フィールドサービスエンジニアが故障による訪問回数を34%削減した理由を解説

 2020.07.27  BizApp チャンネル編集部

多くの産業で「顧客接点の改革」が始まっています。企業は中長期的かつ直接的に顧客と接するチャネルに集中的投資を行い、顧客体験の質を高めることで長期に渡った関係性を築くことが企業収益を最大化し、ブランド価値や顧客ロイヤリティを高めるKSF(Key Success Factor/重要成功要因)になると考えられています。

製造業における、「顧客接点」とは何か?従来は営業や販売がその役割を果たしていると考えられてきました。一方で、販売後の技術支援を担う「フィールドサービス」を重要な顧客接点と位置づけた顧客体験改善に期待感が高まっています。

本記事でご紹介するのは、そんなフィールドサービスに着目した「顧客接点の改革」です。株式会社ミマキエンジニアリングはなぜ、故障による訪問回数を34%も削減できたのか?具体的な事例も交えて解説していきます。

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フィールドサービスが抱えがちな課題とは?

近年、製造業におけるフィールドサービスの重要性を認識している企業が増えています。海外を中心としてフィールドサービスの「サービタイゼーション(サービス化)」事例が先行し、顧客との関係性を構築する上で極めて重要なチャネルであることを業界全体が理解し始めているのです。その一方で、最適化されたフィールドサービスの実現が容易ではありません。多くの製造業では、次のような課題を目の前にフィールドサービスへの投資に躊躇しています。

課題1. 初回訪問におけるトラブル解決

提供製品の故障やトラブルに応じ、現場へ駆けつけて解決するのがフィールドサービスエンジニアの役割です。理想は「すべての案件を初回訪問で解決する」ことですが、簡単ではありません。電話口で故障やトラブルの原因を追及することは難しく、結果として初回訪問や診断で終わり、後日解決に向けた作業をスタートするのが一般的です。また、何らかの形でトラブルを抱えている顧客との距離感も難しい状況にあります。

課題2. 持ち込み資料の削減

顧客先へ足を運ぶ際は、顧客情報が記載された資料や技術書類、設計書などを持ち歩く必要があるため生産性が下がることが否めません。持ち込み資料を削減することで作業効率は上がるでしょうが、ペーパーレス化に向けた環境などが整っていないケースが多いのが実情です。

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課題3. 対応内容のリアルタイムな記録

顧客先での故障修理、トラブル対応、定期メンテナンスなどを終えたフィールドサービスエンジニアが帰社後レポートを作成する頃には、その日の訪問件数によって具体的な作業内容やその結果など、忘れている部分が多いため正確な対応内容が記録できないといった問題が発生します。また、フィールドサービスエンジニアごとにレポートの書き方がバラバラでは、組織としてノウハウが蓄積されにくいなどの問題もあります。

課題4. 特殊トラブル発生時の問題解決の長期化

一定のマニュアルレベルでの解決ができずにより専門家の判断が必要になった場合には、一度帰社してから体制を整える必要があります。このようなケースにおいては問題解決までの時間が予想以上にかかります。

株式会社ミマキエンジニアリングがフィールドサービス改善に乗り出した背景と課題

長野県東御(とうみ)市に本社を置く株式会社ミマキエンジニアリンングは、業務用インクジェットプリンターとカッティングプロッタを製造・販売する世界有数のメーカーです。主にサイングラフィック(広告看板)、インダストリアルプロダクツ(工業製品・小物)、テキスタイル&アパレル(布地・衣料品)の3つを用途としており、販売及び保守サービスの提供先は世界約150の国と地域に展開しています。連結売上高に占める海外比は約75%と高く、大々的なグローバル化を実現しています。

こうしたビジネスを展開する同社にとって、製品販売後の技術支援を担うフィールドサービスは顧客と継続的な関係を維持するために極めて重要な業務だと位置付けられています。つまり、同社では製造業のトレンドに先駆けてフィールドサービスの重要性に着目していたわけです。

そこで、顧客満足度と業務効率化の向上性を評価するために故障当たりの訪問回数や修理時間などのKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)を設定し、管理していました。フィールドサービスを管理する手法としてシステム構築に注力してきた同社ですが、国や地域ごとに使用しているシステムがバラバラということもあり、不具合情報を本社に集めて分析することが難しい状況にありました。本来は分析より得られた知見を現地のフィールドサービスエンジニアにフィードバックできる仕組みが理想なのですが、分断化されたシステムがKPIを妨げる原因になっていたのです。

グローバル展開に優れたDynamics 365によるソリューション

同社が目指したのが、グローバル規模で統一的なシステム構築による情報共有と、素早い分析によって得られた知見の適切なフィードバックです。そこで、フィールドサービス管理システムそのものと運用方法の刷新を検討し始めます。

最初に検討されたのが国内のフィールドサービス管理システムを海外拠点向けに展開する方法でしたが、システムが国内向けに作り込まれたものであること、クラウドシステムの利用料が高額であることから断念します。オープンソースソフトウェアによる汎用的なシステム構築も検討したものの、ビジネスの変化へ素早く対応することが難しく、かつ海外拠点からの問い合わせを受ける体制を整えられないことから現実的ではないと判断しました。

最終的に同社がたどり着いたのは、「世界中の拠点で現地の言語を使って利用できるシステム」を条件とし、Microsoftの「Dynamics 365」という結論に至ります。また、Dynamics 365をベースにITソリューションを提供するベンダーが多い中、同社が日立ソリューションズを選んだ理由は「フィールドサービス管理パッケージの開発・販売を通じて豊富な業務ノウハウを蓄積していること」です。また、海外拠点へ導入する際のグローバル支援も提供していることも決め手となっています。

フィールドサービスにて故障による訪問回数を34%削減

Dynamics 365のグローバル展開により、フィールドサービスに関わるデータを全社共通のフォーマットとして収集・分析・フィードバックする仕組みを構築したことで、「故障当たりの訪問回数」というKPIでは前年対比34%削減に成功しました。また、紙帳票でのフィールドサービス管理をしていた海外拠点では、データ分析移行の作業を効率化できるとしてDynamics 365によるフィールドサービス管理システムを高く評価しています。

紙帳票への記入よりも新しいシステムへのデータ入力の方がより多くの項目を入力するため時間がかかるものの、入力されたデータを本社側で分析して現地にフィードバックする仕組みを作れると説明すると、納得の上で導入ができたとのこと。同社は、将来的にはIoT(Internet of Things/物のインターネット)とフィールドサービス管理システムの連携により、顧客満足度をさらに高め、フィールドサービス業務の効率化を目指します。

日立ソリューションズでは、Dynamics 365を活用したフィールドサービス改善に向けたノウハウがあります。フィールドサービス改善による顧客満足度の向上、ひいては収益性の拡大をぜひご検討ください。

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