアドオン開発を行う必要があるケースもあります。特に外資系ERPパッケージを日本企業が利用する際には、数多くのアドオンソフトが必要になることが多いです。

ほかには、導入した後で、自社の業務内容とシステムとがうまくフィットしないことに気づき、開発工数が増大するケースや、現場の従業員たちにインターフェースが不評で、なかなか浸透しないといったケースが挙げられます。

これらの問題は、現場の従業員からの声を集めて、ERP導入目的を明確化したうえで、システムを選定することで防止できます。

またアドオンと似たものにカスタマイズがあります。アドオンとカスタマイズの違いは、新たな機能を追加するのか、既存の機能を作り変えるのかといった違いです。カスタマイズにも費用はかかりますが、ゼロから作るアドオンのほうが、費用はより高くなります。

そのため、カスタマイズで賄える部分はカスタマイズで代替したほうがいいと言えるでしょう。ただし、カスタマイズが複雑になりすぎると費用も手間もかかることもあります。その際は、アドオン開発をしたほうが有効な場合もあるでしょう。

コストカットの鍵はアドオン開発の削減!

アドオン開発によってERPの導入費用が膨らむケースに対しては、アドオン開発を極力減らすことでERP導入費用の削減をすることが可能です。では、具体的にどうすればアドオン開発を少なくできるのかについて解説していきます。

必要最低限のアドオン開発を絞り込む

ERPでアドオン開発になりやすい業務要件は以下の3つです。

  • インターフェース
  • 帳票
  • 業務機能

まず、インターフェースについては、ERPの外のシステムとの間でデータ授受を行う部分であるため、アドオン開発を削減するのが難しいです。また対外帳票は、顧客からフォーマットが指定された際の対処方法として、アドオン開発で対処することが多いので、アドオン開発が必要なものがほとんどになります。

対して、社内向け帳票については削減の余地があります。業務機能では、アドオン開発になるかどうかは個々の要件の内容次第で変わってきます。あらかじめ、よくベンダーに相談することで、標準機能へ落とし込んでもらえることがあるということを覚えておきましょう。

テンプレート活用

ベンダー側がいろいろなテンプレートを備えている場合には、あらためてアドオン開発を依頼せずとも、それらの組み合わせで業務機能を拡張できることがあります。「自社が求める業務遂行能力について、標準機能でどこまで対応可能なのか」「テンプレートでどこまで対応可能なのか」などを、ベンダーとよく相談して検討する必要があります。

そのうえで、標準機能とテンプレートで解決できない部分だけに、アドオン開発で対処していくといいでしょう。

またテンプレートを幅広く用意しているベンダーを選択するのがおすすめです。そうすることで、アドオン開発が少なくて済み、導入費用を抑えられる可能性が高いからです。

帳票関連業務の削減

社内帳票とは「どんな取引があったのかを示す社内向けの書類」のことです。請求書や領収書などが該当します。このような社内帳票を紙で印刷してストックしておくことは、ムダな行為です。社内向けの書類は、基本的に従業員が見られれば問題ないので、わざわざ紙媒体で印刷する必要はないのです。そうしたことのためにアドオン開発を行うのを非常にもったいないことと言えるでしょう。

対外帳票用のアドオン開発を削減するのは難しいので、費用を削減したい場合には、社内帳票のアドオン開発を削減する必要があります。またアドオン開発で機能追加するのではなく、そもそもその業務をなくすことができないかという視点も必要になってくるでしょう。

ERPベンダー選びのポイント

次にERPベンダー選びのポイントを紹介しましょう。テンプレートがどれほど充実しているのか、コンサルティング能力はあるのかなど、選ぶポイントがいくつかあります。ここからは、その詳細を解説していきます。

豊富なテンプレートを備えている

業務機能についてアドオン開発の削減を目指すのであれば、「ベンダー側でどれだけテンプレートを備えているのか」「自社が必要とするテンプレートを備えているのか」を確認することが重要です

テンプレートが少ないとアドオン開発で補う必要があり、その分、費用がかかるからです。アドオン開発が多くなってしまうと、ゼロから自社独自のシステム開発を行うのと同じくらいの費用がかかる可能性もあります。

コンサルティング能力を重視して実績を見る

アドオン開発を減らして標準機能に落とし込めるかは、ERP自体の性能というよりも、ベンダー側のコンサルティング能力に大きく依存していると言えるでしょう。ベンダーを選ぶ際は、ユーザー要件を正しく理解し、その要件をなるべくアドオン開発せずに、ERP製品で実現するコンサルタントをしてくれるかどうかを重視して、選ぶことが重要になります。

この点を軸にして、ベンダーの実績を確認したり、問い合わせを行ったりするといいでしょう。一方で、単に導入例の多さや、機能の豊富さを見て決めることはおすすめできません。自社に最適な形で導入しなければ、コストがかさむだけでなく、使いにくいツールになってしまうからです。

一般的にいいかどうかよりも、自社に最適なERPにしていくことが重要になります。自社に最適なERPにするためには、適切なコンサルティングが必要不可欠です。自社のことを理解して、有効な提案をしてくれるベンダーを選びましょう。

おすすめベンダーの一例:TECTURA

おすすめのベンダーとして、株式会社テクトラジャパンが挙げられます。株式会社テクトラジャパンは、TECTURAというサービスを提供しており、特に「中小企業向け」ERPソリューションに力を入れています。

また株式会社テクトラジャパンでは、さまざまな専門分野で経験豊富な経営陣・投資グループが、世界各国の顧客に高品質なカスタマーケアとサポートを提供しています。アドオン開発削減に関して疑問がある際は、株式会社テクトラジャパンにぜひ相談してみてください。

まとめ

ERPを導入することによって業務効率化を図ることができますが、一方で、導入に失敗すると費用がかさむだけでなく、効果を得られない可能性もあります。コストパフォーマンスを最大化するためには、自社の業務を理解したうえで、適切な提案を行ってくれるベンダーを選ぶことが重要です。

またテンプレートが豊富で、なるべくアドオン開発を行わなくて済むものを選ぶことで、アドオン開発を削減できます。ERP導入前には、自社で入念に検討をして、悔いのないものを選ぶようにしましょう。

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