プロフェッショナルサービスオートメーション(PSA)とは?その機能も解説

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 2017.07.28  Dynamics 365編集部

ソフトウェア開発、システムシステムインテグレータ(SI)、ITコンサルティングといったIT技術提供事業者が現在直面している問題と言えば、IT人材不足に伴うプロジェクトの複雑化です。経済産業省によれば、2016年時点で不足しているIT人材は17万1,000人。これが2030年には78万9,000人に膨れ上がるといいます。

引用:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

2020年から小学生のプログラミング授業必修化を検討しているという話もうなずけます。

今や現代ビジネスの一端を支えているのはまさにITだと言っても過言ではないので、国としてもIT人材不足に陥ることで、日本経済界全体が低迷する原因になると危惧しています。

このIT人材不足という問題の影響を、直に受けているのは国よりも企業です。リソース不足で遅延するプロジェクト、トラブルが続き赤字ギリギリになるなど、利益の出しづらい環境がどんどんと広まっています。

結果、委託業務や個人エンジニアの活用が増えます。しかしこれで問題が解決するわけではなく、プロジェクトの複雑化という新たな問題が生じます。プロジェクトに委託業務や個人エンジニアが多くなるほどに、コミュニケーションコストが多くなり、プロジェクトは複雑になってしまします。

こうした事態に、首が回らなくなってしまうプロジェクトマネージャーも多く、深刻な問題です。

しかし、これらの問題を解決する糸口になっているITソリューションがあります。それがプロフェッショナルサービスオートメーション(PSA)です。

プロフェッショナルサービスオートメーション(PSA)とは

PSAが注目されている理由は2つあります。1つは、プロジェクトに関わる人材リソースを管理できるという点です。それも、社内の人間か社外の人間かを問いません。つまりPSAを導入することで一種の“タレントマネジメント”を実践することができるのです。

2つめの理由は、プロジェクト全体を管理できることです。これまでプロジェクトの進捗管理をExcelなど従来のソフトウェアで行ってきた企業は多いと思います。しかし、Excelでは情報の更新と共有がリアルタイムに行えないという問題があります。結果として適切な管理がされず、プロジェクトに支障をきたしてしまいます。

PSAでは社内外の人間に関わらず進捗管理を行ったり、プロジェクト全体の進捗管理を行うことができます。

このようにPSAでは、プロジェクトごとの適材適所、社内外の人間を問わない人材管理、プロジェクト全体の進捗管理などの機能を活用し、IT業界が直面している問題に対応します。

PSAの主な機能

主に人材管理やプロジェクト管理といった機能が注目されているPSAですが、他にも様々な機能があるのでここで紹介しておきます。

財務管理

プロジェクト進行は常に財務、すなわち予算や原価などを意識しなければなりません。価格競争が激しい現代において、企業が効率良く利益を上げていくためには、徹底した予算・原価管理によってプロジェクトごとに利益率を挙げていかなければなりません。

しかし、実際の現場ではプロジェクトと財務が切り離されていることが少なくありません。プロジェクト管理のためのソフトウェアと財務システムが連携することはなく、財務を意識したプロジェクト進行ができていない状態です。

こうした状況に対しPSAではプロジェクト管理に加え、財務管理も提供します。マージン・利益分析といった分析機能によってプロジェクトごとの収益を予測し、財務レポートとして出力します。また、SPA上で請求書作成や収益確認が行えるので、プロジェクトに関わる財務業務を効率良く行えるのです。

人材管理

PSAの人材管理についてはすでに紹介しましたが、実は同機能によって解決できる問題が他にもあります。それば、IT人材の”離職率低下”です。IT業界は他業界に比べて離職率が高いと言われていますが、その原因がIT人材不足による、現場負担の増加です。

過酷な労働環境を強いられることによって、貴重なIT人材がどんどん離職してしまい、さらに過酷な労働環境になってしまいます。

PSAによって人材管理とプロジェクト管理を徹底すると、現場社員の負荷状況を把握し、必要に応じて平均化が行えます。IT人材にとって働きやすい環境を提供することで、離職率の低下が見込めるでしょう。

プロジェクト管理

プロジェクト管理では全体の進捗管理、財務管理や人材管理と紐づけた情報可視化が行え、プロジェクト全体の管理業務を効率良く行うことができます。

経費管理

SPAの経費管理ではプロジェクトにかかった経費を管理し、利益率確保のための分析を行うことが可能です。常に経費状況を確認することで、プロジェクトを進行しながら微調整を繰り返すことができます。

分析・レポート

最後に分析・レポートはプロジェクトの稼働状況などを可視化し、意思決定を迅速にするための情報を提供します。そのままレポートとして出力することも可能なので、プロジェクトマネージャーが上層部の意思決定を促すのにも便利です。

CRMやERPとの違い

PSAは、よくCRMやERPといったITソリューションと混同されがちです。ここでその違いについて説明します。

CRM(Customer Relationship Management)とは顧客管理システムのことで、顧客情報や商談内容など、顧客に関する様々な情報を一元管理するためのものです。これに類似したITソリューションでSFA(Sales Force Automation)というものがありますが、CRMが経営判断のための情報を提供するのに対し、SFAは営業活動を支援するためのシステムだと言えます。

従ってPSAとCRMは、根本として目的の異なるITソリューションだということは分かりますね。

一方ERP(Enterprise Resource Plannnig)は、CRMやSFAといった複数のITソリューションを、統合管理するためのものです。ERPにはCRM、SFA、財務会計システム、生産管理システムといった本来は分断化されたITソリューションが、包括されています。

また、製品によってはSPAを有していたり、またはそれに近しい機能を備えているものも多く、SPAよりも上位に位置するITソリューションだと言っていいでしょう。

ERPを導入することで社内のITソリューションを一つのものとして管理し、プロジェクトはもちろん様々な業務を効率良く遂行していくことができます。

まとめ

SPAは現在拡大中の市場です。特にIT人材不足が慢性化しているここ日本では、今後最もニーズが成長するITソリューションの一つだと言えます。IT技術提供事業者の多くが現状の問題を深刻にとらえ、解決するための方法を模索しています。しかし、成功している企業の方が少ないというのが現状です。PSAはそんなIT業界固有の問題を解決するITソリューションになるのか、今後も市場動向を追っていきたいと思います。

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