生産性向上とは結局何なのか?

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 2017.10.02  Dynamics 365編集部

組織の中には多数のチームが存在します。それらのチームの中には、生産性が高いチームもあれば、低いチームもあるでしょう。なぜ、同じ組織に属していながら生産性に差が出てしまうのでしょうか? 

数々の先進的な取り組みで知られるGoogleは、2012年に「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる生産性向上計画に着手しました。 

その概要は同社の「人員分析部(People Analytics Operation)」が主体となり、生産性が高いチームの条件とは何か?、を突き止めることです。その結果、「心理的安全性」が重要だという結論に到達しました。

参考:講談社 現代ビジネス「グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ」 

これはつまり、従業員各人が「仕事用の仮面」を被り本来持つ感情を押し殺させるのではなく、「本来の自分」をさらけ出しそれを受け入てくれる、「心理的」に「安全性」の高い環境を整えるということです。

ただし、Googleのこうした結論を目の当たりにしても、従業員各人が本来の姿で働ける環境を整えられるような会社は、ほとんどいないのではないでしょうか?企業規模が大きくなるほど、その傾向は高まるかと思います。 

理由は日本企業の多くはGoogleのような先進的取り組みをしているわけではなく、堅実に、基本的なことに一つ一つ取り組んでいるためです。このため、生産性向上のためにいきなり「従業員みんなが歯に衣着せぬ意見を言える、フラットな環境を作ろう」という企業は少ないでしょう。

では、結局のところ「生産性向上」とは何なのでしょうか?今回は、企業の生産性について解説していきます。

そもそも「生産性(労働生産性)」とは何か?

まずは、曖昧に理解されがちな「生産性」について明確に定義します。 

生産性の定義には2つの考え方があります。それは、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」です。 

物的労働生産性とは、投入量(インプット)に対してどれくらいの生産量(アウトプット)があるかを示し、次のような式で計算します。

物的労働生産性の計算:生産量(アウトプット)÷投入量(インプット) 

製造業で例えるなら、商品を作るために投じた人員・材料・設備に対し、製造量はどれくらいか、ということです。 

一方、付加価値労働生産性とは「従業員「 人当たりの付加価値額」のことで、次のような式で計算します。 

付加価値労働生産性:(営業利益+人件費+減価償却)÷従業員数(もしくは労働時間数) 

この生産性の概念はほぼ「粗利益」に近いと言って良いでしょう。 

物理的労働生産性と付加価値労働生産性、どちらの生産性で考えるかに正解はありません。ただし、経済産業省が発表した資料を見ても、細かい生産性について考える際は後者を採用する場合が多いようです。

参考:経済産業省「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」 

従って、生産性を高める取り組みについて検討する際は、付加価値労働生産性を基準に考えるのが良いでしょう。

企業が持つ課題とは?

生産性向上が必要な背景には、企業が直面している様々な課題があります。

課題1.人口減少で労働力が少なくなっている

日本の総人口は、現在減少の一途をたどっています。総務省の発表によれば、2017年1月1日時点の日本の総人口は1億2,558万3,658人で、8年連続減少しています。

参考:日本経済新聞 Web刊「日本の人口、減少幅最大の30万人 東京圏集中も加速。人口動態調査1月1日時点、出生数は100万人割れ

一方労働人口はというと、2016年度には6,648万人だった労働人口も、約60年後の2065年には40%減少し4,000万人弱になると言われています。

参考:みずほ総合研究所「少子高齢化で労働力人口は4割減」 

こうした人口減少の影響を最も受けやすいのは、やはり中小企業です。中堅・大企業に比べて賃金が低くなるため、優秀な人材確保が困難になります。 

課題2.人材教育は費用がかかる上に、リターンが少ない?

優秀な人材確保をカバーするために、社内で人材教育を実施する企業も少なくありません。しかし、人材教育には費用がかかり、かつリターンが少ないことで、取り組みが上手くいかない企業も多いようです。

人材が非常に流動的な現代ビジネスでは、人材教育を実施したところで、労働環境のより良い企業に転職されてしまうケースがあります。それまでにかかった人材教育費は無駄になってしまうので、取り組みに躊躇し、結局優秀な人材を確保できないという負のスパイラルに陥るのです。

課題3.売上を増加しても会社の利益が上がらない

「売上が高い」ことと、「利益が出ている」ことはイコールでは繋がりません。前年よりも売上が増加しても、そこに投じるリソース量が多ければ相対的に利益は低くなります。実はこうした、「売上は増加しているのに利益が上がらない」という企業が増えています。

問題はリソース管理にあります。売上を増加するためにより多くのリソースを投じているため、生産性が低下し、結果として利益が上がらないのです。 

生産性を向上するために、今出来ることは?

冒頭で紹介したGoogleの「プロジェクト・アリストテレス」のように、社内の生産性が高まらない理由を究明し、かつ生産性向上のための一手を投じるという取り組みを実施できる企業は少ないかもしれません。 

そうしたプロジェクトに投じるリソースも時間も、限られています。それならば、今すぐ出来る生産性向上の取り組みを行う方が、よほど「生産的」です。 

ここで一つ生産性向上のために今すぐ出来ることを紹介すると、それは「業務システムの統合」です。企業は部門やグループが有機的に連携しながら日々のビジネスを行なっています。多くの企業ではシステムが分断されサイロ化しているため各部門や担当者が自身の業務を遂行するために同じようなデータをシステムに入力しています。これは無駄以外の何者でもありません。これらの課題は、フロントオフィスからバックオフィス業務まで一気通貫のシステムを用意することで解消されます。最初はERP導入のためのコストはかかりますが、結果としては利益拡大に繋がることが多いのです。

まとめ

大切なことは業務システム統合のように「見落としがちな、シンプルな取り組み」を忘れずに、自社にとって効果の高い生産性向上について考えることです。これを機に、足元の労働生産性向上に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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