企業の海外進出のトレンドと背景

 2019.11.25  BizApp チャンネル編集部

少子高齢化などの影響を受け、日本の経済市場を飽和状態にあると考え、海外進出によって新しい市場を開拓しようとする企業が年々増えています。特にASEAN10への進出が盛んであり、JETROによれば全地域に占めるASEAN10の割合が7年連続拡大しているそうです。その他、現地従業員数も増え続けており、日本企業の海外進出が如何に活発化が見て取れます。

引用:JETRO『第48回 海外事業活動基本調査概要

海外進出の際に気になるのが、「今のトレンドは何か?」ということです。日本企業の海外進出は昔から行われてきたことですが、時代ごとのトレンドがあります。以前は安価な労働力を求めて海外進出した企業も、人件費高騰により今では撤退を余儀なくされたケースが少なくありません。

トレンドを知ることは、ビジネス目標を効率よく達成するための手助けになります。今後の海外進出を計画している場合は、ぜひそのトレンドについて知っていただきたいと思います。

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これまでの海外進出トレンド

日本企業の海外進出が始まったのは1990年代からであり、もちろんそれ以前からも海外へ進出する動きはありました。しかし、中小企業を含め多くの日本企業が海外進出を始めたのは1990年代に入ってからのことです。

当時はインターネット環境が徐々に整備されたことから、メールを中心としてコミュニケーションが取れるようになり、現地法人を幾らかマネジメントしやすくなったことから海外進出への機運が高まったと考えられます。

それ以上に大きな理由なのが「中国での工場設立」です。当時、中国は世界の工場とも呼ばれ、安価な労働力を求めて世界各国の有名企業から、日本の中小企業も盛んに進出していきました。それに伴い、日本企業はアジア諸国への進出もどんどん開拓していきます。日本はASEAN各国と友好的なケースが多く、日本企業が受け入れられやすいという文化があったため、スムーズな海外進出に成功することが多かったでしょう。

当時、日本企業が海外進出を行う目的は、いずれも「安価な労働力」を求めることが多かったと思います。これ以外にも販路拡大を目指して、北南米や欧米へと駒を進め、巨大なマーケットに進出しようとする企業も増えていきます。

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変化する海外進出のトレンド

多くの日本企業は、製造にかかるコストを削減するために海外進出を目指し、中国がその中心となっていました。しかし、当国にて人件費の高騰や諸外国からの注目も集まり、海外進出先としての魅力は徐々に薄れていきます。そのため、新しい海外進出先として中国以外のアジア諸国を開拓する動きが活発化していきます。

しかし、2010年代を過ぎてからはアジア諸国でも国策として人材教育に力を入れ、ベトナムではエンジニア育成により人件費が高騰をはじめ、中国以外のアジア諸国でも安価な労働力を求めることが難しくなっています。それでも、日本国内で製造するよりは低コストですから、現在でも多くの企業が中国を含めアジア諸国に製造拠点を持っています。

中国やその他のアジア諸国で人件費が高騰したという問題は、実は新しいビジネスチャンスを生んでいます。それは、GDPが上昇し消費が活発化したことから、安価な労働力を求めるのではなく、販路拡大として中国やその他のアジア諸国へ進出する企業が増えたことです。

中国は今や世界で最も大きな経済市場として注目されていますし、その他のアジア諸国も負けじと市場を拡大しています。日本の経済市場が飽和状態にあることを受けて、北南米や欧米へ進出するのではなく、身近でパワフルな市場を持ったアジア諸国に進出する企業が増えているのです。

その証拠に、ASEAN10(ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム)への進出が年々拡大しています。外務省の調査によれば、対日関係についてASEAN全体で「とても友好関係にある」「どちらかというと友好関係にある」とした人は89%に上り、日本との関係に肯定的なイメージを持っている国が多くなっています。

また、日本への信頼度に対して「とても信頼できる」」「どちらかというと信頼できる」と回答した人は全体の91%になりますので、日本に対する評価が高いことも確認でき、日本企業の海外進出がスムーズに受け入れられている傾向にあります。

参照:外務省『ASEAN(10ヵ国)における対日世論調査結果

拡大する海外企業とのM&A

昨今の海外進出トレンドとして注目したいのが、「海外企業とのM&A(統合/合併)」です。実は中小企業においても、海外におけるM&Aが活発になっており、戦略的に海外進出を行っている企業が増えています。

2012年2月に誕生した阿部政権によるアベノミクスでは、成長戦略キーワードとして「海外進出」を掲げており、現在では様々な助成金制度を通じて日本企業の海外進出を後押ししています。さらに、欧米諸国では日本食や日本車といったJAPANブランドが人気を集めていることもあり、そうした市場開拓のためにM&Aを選択する企業が多いでしょう。

また、「為替変動」も大きな原因を与えました。2016年6月にはイギリスにて、国民投票の結果から51.9%の投票者がEUを離脱することを選択し、世界中で大きな割になりました。このブレグジット(イギリスのEU離脱)を受け、世界の為替相場が一気に円高へと流れ、翌日には1ドルあたり99円という価格まで下がります。

これにより、危機を察知した世界の投資家が円を買い求め、さらにその価値が上昇したことにより相対的に海外企業の価値が安くなりました。この際に日本企業と海外企業のM&Aが急増しています。

最近特に増えているのが、日本の中小企業による海外企業とのM&Aです。M&Aのメリットは「成長を買えること」にあります。世界には日本の中小企業と同じように、高い技術力やマーケットを持った中小企業が数多く存在しています。そうした企業とのM&Aを実施することで、その企業の技術力やマーケットを下地に海外進出を目指すケースが増えているのです。

また、M&Aによって新しい技術やマーケットを採り入れることで、自社ビジネスにも大きな影響を与えられることから、中小企業でもM&Aが増えています。

海外進出トレンドにアンテナを張ろう!

いかがでしょうか?海外進出のトレンドは時代ごとに変遷しているので、その都度アンテナを張り、新しいトレンドを採り入れながら海外進出を目指すことで、より良い方向へビジネスを運んでいくことができます。ただし、単にトレンドに流されるのではなく、しっかりとした目的意識を持って海外進出に取り組むことも大切なので、その点に十分注意してください。

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