HoloLensとDynamicsで実現する予兆保全とは?

 2018.06.29  BizApp チャンネル編集部

ドイツの「industry(インダストリー) 4.0」や米国の「IIC(インダストリアルインターネットコンソーシアム7)」など、製造工場にIoTを取り入れ、コンピューターによって様々なことを制御するという取り組みが増えています。日本でも多くの企業がスマートファクトリーに向けてIT活用を進めています。

昨年、日本マイクロソフトは三菱ふそうトラック・バスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を、IoTやAI(人工知能)およびAR(拡張現実)といった最新技術を用いて全面的に支援すると発表しました(「Microsoft HoloLens」を活用した開発やメンテナンスも――日本マイクロソフト、三菱ふそうトラック・バスをAIやIoTで支援)。社員や顧客、機器、トラック、工場をシームレスに接続することで生産性を高め、より高い付加価値を提供するという「Connected X」をコンセプトに基づいています。

こうした様々な技術を活用したスマートファクトリーへの取り組みの中でも注目されているのが「予兆保全」です。予兆保全とは、従来のように機械に故障が発生してから修理対応するのではなく、故障の前触れを予兆してメンテナンスを施すことで製造を止めないための取り組みです。

今回はこの予兆保全を実現するための方法と、Microsoft HoloLensを使用した新しい予兆保全についてご紹介します。

「予兆保全」と「予防保全」の違い

予兆保全は近代技術によって可能になった保全方法ですが、それに近しい保全方法は以前から存在します。それが予防保全です。予防保全はIoTなどを使わず、定期的な点検やメンテナンスによって機械の状態をチェックし、故障が発生しそうな個所を修理することで製造を継続するための保全方法です。

この予防保全と比べて、予兆保全には次のような利点があります。

≪予兆保全の利点≫

IoTによるデータ収集で修理が必要な時だけ対応する

フィールドサービスエンジニアの生産性が向上する

故障し得る個所が事前に分かるため初回対応完了率が上がる

基幹システムに関するお役立ち資料

定期的な点検やメンテナンスで製造を止める必要はない

テクノロジーを活用して予兆保全を実現すれば、予防保全に比べて圧倒的に効率良く機械の保全に当たることができます。最近ではフィールドサービスをマネタイズ(収益化)する動きも活発なので、予兆保全をサービスとして提供することで一つの事業を確立できます。

予兆保全による自社と顧客のメリット

予兆保全に取り組むことで得られる自社のメリットと、顧客に提供できるメリットについて説明します。

≪自社のメリット≫

予兆保全によって自社が得られる次第のメリットは「コスト削減」でしょう。実は、従来の予防保全には多くのコストがかかっています。たとえば、初回対応完了率を上げるために修理部品を大量に購入しておいたり、定期メンテナンスの度にフィールドサービスエンジニアを派遣するため人件費もかかります。

一方、予兆保全では必要最低限の修理部品と対応で済むためコストを削減できるというメリットがあります。もう一つのメリットはエンジニアの熟練度に関わらず問題を診断できるという点です。

フィールドサービスエンジニアが直接点検やメンテナンスを行う場合、そのエンジニアの熟練度によって故障の前触れが発見できるかどうかが違います。こればかりはエンジニアの経験に依存するものなので、マニュアルとして明文化するのはなかなか難しい問題です。

それに対し予兆保全を実施している環境では、データ収集によって故障の前触れを検知するため経験に依存することはありません。検知して予兆をフィールドサービスエンジニアに伝達し、それに応じたメンテナンスを加えるだけです。このためエンジニアの熟練度に関わらず初回対応完了率をアップできます。

≪顧客のメリット≫

予兆保全を実施することで顧客にもメリットがあります。一番のメリットはやはり製造をストップせずに機械のメンテナンスを実施できることです。たとえば故障が顕在化してから保守会社に連絡しても、その日中には対応してもらえない可能性があります。対応されても初回で修理できるとは限りません。

しかし、予兆保全を実施していれば故障する前に適切なメンテナンスを施してくれるため、ほとんど製造をストップすることはないでしょう。

以上のメリットから自社の生産性は向上しますし、顧客満足度も向上します。

[SMART_CONTENT]

予兆保全を実現するには?

こうした予兆保全へ取り組むためにはIoTとデータ活用プラットフォームが欠かせません。IoTとは「モノのインターネット」と呼ばれ、ネットワークに接続されデータのやり取りができる機器を指します。たとえばスマート家電やウェアラブルデバイスはネットワークによって他のデバイスとデータのやり取りをしたり、従来の商品にはない機能を提供しています。その点で言えばスマートフォンも立派なIoTデバイスです。

予兆保全に必要なIoTとはネットワークに接続された「センサー」です。機械の様々な要素をつねに監視して、データとして収集します。そのデータを保全会社に送信するわけですが、ここでデータ活用プラットフォームが必要です。

つまりIoTセンサーが収集したデータを受信し、監視対象となる機械の状態をその場で可視化するためのプラットフォームです。たとえばMicrosoft DynamicsはIoTセンサーから収集したデータを受け止め、その場で可視化するためのアプリケーションが備わっています。

Connected Field Service for Dynamics 365を使用すればIoTやAIと連携し、接続された機械が正常に稼働しているかを常に監視できます。予兆保全を実現するためにはこうしたIoTセンサーとDynamics 365のようなデータ活用プラットフォームが欠かせません。

[RELATED_POSTS]

Microsoft HoloLensを使用した新しい予兆保全

Microsoft HoloLensはマイクロソフトが提供するMRデバイスです。「MR(Mixed Reality:複合現実)」という技術は、レンズを通じて二次元データや三次元データを現実世界と複合するためのものです。

AR(Augmented Reality:拡張現実)やVR(Virtual Reality:仮想現実)を知っているという方は多いでしょう。MRはその中間に位置するような技術です。たとえば机の向こう側にあるデジタルコンテンツは机の脚の部分が見えなくなっているなど、現実世界に「ただデジタルコンテンツを張り付けるAR」とは違って、MRは現実世界により高度にデジタルコンテンツを組み込みます。

このMR技術を採用したMicrosoft HoloLensを使用すれば、オペレーターがフィールドサービスエンジニアのレンズに、リアルタイムで情報を送信しエンジニアはレンズを通じてメンテナンス個所の確認などが行えます。

予兆保全を検討している場合は、ぜひMicrosoft HoloLensの活用もご検討いただき、最新の技術でこれまでにない効果を実感してください。

新規CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「ERP」の最新記事


HoloLensとDynamicsで実現する予兆保全とは?
新規CTA
無料Eブックをダウンロード

RANKING人気資料ランキング

ブログ購読のお申込み

RANKING人気記事ランキング

RANKINGパートナー資料ランキング