中小企業が働き方改革に取り組む際におさえておきたいポイント

 2020.02.03  BizApp チャンネル編集部

「働き方改革」に対する取り組みの中で、大企業が押さえるべきポイントと中小企業が押さえるべきポイントは違います。

株式会社あしたのチームが中小企業(従業員5~30名未満)の経営者300人を対象に『働き方改革の取り組み実態』に関するインターネット調査を行ったところ、「働き方改革に取り組んでいる」という企業は都市部で30.0%、地方で33.3%に留まります。働き方改革に取り組めない理由として最も多かったのが「人材不足」であり、都市部では「売上・利益縮小への不安」も多くなっています。

では、中小企業は「働き方改革」へ取り組むにあたり、どういったポイントを押さえればよいのでしょうか?本稿では悩める中小企業経営者に向けて、そのポイントを解説します。

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中小企業が優先的に取り組むべき「働き方改革」

2019年4月より働き方改革関連法案が施行され、さまざまな法案が徐々に適用されていくことは周知の事実です。その中で中小企業が着目すべき法案とは何でしょうか?

労働時間規制

(ア) 時間外労働の罰則付き上限規制

大企業では2019年4月から適用されている時間外労働の罰則付き上限規制は、2020年4月に中小企業でも適用されます。これまで、労使協定を届ければ青天井だった時間外労働は、月45時間・年360時間を原則として、これを超えた場合に罰則が適用されます。

<その他特別な条件>

  • 上限を超えることができるのは年間6ヵ月まで
  • 単月100時間未満(休日労働含む)
  • 複数月平均80時間以下(休日労働含む)
  • 年720時間以下(休日労働含む)

(イ) 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)

基幹システムに関するお役立ち資料

原則として、月60時間超の時間外労働については50%以上の割増率で計算された割増賃金を支払う必要があります。しかし、中小企業では支払い能力などを勘案し、適用が猶予されていました。これが2023年4月よりすべての中小企業でも適用されるようになります。

(ウ) 管理監督者・裁量労働制適用者を含むすべての労働者に対し労働時間の適正把握義務

大企業・中小企業にかかわらず2019年4月より施行されています。これまで、ガイドライン上では努力義務とされていた労働時間の客観的把握が法制化され、原則すべての労働者についても労働時間適正把握義務が課されます。記録は3年間保持。

年次有給休暇取得義務化

年次有給休暇は法定通り「付与」していれば問題なく、その「取得」については労働者側の自由であり、企業側からの取得促進に関する規制はありませんでした。しかし、業務量の多さや「休暇を取りづらい雰囲気」などの原因から、労働者自ら休暇取得希望を申請するのが難しく、日本企業の有給休暇取得率は世界的に最低基準となっていました。

2019年4月以降は、年10日以上の有給休暇が付与されている労働者に対し、年5日以上の年次有給休暇の取得が義務化されています。この法案は大企業・中小企業にかかわらず同時に施行されています。

公正な待遇の確保

日本企業における非正規雇用労働者の給与水準は、時給換算で正規雇用労働者の6割程度とされています。この数値は世界的に見ても低く、非正規雇用労働者の仕事に対する意欲を阻害する大きな原因です。

日本には子育てや介護などの事情によって正規雇用労働者として働けない人材が多いものの、非正規雇用労働者との待遇差が大きいことで仕事への意欲が低下し、生産性が全体的に下がっている傾向があります。

この問題を解消するために、大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より公正な待遇の確保を促進するための「同一労働同一賃金」が施行されます。

以上が、働き方改革関連法案の中で中小企業が押さえるべき法案です。

当面の課題は「時間外労働の削減」と「生産性の向上」

時間外労働の罰則付き上限規制が2020年4月より施行されるということで、中小企業が今取り組むべき「働き方改革」といえば「時間外労働の削減」と「生産性の向上」です。というよりも、「時間外労働の削減」と「生産性の向上」はセットで考えるべき施策です。そのためにできることは何か?

業務実態の把握

中小企業では「業務量は減らせない、けれど労働者の増員も難しい」という問題があります。そこで、極力コストをかけない施策として業務実態の把握をまずは行い、業務の無駄を排除していくことが先決です。

企業内にある業務を網羅的に把握し、不要な業務に関しては積極的に排除します。簡素化できる企業は簡素化して、可能な限り効率的な業務プロセスを構築していきます。長く経営している企業ほど無駄が多くなってくるため、業務の棚卸と思って業務実態を把握し、整理してみましょう。それだけで生産性がアップして、時間外労働の削減に繋がる可能性があります。

BPR(業務プロセス再設計)

「時間外労働の削減」と「生産性の向上」を根本から実現するためにはBPRの実践が必要です。BPRとは、今ある業務を抜本的に改革して、効率的かつ柔軟性の高い業務プロセスを再設計する施策です。

BPRを実施することで業務プロセスを一度壊し、新しく構築できるため現在のビジネスに沿った新しい業務プロセスが作られます。また、業務とシステムの繋がりにも着目してシステム全体を再設計することで、より大幅な「時間外労働の削減」と「生産性の向上」効果が期待できます。

システム統合

中小企業でも実践でき、「時間外労働の削減」と「生産性の向上」にダイレクトに効くIT施策といえばシステム統合です。部門ごとに分断されている業務システムを統合すれば、データの二重入力や非効率性を排除した、組織全体が1つのビジネスを達成するために最適化された業務プロセスが作られます。

また、システムが統合されることによって運用管理負担が大幅に軽減されるため、IT人材の「時間外労働の削減」と「生産性の向上」にも効果的です。

「働き方改革」にクラウドERPを

中小企業がシステム統合を実施するにあたり、有効的な選択肢となるのがクラウドERPです。ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業がこれまで個別最適化を進めてきた業務システムを事前に1つに統合し、パッケージとして導入するシステムです。これをクラウドサービスとして提供するのがクラウドERPであり、クラウドERPの導入にはサーバー調達やネットワーク整備などは不要で、短時間かつ低コストでの導入が目指せます。

クラウドERPによって業務システムが統合されるので、統合的なシステム環境を比較的容易に構築し、「働き方改革」を実現するための大きな一手になります。さらに、クラウドERPならシステムの運用管理業務が不要なので、IT人材の生産性向上や運用管理コストの透明化などのメリットがあります。

当然ながら導入にコストはかかりますが、それを上回るほどの導入効果がクラウドERPにはあるので、「働き方改革」の実現を目指す上でぜひ検討してみてください。

「働き方改革」に踊らされない働き方改革~実践編~

SAP移行アセスメント
導入事例:日系企業海外展開、短期間ERP導入、ERP/CRM連携

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