RPA導入後に失敗する理由とは?

 2020.07.20  BizApp チャンネル編集部

RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールによる労働時間削減効果は大きく、その企業における業務量次第では、年間で1万時間以上の削減に成功する例も存在します。しかしながら、RPAを導入した全ての企業がそうした成功を収めているわけではなく、中には導入後に「失敗した」としているケースも存在します。

RPAツール導入に失敗してしまう理由とは果たして何か?本記事では、これからRAP導入プロジェクトを始めようとしている方に向けて、その代表的な理由をご紹介します。失敗しないためのヒントとして参考になさってください。

RPA導入後に失敗する理由とは?

RPA導入後に失敗する理由

RPAツール(以降、RPA)はサーバーまたはパソコンに直接インストールするソフトウェアであり、既存システムにほとんど影響を与えることなく動作するため、導入自体に失敗するケースは少ないようです。しかしながら、導入後の運用に問題があり、失敗するケースが多々発生しています。それでは、その代表的な理由を確認していきましょう。

1.業務整理が終わらないままロボット活用に走っている

RPAには自動化できる業務とそうでない業務、効率効果の高い業務というのが決まっています。簡単に説明しますと日々発生するような定型業務であり、かつパソコン上で作業を完結できるものが優先的にロボットで対応すべき業務の代表格と言えます。

そのためには、社内全体の業務整理を改めて行ってからロボット作成に取り組む必要があるのですが、業務整理が終わらないままロボット活用に走ってしまっているケースが少なくありません。例えば、業務パターンを整理しないまま作成して実行するケースでは、エラー処理などが施されておらず結果として完了率が少なくエラーが頻発したり実態に即さない自動化により業務に混乱をもたらす可能性があります。

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2.ロボットが乱立しガバナンスが低下する

多くのRPAは気軽に自動化を実現できるメリットがあります。その一方で気軽さゆえのデメリットも存在します。例えば現場で何でもかんでもロボットを作成してしまい、システム部門が管理し切れないほどのロボットが乱立してしまうと、予想外の処理によってセキュリティリスクが高まるなど、組織全体のガバナンスが低下する恐れがあるのです。システム部門がRPAに関するトレーニングを実施するとともに、事業部門ユーザーのガバナンス教育を実施しながら管理すべき項目を明確にすることが大切です。

3.RPAへの依存性が高く業務停止のリスクがある

RPAの依存度が高いほど、業務がブラックボックス化されることがあります。そのロボットを作成した人がいない場合には、何が行われているのかを理解しないまま活用してしまいがちです。このようなケースにおいて、一度問題が発生すると業務停止のリスクが高まります。特に注意が必要なのが、顧客に提供する情報や取引に関する業務等にRPAを活用しているケースで、場合によっては顧客に多大な迷惑をかける可能性があります。このため、RPAへの依存性について常にモニタリングを行い、RPAが停止してしまった場合に手動で作業できるようにマニュアルを完備することが重要です。また、ロボットに関するドキュメントが残るようルールを策定しておきましょう。

4.スモールスタートを意識しすぎている

特定分野で運用からスタートし、実績を重ねて徐々に全社展開する「スモールスタート」は新規システム導入のセオリーであり、多くの企業が取り入れている手法の一つです。しかしながら、これを意識するあまりRPAの効果が出せないことが往往にして存在します。RPAは、人手による労働量が多ければ多いほど効果を発揮します。スモールスタートを考慮する場合に、全社的に見て微量な作業量の場合にはその効果も微量ということに注意しなければなりません。これは、スモールスタート自体が問題なのではなく、業務分析をしてRPA適用戦略が欠けていたことが問題のケースがあります。

5.事業部門主体でロボットを作成できない

RPAは、昨今では事業部門主体でロボットを作成するケースも増えてきています。ロボット作成にあたりシステム部門に頼ることなく、業務への理解が深い事業部門のユーザー自身がロボットを作成することは理にかなっているようにも見えます。しかし、全くの知識ゼロで作成できるものではありませんし、事業部門においては、RPAの操作は本業ではありません。そのため一度問題が発生するとリカバリーに時間がかかることもあるのです。

6.障害対応のマニュアルが作成されていない

RPAは開発者のプログラムを忠実に実行するロボットです。つまり、その設定が正しいことが前提となります。もし設定ミスにより問題が発生した場合やインプットが想定外なものの場合には、作業が停止することもあります。その際に重要なのが障害対応アニュアルですが、これを作成していないがために事が起きてから慌てて対応し、損失を招くケースもあります。

7.ロボットの作成に時間がかかり過ぎる

RPA導入に際しシステム部門が検証した結果、特定業務を自動化するためのロボットを作成するのに1〜2週間程度で作成でき、全社的な導入にも問題ないと判断するケースがあります。中には数時間で作成できるケースもあるでしょう。しかし、実際に導入してみるとロボット1つ作成するのに1ヶ月以上かかるというケースもあるようです。このロボットを作成する人材は業務やITについて詳しいことが前提となりますので人選にはご注意ください。

8.ロボット管理に想定外の時間がかかっている

RPAは、比較的気軽に作成し運用できるケースが多いプロジェクトです。それゆえに自動化のストーリーが複数存在して、それらを把握できなくなるケースが頻発しています。また、ロボットの管理に多くの時間を割かざるを得ない企業も増えています。そのような場合には、それらを統合的に監視できるような仕組みが必要になります。

RPAは導入後が勝負!事前の運用計画を忘れずに

RPAのPoC(Proof of Concept/概念実証)などに問題がなく、導入時も問題が発生しなかったとしてもRPAで最も重要な局面は導入後の運用です。ロボット作成に関するルールや手順、業務整理の方法、システム部門と事業部門の連携、障害対応マニュアル、そして、ガバナンス体制などをしっかりと検討しておかないと、いざ運用をスタートしても思うような成果が上がらないことがあります。本記事でご紹介したRPA導入後の失敗理由を参考に、導入前の業務分析や導入後の運用計画について熟考していただきたいと思います。

また、RPA導入後の成否はどの製品を選択するかによっても大きく変化します。前述したようにスモールスタートやコスト面を意識し過ぎるのではなく、まずは社内関係者「RPA導入によるビジネス的な成功とは何か?」を定義した上で、それに即したRPAを選択するよう心がけてください。

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